♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【宿題】課題・宿題の出し方

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期末考査2週間前
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 期末考査が2週間後に迫りました。通常では1週間前になると、考査前週間というものが設けられ、部活動が停止となり、考査に向けて本格的に勉強に取り組むようになります。だからこそ、この期間に課題を終わらせ、テスト当日に課題を提出するという流れを踏む場合が多くあります。
 しかし、私は今日を課題提出の期限としています。今回は課題の出し方や、取り組み方、そして未提出・再提出についてどのように実施しているかについて報告したいと思います。


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▼ 習慣づけ
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 本校では週末課題を実施しています。国語・英語・数学です。3教科とも実施しているのは、1年生でこれらが肝になるということもあるし、週末には必ず学習に取り組むという学習習慣づけを狙いとしているためです。この量が多ければ、それだけ学習習慣に繋がるものの、多すぎてしまえばそれだけ負担になったり、自ら学習に取り組もうという気持ちが薄れたりとさまざまな問題に直面します。
 また、週末には平日の授業の予習や復習に取り組んでもらいたい気持ちもあります。これらの事情から、国語では30分程度の課題に留めています。漢字の反復ノートです。さらにこの漢字の学習の成果が見えるように、週明けのタイミングで漢字の小テストを実施しています。つまり、週末課題に取り組み、漢字の小テストを実施し、頑張れば点数が取れるというサイクルで学習に取り組ませているということです。


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▼ 定期考査に向けて
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 定期考査に向けて、補助教材も取り入れています。これは、先程の漢字のように、週末課題として出すものや、定期考査の範囲として、この期間に取り組ませるものもあります。中学校では、授業の補助としてワークがありますが、高校では授業内容とは異なる作品を扱うため、高校1年生は戸惑いを隠せません。(もちろん文法事項や身につけたい資質・能力について、普段の授業と乖離しないよう、工夫して課題を設定していますが、生徒にとっては新しい文章が1つ増えた、という感覚だと思います。)


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▼ 課題は考査当日提出
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 そんなわけで、補助教材に取り組むのは、どうせならテストの直前とし、解いた覚えがあるうちにテストに臨んでやろうという気持ちが働きます。中学校まではそれでなんとかなったのかもしれませんが、高校ではそうは行きません。考査の範囲がとてつもなく広いからです。現に、今回の国語総合(古典)のテスト範囲は、助動詞の出題範囲は全体の半分以上ですから、直前に終わらせようとしても、答え丸写し以外の方法では至難の業です。
 だからまずは、この時期ぐらいから課題に取り組むよう呼びかけます。今のうちに1回通り解いておいて、直前に2回目、3回目と取り組んでおけば、自分の苦手がはっきりとしてきて、身につくようになると指導します。実際に中学校勤務時代には、その指示により、補助教材に加えて、ノートに2回目を実施したり、辞書で調べたものをルーズリーフに取り組んでテープでくっつけて提出したりという意欲的な生徒が見られます。こういった提出物を狙うのであれば、考査当日を提出の期限とし、期限ではなく、取り組み内容に関して評価の差別化が行えます。


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▼ 先生も大変・・・
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 けれどもここには、大きな問題もはらんでいます。成績処理がとてもしんどいということです。高校ではあまり感じませんが、中学校では1週間も経たないうちに成績処理を終えていたイメージがあります。(イメージなのかもしれませんが、とてもタイトでした。)考査自体、中学校は3日間に対し、高校は5日間ありますから、それもあるのかもしれません。よって、テストが終わったら採点と課題チェックを同時進行で行わなければなりません。さらに学期末には通知表作成のための成績処理も加わり、授業・成績処理・部活動の三重苦となります。(結婚式と葬式がほぼ同時期にあった時は、朝5時まで徹夜して処理を終えました。あの時は辛かった。)


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▼ 2週間前に提出
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 そんな訳で、課題提出の期限を見直すことにしました。まず、1回目に課題に取り組むタイミングを早めるため、課題提出の期限を考査2週間前に設定し、返却後復習してから考査に臨めるようにしました。これをやることで、生徒たちは答え丸写しで提出することが少なくなり、課題の質が上がったように思います。また、チェッカーである私も、1週間かけて見ることができるため、考査1週間前にこういう所を復習すべきだと指示を出したり、皆が間違えた問題などを定期考査に出題したりできます。
 さらに、課題提出ができない生徒も、何度も催促してテスト当日に提出できれば、課題未提出で処理されることがないため、原点幅を最小限に留められるのです。もちろんこのサイクルにはデメリットもありますが、メリットの方が大きいため、これからも続けていきたいと思います。


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▼ 課題の追い方
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 最後に、課題未提出・再提出者に対する指導方法について書いて、終わります。これは正直、答えが見つかっていません。ペナルティを与えたこともあるし、逐一面談を行ったこともあります。呼び出し状を入れたこともあるし、放置したこともありますが、どうやっても提出できない生徒に変化はありません。やはり、まずは遅れてでも提出させることから初め、その後期限を守らせること、そして写さずに取り組ませるという段階を踏んだ指導が必要だと感じました。課題の取り組み方について年度当初に説明していますが、忙しい最中で言われたとおりにやるのは難しく、やれていないのが現状です。理想と現実の狭間で、どこまでできるのかを探りながらこれからも継続して指導に当たりたいと思います。


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