♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【人事交流】今の教育に求められるもの

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▼ 6/6 講演決定
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先日、恩師から講演の依頼がありました。退職された校長経験のある先生方に向けて、今の現場の話をして欲しいとのことでしたので、恐れながら快諾しました。
その先生方の会には一度だけ、俳句をテーマにした会の時だけ参加したことがあるのですが、おそらく自分が高校生の時に、すでに退職されているような方々だと思うので、自分たちが当たり前だと思うことを丁寧に説明する必要があると感じました。今回は、そういった視点で、現状をまとめてみようと思います。

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▼ 終身雇用、年功序列崩壊
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特に自分たちが大学生の頃から、今までの雇用の在り方が大きく変わり、転職や非雇用が当たり前の時代がやってくると言われてきました。実際に私の同級生も、教え子も、大卒(高卒)後からずっと同じ仕事を続けている人の割合は多くありません。この現状に加えてコロナ禍です。公務員である私たちですら、在宅勤務という新しい働き方が求められるようになりました。
ただし、教職員の世界はまだ古い体質が残っていて、学年主任(分掌主任)や管理職になる先生方は年齢順だということは変わりないと思います。大きく違うのは、それをやりたがらない人が多いと、私たちのような年齢で教務主任や生徒指導、進路指導主事の仕事が回ってくるという現状もあるということです。

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生涯学習とキャリア教育
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このような現状を踏まえ、進路指導は単なる大学選びではなくなりました。将来どんな仕事に就きたいか。そもそもどういう生き方をしたいかということが説明できなければならないということです。
そして、あるテーマについて自分で研究する、総合的な探究の時間が作られました。身近なテーマであれば、「クラス全員がもっと集中できる机の配置がどのようなものか?」というものから始め、「福祉とは何か?」という抽象的なテーマを自分の関心に基づいて研究していくのが「総合」です。


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▼ 受験力vs資質能力の育成
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ここまで、今教育界で求められているものについて話してきました。ただ、こういったことが求められる中で、全てが理想通りに行く訳がありません。後半は理想と現実の狭間で苦しむ、私たちの現状について話していこうと思います。中高人事交流にも触れます!
まずは、受験です。高校入試に向けては、内申点と入試問題を解く力の両方が必要になります。内申点を取るためには、授業中のノートの取り方や、小テスト、提出物、定期テストなど、全てをバランスよく取り組まなければなりません。観点別評価は、さまざまな観点があるからです。例えば国語科で言えば、関心意欲態度、話す・聞く力、書く力、読む力、知識・理解のどの分野も満遍なく取り組まなければならないということです。そして、入試問題を解く力もつけていかなければなりませんが、この点は塾でやっていることが全てで、学校の先生の言うことなど聞こうともしません。
高校へ進学した後は、同じように過ごしていきますが、中学校と違い、全ての観点を満遍なく事細かく評価される訳ではないので、こちらで明確に指示をしないとどんどんサボるようになります。言い忘れましたが、最近の中高生は自分にとって利益があるかどうかで、行動を決める傾向にあるため、この辺りをどう指導していくかが大切になってきます。
そして入試問題は、学力を問うだけではなくなってきています。例えば小論文や自己PR文などの作文能力を問うこともあれば、面接やプレゼンテーションなどの話す力を問うこともあります。これらの能力もつけていかなければならないのに、授業自体が入試問題を解く力の育成中心になってしまっていることも課題です。


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▼ 部活動の苦悩
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部活動指導も大きく様変わりしています。早いところではもう外部に任せていますが、多くは厳しいルールの上で行われています。一番厳しいのは中学校の運動部です。
これまでは土日両方、朝から夕方までずっと練習というのが多くありましたが、土日どちらかを休みにすること、時間も3時間程度にすることを指示されています。また、夏はWBGTと呼ばれる熱中症指数を見て、一定の値を越えたら活動が禁止となります。さらに、冬は日が暮れる前に活動が終わるので、平日は20分ほどしかできません。そういった生徒たちが高校へ進学してくるため、部活動に対して妥協するような場面が増えているように感じます。

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▼ 私たちができること
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今はいろんな制限があって、矛盾していることもたくさんあるので、とても苦労することがありますが、そのルールの中で生徒たちが成長できるよう、先生方が日々努力されています。何事にも悲観的にならず、前向きに取り組んでいくことが生徒たちの良いモチベーションにつながると思います。これからも引き続き頑張っていきたいと思います。
私が行っているのは「黒板エッセイ」です。毎日黒板を磨き、メッセージを書き、写真に撮ってネット上に公開しています。スマートフォンInstagramというもので公開していると、中高生たちが自由に見られるし、これまでの教え子たちも見てくれて、その都度元気がもらえていると言います。これからはこういったものも使って、どんどん情報を発信していきたいなと思います。


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