〇アクティブラーニング(AL)
最近はあまり聞かれなくなりましたが、アクティブラーニングというものがあります。これは、生徒が聴く以上の関わりをしていることや、高次の思考に関わっていることを表します。
●ALの誤解
アクティブラーニングは
①新たな授業のメソッドである
②網羅主義と活動主義のうち、後者である
③基礎の修得がなければ、応用ができない
という誤解を抱えています。①について言えば、以前から方法としてあるものの考え方を変えようというものがALであり、②について言えば、両方とも大切にしながら進めるべきものであるし、③について言えば、基礎と応用の両方ともが指導可能なものであるということです。
〇授業実践 あまりのある割り算の単元(3年)
足し算も引き算もおぼつかないまま3年生に進級してきた宏君。 他方で、「かけ算が唱えられる」ことばかり重視し、かけ算の「意味」を忘れてしまっている “できる”子どもたち。
宏君にはカップとタイルを使わせ考えさせる。数字だけで考えた子どもたちからは4通りのやり方が出てきた。
タイルを使ったもうひとり別の女の子のやり方を見て、宏君が「真利さんは同じに分けていない」と発言し、宏君のやり方がみんなの根拠になって、討論が深まり、正解を導き出し ていった。
参考:渡辺恵津子氏の実践(「系統性を超え学びのバイパスをつくる—九九を覚えていなくてもわり算はできる—」、岩川直樹・汐見稔幸編(2001)『「学力」 を問う』草土文化)
〇学びを活動的にするために
基礎的な学習を発展的に活用しながら学ぶことはもちろんですが、学習者にとって「価値ある」=考えるに値する内容だと思わせることが、当たり前の世界を違って見えるようになる学びへとつなげていけます。
〇まとめ
まさにアクティブラーニングは手法だと思っていました。頭を活発にさせる授業はなかなか上手くいきませんが、成功した時には生徒が充実感にあふれた表情を見せてくれます。毎日研究して面白い授業を作りたいなと思います。