♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【免許更新】選択必修④ 教育課程と学習指導要領の関係

〇それぞれの言葉の意味合いについて
 ・教育課程・・・カリキュラムのこと。教科活動と教科外活動の両方を合わせて計画するもので、国家レベルのものが学習指導要領、学校レベルのものが年間指導計画である。
 ・学習指導要領・・・国家レベルでの公的な枠組みのこと。法的拘束力をもつ。
 ・年間学習指導計画・・・学校単位で考えられたもの。学習指導要領の基づくもの。
 ・指導計画・・・教師がそれぞれで計画する授業のこと。年間指導計画に基づいて、目の前の生徒の状況に応じて、授業を展開していく。


〇経験主義vs 系統主義
 学習指導要領の改訂の流れの中で、経験主義と系統主義という単語が出てきました。経験主義とは、子どもの興味や体験に基づいて主体的に学んでいくという考え方です。一方系統主義とは、物事を系統だてて説明されることで、原理原則や知識を学んでいくという考え方です。初めは系統主義に従って教科書通りに進めていきましたが、落ちこぼれ問題を引き起こしました。それに対して経験主義を重視しすぎた結果、学習内容が大幅に削減され、学力低下が問題となりました。


〇資質・能力ベースの教育課程へ
 これからは、内容重視から資質・能力重視の教育課程へ転換していくことが決まりました。具体的に言えば、〇〇できるようにするという単純なスキルアップだけでなく、社会の諸問題に対して状況を判断し、必要に応じて知識を使う能力を身につけさせようという考え方です。この能力のためには、学校の中だけでなく、地域や家庭との連携が必要になります。これを「社会に開かれた教育課程」と称して、これからの教育課程の在り方を説明しています。


〇まとめ
 できることを増やそうとすると、小手先の技術だけで済ましてしまいがちですが、そうではなく、どんな状況に置かれても応用できる能力を身につけるために何ができるかを、学習指導要領に基づいて考えていかなければならないことがよく分かりました。授業構成は大変な作業ですが、生徒の能力を伸ばすための最善の策を常に模索し続けたいなと思います。