♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

新しい時代にも通用する教師像

YouTube講演家の鴨頭嘉人という人の動画を見て、ひどく感銘を受けた。彼の話(1)と実際の経験談(2)を基に、「新しい時代の教師像」に迫りたい。


 1.個に応じた指導

(1)てりやきマックバーガーセットのナプキンは何枚いるか。

普通のセットと違い、手が汚れやすいことから多めに配ることが考えられる。でも、マクドナルドのある社員は、「全てのお客様の必要枚数を覚える」と答えた。それは、身だしなみを整えるために余分に使おうとする人もいれば、なるべくエコに使おうとする人もいて、一律に決めることができないからだ。

(2)家庭学習の未提出者にどう声をかけるか。

本校では家庭学習を毎日配付し、取り組ませている。その中で、当然出せない生徒がいる。普通に考えたら、一律に居残りをさせたりペナルティを与えたりするが、上記の話を聞いて、少し対応を変えた。それは、「たまに忘れる生徒といつも忘れる生徒の忘れる原因を記憶し、その原因を解消するための計画を教師が立てる」ことだ。例えば、たまに忘れる生徒は、取り組む時間や、それをカバンに入れる時間がまちまちで、適当になっている場合が多い。そこで、生活リズムを聞いて、この時に課題に取り組み、この時にカバンに入れることを決めた。また、いつも忘れる生徒には、まず課題に取り組む習慣自体がないため、家で課題に取り組む習慣をつけることが第一と考えた。ある生徒には、「1日1ページ取り組んで提出しなさい」と声をかけ、ある生徒には、「その1ページをお風呂に入る前にやりなさい」と声をかけた。まだ始まったばかりだが、個の現状に合わせた指導ができるよう、個を理解する努力が必要だと考えた。

 

 

2.生徒の思いを察する指導

(1)相手の声を想像する。

いつもコピーを頼む部下が笑顔で「やりますよ」と言ってくれているが、その笑顔は本心なのかを考えなければ、不満を抱かれ続け、信頼関係を築くことができない。相手が声を出さなくとも、表情を見ただけでどう思っているかを知るためには、相手の話し方や素振りから、相手の声なき声を想像する訓練が大切である

 

(2)目の前で耳打ちをする女子中学生

初めて中学校へ赴任した際、女子ソフトボール部を任された。右も左も分からなかったが、こうすべきだと思ったことはきちんと生徒と顔を合わせて伝えた。しかしその直後、別の部員を呼んで目の前でこそこそ話をし始めた。その時には、不満に思っているのか、情報を共有しているのか、さっぱり分からなかった。でも、一人の優しい部員が「先生の決定はここが不満なんですよ」と教えてくれた。それ以降、話した後の表情や目の前で耳打ちするたびに、想いをくみ取ろうと努力し、お互いに意見をぶつけ合う機会を設けてきた。中学生は、あからさまに態度に示すから想いは想像しやすい。だから、教師はそれに対して柔軟に対応する必要があると感じた。