♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

第5章 生徒指導の在り方と実際 その2

2.早期発見のポイント

 前回は、生徒指導の在り方と実際に行っていることを簡単に説明しました。今回はその続きとして担任の視
点で生徒を見たときに、何が大きな問題に繋がるかについて説明していきます。

(1)遅刻・欠席・早退
  問題を抱えている生徒が一番初めに行動として表すのが「欠席・遅刻・早退」です。担任として欠席連絡
 を受け取っていると、この生徒は「体調不良」での欠席が1週間に3回になったなと気づくことがあります。
 ここで初めて電話連絡をするというのが一般的な高校の先生のやり方だと現場にいて感じます。私はこれで
 は遅いように感じます。欠席が1日に10人という状況になる前に、まずは1日、遅くとも2日休んだ場合は家
 庭連絡を入れるようにしていました。そこで保護者と話をする中で、本当に体調を崩しているのか、何か問
 題を抱えていて休んでいるのかが見えてきます。またそうやって頻繁に連絡を取り合っていることで保護者
 から「実は家でこんな状況です」と話してくれるようになるため、特に初めて担任を受け持つ場合は、丁寧
 に電話連絡をするよう、心がけるべきだと思います。
  遅刻が増えてきた場合は、2つ考えられます。夜型の生活になり、生活リズムが崩れてしまっている場合と
 学校への行き渋りが起きている場合です。1つ目の場合でも、ゲームやSNSに依存してしまっている生徒がい
 れば、親と喧嘩して、クラス内で揉めて眠れなかったという生徒もいます。まずは生徒に話を聞きますが、
 これも保護者との電話連絡で状況把握に努めるのが良いと思います。
  早退が増えてきた場合も2つ考えられます。1つは、体調を崩してもう授業は受けられないという場合と、
 単に帰りたいという場合です。前者の場合、体調を崩したら仕方ないと思われるかも知れませんが、必ずし
 もそうとは限りません。授業が難しくてついていけないから逃げたい。課題の居残りを避けたいから帰りた
 い。部活動に行きたくないから正当な理由が欲しいなど、気分不良から来る体調不良ではないかを疑って接
 する必要があります。ここの部分は保健室との連携が必須となります。何でも保健室が判断してくれるから
 良いと人任せにすることなく、早退の時にその生徒が話している内容や雰囲気を共有し、担任として自分が
 できることはないかを相談しておくと良いと思います。

(2)授業中(学習)の態度
  自分は副担任だという人は特に、ここが入り口となると思います。上位校であればそこまで気にすること
 はありませんがそうでない学校では、まずはしっかりとした姿勢、身だしなみで挨拶ができることや、授業
 中に自分の担当教科以外の教材が出ていないかをチェックする必要があります。今の学習指導要領では、授
 業中1度も机間巡視、机間指導をしないのはほとんどないように思いますが、全くない訳ではないので必ず1
 度は周って、机上を確認できると良いと思います。授業内で気をつけるべきポイントは他にもあります。小
 テストです。テスト中にカンニングを企む生徒もいますし、小テストだからと言って、私語をしたりずっと
 伏せて受けないという態度を取ったりすることもあります。そんな生徒が出てきたら、まずは現場を押さえ
 て声をかけるとともに、その後職員室へ連れて行きましょう。
  授業外で乱れが出てくるのは、提出物です。今の成績の付け方では、出したかどうかだけでは評価を付け
 ることができません。しかし、裏を返せば出せない生徒に対するアプローチをいかに行っていくかが求めら
 れます。元々提出できない生徒に向けて、どのように指導・支援を行っていくのか。しばらくして提出でき
 なくなってしまった生徒に対して、どのような話をし、頑張るよう励ませるかが大切です。

(3)身だしなみ
  服装の乱れは心の乱れと言う言葉がありますが、まさにその通りだと私は考えています。普段から服装を
 正そうと声をかけていて、それでも整えられない生徒は何かしらの問題を抱えている可能性が高いです。1
 年生ならば、中学校からの申し送りを、2・3年生ならば、前の学年からの申し送りを確認してみましょう。
 年度初めに頑張っていた生徒もしばらく経つと乱れてきます。1学期から声をかけて何度も直させるような
 生徒なのか、周りを見て乱すような生徒なのかを見極められると良いと思います。
  世の中の流れを見ると、今ある校則は全てがブラック校則のように扱われ、身だしなみについてももっと
 緩くするべきだと言われます。仮にその通りに完全撤廃したときに、生徒や教員の間で「高校生としてふさ
 わしい身だしなみとは・・・」のようにきちんとした理解ができていれば良いのですが、それができていなけ
 れば校則を緩めるべきではありません。その部分を理解せず、批判する人が世の中に多いため、非常に苦し
 い思いをしています。


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