♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【オンライン】「ある日の日常」解説編

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▼ ショートストーリー
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 この解説を書くにあたり、想像しにくいなと感じたため、ショートストーリーを作成しました。まだ読んでいない方はそちらをご覧ください。このストーリーに合わせて、オンライン授業についての報告を行っていこうと思います。

【オンライン】「ある日の日常」 - 【毎日更新】#黒板エッセイ 【毎週更新】教員志望必見!高校教師、現場の声



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▼ 接続テスト
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 来週、全校一斉に自宅で接続テストを実施します。各担任の先生がビデオ通話を開始し、全校一斉に接続し続けることは可能かをテストするためです。先行実施している学校では回線がパンクして繋がらなくなったという例もあるようで、どうなるかは分かりません。
 もし繋がった場合は、10分程度かけて全員がその通話に参加し、どのように使うかや、オンライン授業になった場合、どのような画面になるかを体験してもらいます。繋がらなかった場合は・・・終わりです。スタディサプリにメッセージを送ってもらって、現状把握し、テスト終了というのが良いところかなと思います。


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▼ teamsの使い方
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 本校で採用されたMicrosoft Teamsの使い方について少し説明します。9月に入って生徒たちは、スマホタブレット、自宅PCのいずれかにteamsのアプリをダウンロードしました。(いずれもない生徒には個別対応をしているようですが、全校でタブレットPCは80台配備されているので、それを貸し出す形になるのだろうと思います。これは管理職の先生が対応してくださっています。)
 次に一人一人発行されたメールアドレス、パスワード、クラスパスワードを登録していき、全員がどこかのチームに所属していきます。例えば1年8組の生徒であれば、teamsにログインすれば1年8組の画面が出てくるような状態です。反対に先生たちは、自分の授業担当クラスに所属しているため、複数のチーム、つまりteamsに所属しているのです。私の場合、1年生担当なので1年1組から8組まで全てのチームに所属しています。
 そして、所属できたら、その中のチャネルに入ることで、科目ごとの連絡を受け取ることができます。例えば、古典のチャネルに入れば、古典の関連のやりとりや連絡が見られるということです。このチャネルは1年生分は私が全て作りました。簡単にできます。
 実際にこのチャネル内ではLINEのようにチャットで会話したり、スタンプを送り合ったり、通話したりできるそうです。これはアプリが起動しているときか、スマホで通知設定がONになっている時に使用できます。


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▼ 長時間使えない
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 通信時間に関しても他校では問題が出ているのだそう。技術的に長時間通話し続けることが難しいという点があったり、各ご家庭で通信量に制限があって、長時間使えないという点があったり、そもそも集中して画面を見続けることができないという点もあったりします。各学校に配付されているWi-Fiルーターも、ある一定の通信量を超えると使えないらしく、この問題は学校だけで解決できる問題ではありません。ですから、ショートストーリーにあるとおり、最後の古典の先生のように、最初だけ一斉授業を行う、のように通話時間を制限する必要性が出てくるのです。


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▼ 真面目な生徒が損する
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 そうすると、オンライン化したときに、一斉授業型を続けることへの疑問が出てきます。一斉授業で先生の話を聞くことが長時間できないのであれば、それぞれのペースで進めていく授業を考えなければならないためです。そこで必要となるのが、上を伸ばし、下に学び直しの機会を与えるという考え方です。ここを新しい学習指導要領では力を入れて提案しているので、我々はその部分を急ピッチで考え、共有していかなければなりません。ですが、現状ではできていません。勉強不足です。
 この授業構成が定まるまでは、ショートストーリーのように、理解度の低い生徒に時間が割かれ、高い生徒には自主学習を求めるという形が取られることと思います。理解度の高い生徒は自分で頑張ろうとするならば問題はありませんが、理解度は高いのに自分で頑張れない生徒にとっては悲惨な現実です。これは多くの高校が抱えている問題だと言えます。


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▼ 出欠は?格差は?
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 全員が真面目な生徒であれば問題ありませんが、そんなことはありません。性善説で生徒を見たときにも、朝のST時点で入室できていない生徒がいたら、通信環境が良くないのではないかと考えるし、もしもそういう生徒がいたら、授業内容を動画として残し、いつでも見られるようにしなければならないとなります。でも、性悪説で生徒を見たときには、寝坊したのだろう、動画が残ることを前提にサボり、その動画も大して真剣に見ないだろうと思ってしまいます。どちらが事実であれ、その場に参加できなかった生徒を「遅刻」「欠席」「早退」とカウントすることは難しいし、もしも家庭の情報環境が良くなければ、どんどん学習意欲が低下し、さまざまな格差を生むことになります。教育の機会を保証するためには、オフラインとオンラインのバランスを取り、できればオフラインでの活動を継続して行うというのが、今の教育界の考え方だろうと思います。
 ただし、いつまでもオフラインありきの教育ではいけないことも確かです。オンラインになったとしても、それぞれの資質・能力が伸ばせるような授業のあり方について考えていく必要があるようにも思います。毎日忙しい日々の中で、今の在り方を大転換することは難しいですが、できる範囲でチャレンジして行けたらと思います。長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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