♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学校祭】どこまで介入するか

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▼ 学校祭終了
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 昨日無事に学校祭が終了しました。さまざまなトラブルがあったものの、何とか3日間の日程を終えることができました。私は中学校と高校の両方を経験しているため、体育祭・文化祭に向けて先生がどのような労力をかけているかをよく分かっているつもりでいます。今回は中学校勤務時代にも触れつつ、高校ではどこまでを先生が介入すべきかについて考えていきたいと思います。


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▼ 中学校の思い出
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 私の勤務した中学校では、体育祭・文化祭がありました。体育祭にはさまざまな種目がありましたが、学年種目というのがあり、これは各学年に運営を委ねられていました。例えば、台風の目、棒引き、綱引きといった具合です。これらのルール説明や練習は各学年、各クラスに委ねられていて、正直大変でした。学活の時間を使って、団席から入場し、競技を行い、退場するという一連の流れを生徒会担当の先生を中心に提案し、取り組んでいきます。運営にあたっては、学年主任が前に立って動かしてくださる場面もありますが、体育科の先生が学年にいない場合も多い中で、生徒をいかに動かすかはとても勉強になりました。
 一方体育科では何をしているかと言うと、バトンパスの練習や、その他の入退場の練習など体育祭全体に関わる指導でした。ここが後述する高校での指導との大きな違いだと感じました。
 また、体育祭の各競技の運営は、委員会が担当しています。例えば、生活委員会が大縄跳び、図書委員会が玉入れ、といった具合です。ですから、中学校の先生方には満遍なく仕事が振られている印象を受けました。
 文化祭は合唱コンクールでした。(もちろん文化部の発表もありますが。)この合唱指導は、クラスはクラス担任、学年は学年主任が務めます。もちろん音楽科の先生が授業の中で専門的な指導を行いますが、そこへ担任の先生が行き、一緒に指導を行うという場面は多く見られます。私の場合は、NHKやCBCのコンクールに出たことがありますから、何となく合唱指導はできますが、多くの先生は未経験ですので、発声練習やパート練習を見守る程度というのが現状かなと思います。


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▼ 高校の場合(本校では)
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 先に断っておきますが、どの高校も以下のような形で行っているとは限りません。あくまで本校はこのような形で取り組んでいるという程度で読んでいただければ幸いです。
 始めに体育祭です。体育祭の競技は練習をしない種目が多くあります。例えば玉入れ、リレー、大縄跳びなどです。これらは業後(放課後)に練習する場合もありますが、ほとんどせずに本番を迎えています。本校では体育の時間に学年種目の練習を行います。言い方を変えれば、体育科の先生方が学年種目の練習を担当するのです。例えば1年生は台風の目を行うため、並び順から競技の練習までを体育科の先生方が担当します。また、2・3年生は応援ダンスがあるため、生徒たちが考えたダンスの入退場や隊形練習に少しアドバイスを付け加える程度となります。つまり、ほとんどを生徒たちの自主性に任せているのです。
 それでは運営はどうでしょうか。これは先生方に仕事が割り振られていますが、中心は体育科の先生方で、運営を担当するのは運動部の生徒たちです。リレーの時には陸上部が、綱引きの時にはラグビー部が動き、全体指揮を体育科の先生方で担当しているといった印象です。


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▼ 文化祭の場合
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 本校では8月の出校日(毎年17日頃)の翌日から準備を本格的に開始します。1学期に何度かLT(LHR)の時間があって、クラスでどのような展示物を作るかを考えるわけですが、買い出し等はこの日からスタートします。このスタート時点で、先生がどこまで介入するかが第一のポイントになるかと思います。
 例えば、生徒たちが自分たちでできあがりの想像ができていて、まだやるべきことが分かっていない場合、それが分かるまで待つのか、それをこちらで促すのか、それを事細かに指示をするのかで大きく結果が変わるし、生徒の成長の度合いも変わります。また、できあがりの想像すらできておらず、困っているところを助けるのか、そのまま放置するのかでも結果は変わってきます。ただし、1つ言えることは、完全に放置していても、私の所属する学校のレベルでは何とか形にはなると言うことです。あとはどこまでのレベルを求めるかによって、先生が介入する度合いも決めていけば良いのではないかと考えています。
 また、クラスによって、リーダーがいるところとそうでないところ、みんなで動こうとする雰囲気があるところと、指示を待つ雰囲気があるところ、暇だからと言って文化祭準備に参加しない生徒がいるところと、その生徒にもやらせようとする生徒がいるところなど、クラスによって全く雰囲気が変わるため、一概に何が正しいとは言えません。でも、生徒の自主性を高めるためには、ある程度のレベルの低さを覚悟して、生徒に任せることが大切だなと感じました。


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▼ 学年主任として
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 最後に、学級担任を持たない学年主任の視点で体育祭・文化祭を見ていきます。体育祭は、いろんなクラスのいろんな生徒の頑張る姿を間近で見ることができ、いろんな生徒と関わりを持てるチャンスが多いなという印象を受けました。逆を言うと、広く浅い付き合いとも言えるかもしれません。一方文化祭は蚊帳の外といった印象でした。各教室に顔を出してもアドバイスすることも手伝うこともできませんから、寂しく職員室で仕事をしていました。その中で生徒たちの前に立つのは、頭髪が奇抜だとか、何か悪ふざけをして指導するといった場面が多く、本当に悲しく思いました。私の学年はさして大きなトラブルはありませんでしたが、学級担任として生徒に寄り添うのではなく、規則に従わせる視点を持って生徒と接する苦しさや大変さを改めて感じた学校祭でした。詳しいトラブルについては、またどこかで話します。今は生々しくなるのでやめます!

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