♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【キャリア教育】プレゼンテーションが今大切な理由

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▼ 推薦入試でプレゼンを課す大学
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先日、とある大学の推薦入試の課題としてプレゼンテーションを求めていることから、合同で指導を行いました。初任校が総合学科であったため、プレゼンテーションの仕方を1から説明することは難なくできたのですが、時間が圧倒的に少ないことから、発表会もあまりうまくいきませんでした。そこで今回は、プレゼンテーションはどのようにして作ればよいのか、それによって副産物的に手に入るものは何かについて話していこうと思います。


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▼ 船長になれ
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私が大好きなプレゼンテーションの動画は、ディズニーランドのジャングルクルーズの動画です。
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YouTubeで検索してみると、さまざまな船長さんがいらっしゃって、台本はある程度あるようですが、本当に引き込まれる感じがしました。
総合学科勤務時代は、やみくもに「これをやれ!」と指示し、生徒たちが必死に準備をしてくれましたが、それをようやく言語化することができるようになりました。

① お客様に「楽しかった」と思ってもらえるような思い出を提供している
② その人にしか話せない(動けない)もので、お客様の注目を集めている
③ 自分が一番楽しんでいる

こういったことがプレゼンテーションでは大切なのだと改めて感じました。



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▼ 話し方の学校
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YouTube講演家の鴨頭さんは、これらのことを「コンテンツ(内容)」「デリバリー(表現)」「マインド(思い)」という言葉で表しています。話すときに一番大切なことは、日ごろから相手に与えようと心がけて生活していくことであり、スピーチをするときにそれが相手に伝わって、受け取ってもらえるのだと話しています。また、それこそが全ての土台のマインドであり、そこからコンテンツやデリバリーの技術を学ばなければ、いくら話が上手くなっても意味がないとも話しているのです。本当にその通りです。先述の③はまさにその内容だと思います。
www.youtube.com



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▼ プレゼンテーションの意味
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プレゼンテーションとは、英語でpresentationと書きます。この単語は「発表」「説明」の意味もありますが、「贈呈品」「授与品」の意味もあります。つまり、プレゼンテーションとは、贈り物なのです。だから、当時プレゼンテーションを指導していた時から口酸っぱく言っていたのは、相手に「受け取ってほしいことは何か?」「あなたが渡したいものは何か?」はっきりさせなさいということでした。総合学科での課題研究では、「ウェディングドレスを作りたい!結婚式を企画してみたい!」「猫の気持ちを研究して、猫と仲良くなりたい!みんなにも猫のことをもっと知ってほしい!」「菱田春草の作品をとにかく知ってほしい!そして好きになって、展示会にも行ってほしい!」などさまざまな思いを乗せたプレゼンテーションを見ることができたのです。



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▼ あなたは何が伝えたいの?
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さて、先日観たプレゼンを振り返ってみると、明確な答えが得られました。それは、何を伝えたいのかが分からないところです。例えば、「デンマーク瀬戸焼を売りたい!」というプレゼンは、伝えたいものがなければ、たとえ内容的には面白かったとしても、「頑張ってね!」という応援メッセージにしか繋がりません。でもそこで「私たちが使っている食器を海外の人が欲しいって言っているから、もっと誇りを持とう!」とか「器までこだわるのが日本文化だよ!」とか伝えたい内容があれば、今度瀬戸焼を買ってみようとか、もっと海外の人に自慢できるよう調べてみようという気持ちが持てるのです。


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▼ プレゼンを作るようになって見られた変化
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プレゼンテーションを作っていると、その生徒自身にも変化が現れます。それもそのはず、プレゼンテーションを作る過程で「与える」ということを意識して生きなければならないという意識が芽生え、他人に「してもらおう」ではなく、誰かに「何かをしたい」と思うようになるからです。それが具体的な方法(例えば清掃活動とか、集配物の手伝いなど)に繋げていくには時間がかかりますが、こういったプレゼンテーションは、生徒の人格の形成にも大きくかかわっていると言えます。生徒全員にその変化をもたらすことは難しいのかもしれませんが、これからはプレゼンテーションからよりよい生徒を育てていきたいと思います。


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