♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学級経営】リスクを避ける学級経営~歴代勤務校から学んだこと2~

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▼ 習慣の難しさ
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 前回のブログです。
dzweb8823.hatenablog.com
 またいつか、ということでしたが、忘れないうちにまとめておこうと思い、続けて書くこととしました。今回の話題は、習慣づけの難しさです。高校教師の永遠のテーマと言っても過言ではないのが、学習習慣の確立です。このチャレンジを過去に4度行いましたが、いずれも上手くいっていません。そのあたりの話をしていこうと思います。

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ブルーノート
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 今から6年前、高校2年生の担任を受け持ったときのことです。大学進学を目指す生徒たちが中心となった学級が作られ、そのクラスを受け持つことになりました。そこでそのクラスの生徒たちに向けて、全員にノートを配ることにしました。名前は「ブルーノート」です。イオンの安いノートが青色、10冊セットで売られていたからです。このノートとともに提示したのが「2-2日本縦断の旅」です。ノートを1ページやるごとに1マス進めるというルールにして、自分の努力を可視化しました。
 このノートを頑張る生徒は、日本縦断を終え、世界旅行へと進んでいきましたが、頑張れない生徒は北海道にずっといたまま1年が終わりました。学期に1度程度ボールペンやミニノート程度のご褒美も用意していましたが、「私はご褒美のためには勉強したくない」と言われ、かなりへこみました。今考えれば本質的ではなかったなと反省しています。



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▼ 担任面談×10
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 その次の年、3年生だったので進路相談も兼ねて、担任面談を月に1度のペースで行いました。普通は進路決定後に面談を頻繁に行うことはしませんが、この年は多い生徒は1人10回面談を行いました。昼食の時間にずっと面談し続けたのです。その結果、進路を意識して学習に取り組ませたいというこちらの意図は伝わったようですが、それが実際の学習習慣に繋がることはありませんでした。一応、国公立大学へ進学した生徒はいましたが・・・。副担任の先生の粘り強い指導と、元々の潜在能力があってのことですから、自分は何もできなかったように思います。


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▼ 中学校への異動
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 ヒントが得られないまま、中学校への異動が決まりました。その時、仕事としてあったのが「生活のあゆみ」という生徒の日記に対するコメントの記入でした。1クラス33名でしたが、まるまる1時間かけてコメントを書いていたため、とても負担に感じました。そのうち、半分ぐらいが出さなくなり、こちらの負担が軽くなりました。でも書いているうちに、これでは駄目だと後悔しました。周りの先生がたくさんのコメントを返していたからです。
 中学校勤務2年目、1年生の担任を務めたとき、出せない生徒には毎日コピーを渡し、何とか全員が「生活のあゆみ」を提出できるように努力しました。このとき、初めて毎日続けていくことの大切さに気づき、同時に始めた黒板エッセイも無駄ではないことに気づきました。
 最後の年も、全員が「生活のあゆみ」が出せるように努力しました。そしてこのシステムを使えば、学習習慣に繋がるよい習慣ができるのではないかと考え、もう一度挑戦することにしました。

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▼ モチベーションノート
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 高校へ戻ってから、3年生の担任となったため、モチベーションノートという名前をつけて、緑色のノートを配りました。全員にノートを配り、日記のようなものを自分のタイミングで提出し、学習に対するモチベーションを維持できるようにしました。しかしこれも失敗でした。理由は、毎日出す必要がないため、必要なとき以外はノートを使うことがなかったから。直接話をすることが苦手な生徒や、物を書くのが好きな生徒は続けて提出してくれましたが、ほとんど機能しませんでした。この数年間を振り返るとあることに気づきました。
 それは、習慣を作らなければ、どんなによい道具があっても使うことはないということです。中学校で「生活のあゆみ」を書いてきた生徒に、高校でも同じようなことをさせ、だんだん学習習慣に繋がる活動へと変化させていくことが習慣づけで最も大切なことだと気づいたのです。そこで今年、再びリベンジで「ブルーノート」を全員に配り、初日から日記を出させています。


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▼ ノートが出せない理由
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 始業式から毎日ノートを提出させていて、提出率は90%を超えています。やはり中学時代に身についた習慣は素晴らしいなとかんじています。ただし、ここから漏れる生徒が少しずつ出てきました。程なくして週末課題やGW課題の未提出者が提示され、この生徒が一致していることに気づきました。よくよく考えてみれば当たり前で、課題よりもこのノートを優先して書くはずもありません。この生徒と定期的に面談を行い、習慣はどうやったら身につくかについて相談しながら進めています。最近になってその数が増えてきているため、数日前にブログでアップしたような話し合いを設けました。さまざまな活動を通して、どうやったら習慣が身につくか、そしてその習慣がどうやったら学習習慣に繋がるのかをこれからも検証していきたいと思います。
 今回は”リスクを避ける”という視点であまり書けませんでしたが、ノートを毎日書くことでその生徒自身にどのような変化があったのかをいち早く知ることができるという意味ではリスクマネジメントなのかもしれません。これからもいろんな挑戦をすることで、生徒がどのように潜在能力を発揮していくか見ていきたいなと思います。最後までご覧いただき、ありがとうございました。



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