♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

第8章 保健室との付き合い方

1.保健室との連携

 学校運営上なくてはならない存在が「養護教諭」であり「保健室」です。よって、何かきっかけを作って保健室を頻繁に訪れることが大切になってきます。部活動顧問として、担任・副担任として、教科担当として、個人的な相談相手として、生徒情報を共有することは、教員としての基礎基本となります。

2.三流の先生が見た保健室

 ここでは分かりやすくするためにわざと「三流」「二流」「一流」という言葉を使いますが、批判する意図は全くありません。若手の先生は、まだ三流だなとか、あの先生は一流だなと考える参考にしてもらえれば幸いです。
 三流の先生は、保健室を「問題のある生徒が溜まる場所」と考えています。だから、体調不良を訴える生徒がいたらとりあえず保健室に行けと指示をして、あとは放置です。その生徒がどうなったのかを気にもせず、「あいつは保健室に行ってばかりで問題のある生徒だ」というレッテルを貼ってしまっているため、生徒指導としては不十分です。授業中に頻繁に体調不良を訴え保健室へ行く生徒がいたら、せめてそのクラスの担任と話をするだとか、保健室にその時の授業中の様子を伝えつつ、その生徒に関心をもつ努力が必要だと思います。


3.二流の先生が見た保健室

 二流の先生は、基本スタンスは変わらず「保健室に任せれば良い」という考え方ですが、保健室が困らないようにこちらの持っている情報を頻繁に報告し、保健室での対応に活かしてもらおうと努力しています。保健室へ何度も行ってしまう生徒の様子を机間指導の際に何気なく観察し、「今日はこんな感じでしたよ」と報告すると、養護教諭の先生は保健室での様子や、専門家としての見立てを教えてくださることがあります。そうやって互いに情報を共有しようという体制ができていれば、いざという時に連携が取りやすくなります。


4.一流の先生が見た保健室

 一流の先生は、「保健室は逃げ込める場所の1つにすぎない」と考えていて、問題を丸投げするスタンスは取りません。担任として気になる生徒がいたら、まずは面談をして生徒本人の状況を確認します。その後、本人の了解もとりつつ、養護教諭の先生とその内容を共有して、担任として、保健室としてどのように立場を分けるかを相談します。時には、保健室では拒否してもらい、担任・学年団で対応することもあれば、担任があえて距離を置き、保健室で対応してもらうこともあります。大切なのはその際、「全員が本人の気持ちに寄り添わず孤立させる」という状況を作らないことです。私は学年主任として、その部分を気にして見ています。



5.保健室には顔を出して欲しい

 学年主任になってから、前よりも養護教諭の先生と話をするようになりました。それは立場上ということもありますが、それ以上に連携を取らないと学年が運営できないという必要性に駆られた結果だと考えます。養護教諭の先生と話をしていると必ず出てくるワードが「保健室には少しでも良いから顔を出して欲しいんだよね」というものです。先生によっては、いや養護教諭がこちらに出向けば良いのではないかと言われる方もいますが、ひっきりなしに来室者がいる保健室では難しいように思います。また、職員室には共有されていない情報を保健室では共有することもあります。私たちは100%を管理職に伝えているわけではないし、伝えるのは不可能ですから、上手く担任・学年団で問題に対応するためには、そういった細かな連携が必要なのです。


6.余談ですが・・・

 この仕事をしていると、職員室でいると息苦しく感じる瞬間があります。だから部活動に顔を出したり、教科室に隠って仕事をしたりという先生がいらっしゃいます。もちろんすぐに帰宅するのが一番ですが、仕事が終わらないという人もいます。そんなときには保健室を利用しています。個人的な悩みを相談しているわけではないですが、生徒の様子をわざとしっかりと観察して話題を作り
、相談という名目で息抜きをしていることがよくあります。迷惑はかけないようにしたいですが、保健室を身近に感じるためには必要な時間かなとも思っています。


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