♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【人事交流】中学校と高校、先生になるならどっち?(部活動・通知表編)

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▼ はじめに
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前回から少し時間が空いてしまいましたが、今回はこの続きです。

dzweb8823.hatenablog.com

今回は、働いて感じた違いという点ですから、中高生にとっては知ったこっちゃないことですが、教員志望の人にとっては参考になることばかりで、中高それぞれの現役の先生にとっても、参考になることだと思いますので、ぜひそういう方に読んでもらえればと思います。

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▼ 部活動について
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これは以前、部活動のところで扱っている内容と重複しますが、改めて書いていきたいと思います。私立と公立で扱いが異なりますが、中高での大きな違いを挙げると3つあります。
①部活動の種類が多いかどうか
②顧問がその場にいるかどうか
③ルールに対して従順かどうか
これを順に説明していきたいと思います。

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▼ 部活動の種類について
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当然ですが、小中学校よりも高校の数は少ないわけですから、当然部活動の種類も所属人数も多くなっていきます。(少ない部活動もありますけどね)だから、高校では、人気部活動のレギュラー争いがよく言われているし、高校から初めてこの部活動に入ったということで、初心者と経験者とのいざこざが問題になることもあります。また、そもそも顧問となる先生がその部活動を経験したことがないことが多くあるため、(むしろ経験したことのある部活動をはじめから任されるなんて、野球やサッカーぐらいなもので)専門的な指導に苦慮することが多くあります。この点は中学校と同じですね。
中学校では入学者数が減少傾向にあれば、当然所属する人数が少なくなり、これまであった部活動が廃止となるケースが出てきています。例えば、私が受け持っていたソフトボールも、10年前まで強豪校と言われたところでも人数が集まらず、続々と廃部となっていました。その結果、リーグ戦が組めない状況も生まれてきました。今後は部活動がクラブ化すると言われていますが、それぞれにどれだけの人数が集まるか分からない中、うまくいくのだろうかと疑問に感じています。


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▼ 顧問がその場にいるか
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中学校の部活動顧問で一番やりづらさを感じたのは、必ず張り付きで部活動を見ていなければならないということです。裏を返せば、絶対に部活動を見られない状況ならば、部活動をやってはいけないということです。それゆえ、職員会議があるときには部活動は禁止されていて、制限が厳しいところでは三者懇談(保護者会)実施中も禁止という方針が出されています。
一方高校はそこまでの制限はありませんから、職員会議中も部活動は普通に行われていますし、顧問の先生がついていなくとも大きな問題にはなりません。(怪我の時の対応を考えればついていることが望ましいですが、そこまで厳しく言われていないのです。)

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▼ ルールに従順か
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中学校はルールに対して拘束力が強いように感じました。これは市教委(市教育委員会)の指示を強く受けてのことだろうと想像されます。例えば、夏休みは熱中症対策の観点から、暑さ指数(WBGT)が31を超えた瞬間活動禁止となるため、早朝6時台から部活動を実施する地域が出てきているようでした。冬も日が落ちる前に帰宅させなければならないため、ひどい時には20分間のみの活動という例も多くみられました。部活動をしたくてもできないという印象でした。
一方高校は、言い方が悪いですが、ルールに従う学校が少ないため、自由度の高い活動ができるように感じました。最近はCOVID-19の感染状況から、練習試合について厳しく指導が入っていますが、それ以外は中学校に比べたら厳しくはないのです。

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▼ 成績処理について
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部活動のことだけで終えても良いのですが、もう一つだけお話しさせてください。通知表です。今から書く内容は、私が昨年まで所属していた中学校と、今所属している学校の違いであって、全ての中学校(高校)がこのようなシステムではないことを断っておこうと思います。
中学校では、観点別評価で成績をつけています。国語で言えば、関心・意欲・態度、話す・聞く能力、書く能力、読む能力、言語についての知識・理解・技能の5観点で評価をつけます。これはテストだけで評価をつけず、作文やスピーチなどさまざまな活動を通して評価を行うことを表します。
高校でもこの点に大きな違いはありません。ただし、これらの評価規準を明確にしていなかったり、テストの点数に重きを置いた指導に偏ってしまったりと、学力重視の評価になってしまっているように思います。新学習指導要領施行により、この流れが大きく変わることは間違いありませんが、長年行ってきた評価方法を変えようとする流れは、今の若手やこれから教員になろうとする人たちによって起こさなければならず、とても苦しい思いをすることになろうと思っています。
どのような学校であっても共通して言えることは、学期末の成績処理は時間と手間がかかっているということです。7月、12月、3月は特に忙しいわけです。3月は自分の異動も重なると余裕なんてありませんが、今年のように休校だと比較的働きやすかっただろうと予想されます。

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▼ 所見にかける想い
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多くの学校で廃止が決定していますが、中学校名物としてかつて、通知表の所見というものがありました。学級担任が生徒はどのようなことが頑張れたかを文章で表します。文字数も使ってはいけない表現も決まっていて、その文章を何度も何度も書いて、管理職の先生方に添削いただくのです。私の場合、期末考査のあたりから書き始めて、完成するのが終業式の2、3日前でした。今思い返すと、やっぱり大変だったなと感じます。
一方高校では、指導要録の学籍の記録へ残すことはあっても、それを生徒が目にすることはありません。よって、そこまで時間をかけて書くことはありません。(手を抜くこともしませんけどね。)

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▼ まとめ
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今回は部活動と通知表について考えてみました。中学校の方が一つ一つのことに対して丁寧な印象があるのは、さまざまなルールが明確で、守ることが絶対であるからだと思います。こうやって決められすぎているのも窮屈ですが、高校のように大雑把な面がありすぎるのも問題だと思います。これからはどの部分をきちんと行い、どの部分に自由度を持たせるのかを先生方と相談して行くことが大事だと感じています。今は中学校の感覚をもって、高校の無秩序な様子(もちろん中学校に比べてですよ!)にカルチャーショックを受けていますが、何が無秩序なのか、何が大雑把と感じるのかをこのブログに残しておき、今後の中高の在り方について考えるきっかけとしたいと思います。各県でも現状が異なるところは多くあるかと思います。ぜひいろんな状況を情報交換してみたいものですね。


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