♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【人事交流】保護者対応で大切なこと

モンスターペアレントはなぜ生まれたか?
●教員に対する信用
 保護者対応で我々が悩まされることの一つに、怒りの電話があります。その原因の多くは、教員の生徒に対する指導が不適切ではないかというご意見です。言い換えれば、先生は我が子のことを想って指導してくれているのか?感情だけで話をされたのではないかという疑念です。
 多くの場合、それは勘違いで会って、きちんと丁寧に説明をすれば分かってもらえることばかりなのですが、実際に電話口でそれをお話ししても感情的になっているため、聞いてもらえません。そこで今回は、あの温厚な方が世間一般で言う”モンスター”になってしまうのかを考えていき、保護者対応で大切なことをまとめていきます。

●小学校では些細なことでも電話がかかってくる
 「小学校ではよく電話がかかってくるんですよ」と以前伺ったことがあります。その理由は、3つです。
①我が子の言っていることが信用できず、先生から事実を伝えてほしい。
②我が子が言うことを聞かないから、先生の方から指導してほしい。
③我が子の様子がおかしいから、なぜそうなったのか教えてほしい。
3つに共通することは、我が子を心配する親の気持ちです。毎日顔を合わせる中で、些細な変化に気づいてしまうのが親というもの(らしく)。本人を放っておけないようなのです。中学生になれば、多少その気持ちが薄れていくようですが、それでも毎日のように電話をかけてくる保護者もいらっしゃいます。それが悪いということではなく、それだけ本人のことを心配しているということなのだと思います。

●中学校では些細なことでも、とりあえず連絡を入れる
 中学校へ進学すると、先述の通り、小学校と同じではならないと保護者が我慢するようになります。でも想っていることに変わりはありませんから、些細なことでも連絡がもらえると嬉しい(らしい)のです。元々欠席した生徒には連絡する方の人間でしたが、中学校では欠席した生徒全員に電話をかけ、保護者と連絡を取り合っています。そうしておくことで、担任の先生はこういう人であるというイメージを作ってくださって、何かあったときも、あの先生のことだから何か事情があったのだろうと信用してくださるのです。また、電話以外にも学級通信を配付して、こちらの意図を知ってもらうというのもあります。保護者の手元に届かない場合もありますが・・・。

●高校では、指導案件で電話する場合が多い
 私は割と欠席した生徒に対して連絡を入れますが、「わざわざご丁寧に」とよく言われます。それだけ高校進学後は、電話がかかってこないのだろうと思います。確かに、電話連絡といって高校の先生が連想するものは「欠課時数(授業欠席数)の増加」「生徒指導上の問題」「提出物の確認」など、あまり良い内容ではありませんから、こちらとしてもあまりかけたくないんですね。
 ただし、この”あまりかけない”ということが、不信感につながることもあります。小学校のように頻繁に訪問することもなく、中学校のように電話や学級通信があるわけでもなかったとしたら、担任の先生はどんな人か?を我が子から聞くことになります。もしかしたら保護者の間で評判の良しあしが出回っているかもしれません。それがよいものなら問題ありませんが、悪ければそれが不信感に直結するのです。


〇保護者対応で難しいもの
●一方的な思い込み
 校種に関わらず、生徒指導を行ったときに、こちらの意図がうまく伝わらない場合があります。そのために、こちらから説明する電話を入れるのですが、それすらも理解してもらえない場合があります。こういったときには、基本的に来校いただいて、顔を合わせてもう一度話をするという方法がとられます。これは、表情が見える状態で話すと、こちらが悪意を持って話していないことが伝わるし、(悪意なんかあるわけないのに・・・)冷静に話をしたり聞いたりできるからです。

●当事者がいない
 指導をした教員の指導方法について物言いがつくことがあります。そして、指導した教員がいたとしても、指導された生徒がいない場合もあります。2つとも、当事者がいないので、事実確認をしたところで平行線をたどり、話がまとまりません。この場合は、ひとまず保護者の気持ちに寄り添うことが大切だと思います。それ以外にできることがないからです。前任校では、たまたま電話を取ったという理由だけで、自分のクラスも学年も関係のない保護者の方の話を1時間聞いたことがあります。こういったところも、保護者対応の難しいところですね。

●言葉に敏感
 教員に対して不信感を抱いている保護者にとって、些細な言葉づかいがとても気になります。例えば「〇〇のつもりです」と言われたら、思っているだけで行動する気はないだろうとか、「相手を否定するニュアンスがありました」と言われたら、本人は何か悪口を言ったのか、何と言ったのか説明しろといった類です。こういった場合は、こちらの感情を一切排除して、事実だけを伝えることに徹するしかないかと思います。


〇保護者とうまく付き合うために
●PTAの懇親会に参加
 コロナ禍で開催すらされていませんが、PTA役員の歓送迎会や忘年会に管理職や学校運営の中心人物が参加するという慣習が高校にはあります。私はそこへ1年目から参加させてもらっていたので、全く抵抗感はありませんが、普通は違います。もっともっといろんな先生が、保護者と話をする機会があるといいなと思います。(はっきり言って疲れますけどね。話自体は面白いので、参加する意義はある、という話です。)中学校は多くの先生方が参加していました。

●こちらからの電話連絡は必要
 こちらからの情報発信は必要だと思います。学級通信、電話連絡など、面倒ではありますが、きちんと行っていくことがリスクマネジメントにつながります。これからも保護者の方からご意見をいただくことはあるかもしれませんが、その場合も含めて、きちんと話をすることこそが重要だと思います。

●正解はないが、間違いはある
 今回書いた内容は、私が経験したうえで導き出した結論であって、最適解ではないと思います。そして、保護者対応で正解と思われるものは多くありますが、決して〇〇が正解だと言い切れるものはないと思います。反対に、間違いと思われることはあります。それは、生徒本人に対する愛が感じられないことと、保護者の気持ちを理解しようとしないことです。この2つがなければ、いくらどんなテクニックを使っても上手くいくはずがありません。私は教員になって日は浅いですが、これからもこの考えが変わることはないかと思います。
 

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