♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

第4章 学級担任として習慣にすべきこと

1.教室の環境整備

 先述の通り、学級担任として大切な仕事の中に、教室の環境整備があります。高校の先生は、ある程度高校生が自主性を持って整備させれば良いと考える場合が多くありますが、教室を常にキレイにしておきたいと考える生徒はどのぐらいいるでしょうか。いくら優秀でも、常に周りのことを第一に考えて行動するとは限りませんし、自分のことを自分で行動させるにしても、ちょうどよいバランスを作り出すためにはやはり担任の先生が工夫を凝らすしかありません。

(1)黒板は落書き板ではない
 個人的には、教室に絵やコメントが書いてあると嬉しい気持ちになりますが、その落書きは全てを許すべきでは無いと思います。小中学校ではルールを決め、あらかじめ生徒たちに伝えます。例えば、背面黒板では係決めや種目決めなど、クラスで決める必要があるものを書き、それ以外のことで必要があると思うことは相談してね、などと伝えます。高校生に対しては、さすがにそこまでは言いませんし、言いたくもありません。だから、二つの案を提案します。
 一つ目は、担任が背面黒板をたくさん活用するというものである。たくさんのチラシがあるため、空きスペースにひたすら貼っていくのも良いし、今後1週間、1ヶ月の予定を書き込むことで、生徒が書くスペースすら与えないのです。
 二つ目は、意図的にこちらが自由記述欄を設けることです。ただし、ここを自由スペースとして周りが不快に感じたり単なる落書きを書き始めたりするようならば、「みんなが元気になるメッセージや絵を描こう」のようにある程度制限を設けるのもアリだと思います。

(2)前面黒板はチョークも含めキレイにしておく
 授業へ行ったとき、黒板が汚いと字が見にくいし、そもそも授業に対するモチベーションが下がります。(先生も生徒も)だから、毎日メンテナンスを行っていました。私は毎日100均で手に入れたマイクロファイバー布を水拭きし、水分を取る形でキレイにしておきました。もちろん毎日やらないと汚くなってしまうため苦労しますが、教室へ入った瞬間キレイな黒板を見れば、誰でもこのキレイさを保ちたいと思うでしょう。
 また、チョークは生徒に常に新しいものを用意させていました。半分以下の長さになったものは、職員室へ置き場所があったため、そこに保管していましたが、なければ箱を用意しておき、文化祭で使用できるように取っておけば良いと思います。使い道がなければ、自分が使うか、最悪捨てれば良いでしょう。私の教室では白4、黄2、橙2は必須で、その他使えそうな色を1本ずつ入れておきました。私は白と黄と橙をよく使うのでこのような数にしました。チョークは先生が持ってくるものだと思っている方もいますが、それでも忘れてしまう先生もいると思います。だから、あらかじめ準備しておくのです。

(3)掃除道具を整頓しておく
 学級担任の手腕を見極める点で最も参考になるのは、掃除道具入れです。ぜひ周りの先生のクラスを開けてみてください。仕事のできる先生のクラスの掃除道具入れはキレイです。それは、生徒に掃除道具の管理まできちんと指導しているからです。私も使いやすい箒があって、その道具は汚いと使いたくありません。だから、掃除がしっかりとできるように道具から調えておくのです。また、雑巾がキレイに整頓できない場合は、紐付きの洗濯ばさみを買ってきて、保管場所をオリジナルで作ったり、ゴミ箱に蓋をつけたりなど、掃除が終わったあとにキレイになったと感じるような工夫をしていきます。

(4)掲示物のルールを作っておく
 どこに何を貼るかは、担任の腕の見せどころです。小中学校であれば、ユニバーサルデザインの観点から、黒板の両側は掲示物を貼らないというルールがあるようですが、高校はそこまで厳しくありません。だから、まずはルールを決めておくと良いでしょう。私のルールを紹介します。
①前面黒板の横(窓側)は、清掃担当・係・委員会など役割の掲示物を貼っていました。先生がST時に指示しやすいようにするためです。
②前面黒板の横(廊下側)は、時間割表や座席表など、授業に関するものを掲示していました。生徒が情報を得るために、即時性のある情報もこちらへ掲示します。
③背面黒板の横(窓側)は、校則や靴箱の位置など、学校生活を送る上で変更されることのない情報を掲示しておきます。
④背面黒板の横(廊下側)は、常に掲示物を動かすところとしておきました。例えば、進路情報を常に貼っておき、期限が来たら外すというルールでもよいし、生徒の自己紹介や定期考査への意気込みなどを掲示しておき、出入りのついでに見てもらうということもしていました。

(5)話を聞くときは机の上はなし
 朝礼、終礼時は、身だしなみを整えることと、机の上は何もなしということを徹底していました。特に朝は慣れてくると課題を取り組んでいたり、終礼時は帰るために荷物を載せていたりと、他に意識が動いていて話が聞けていないことが多くあります。だから、ルールを設けておくことで、指示無しで生徒たちがしっかりと話を聞くことができるようになります。

(6)毎月面談を行う
 昼食時や業後、回らないときは朝も含めて、生徒たちと面談を行います。この面談は、進路や学習計画、人間関係の把握など多岐にわたりますが、こうやって繋がりを持っておくことが、生徒指導のリスク管理につながります。叱るのが苦手という若手には必須の習慣だと言えます。

(7)その他必要なルール
 たくさんのルールを設けてきて分かったことですが、最後は担任がどんなクラスにしたいかを語り、行動に移すことが最も大切なルールだと思います。上記の内容はあくまで具体的な行動例であって、この通りにしていてもこちらがそのつもりがなければなし崩しとなって、返って生徒たちに悪影響を及ぼします。どの部分を1年かけてこだわっていくかを考え、絞っておくことが大切です。1年間通してできないことは、調子に乗って4月に入れすぎないようにしてくださいね。



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