♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【定期考査】テスト作成の仕方

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▼ いよいよ期末考査
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 高校によって日程はバラバラですが、総じてこの時期に2学期の期末考査を実施しています。本校は、今度の火曜日からとあって、早い日程の科目はすでに完成しているか、最終校正に入っています。
 これまでは、授業や学校行事に向けてどのような取り組みをしているかについて発信してきましたが、今回は先生の仕事の要と言っても過言ではない、定期考査の作成について書いていこうと思います。あくまで今回は、私の場合は、という話ですから、全ての先生がこうしているわけではありませんので、ご了承ください。

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▼ 年間指導計画
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 年度初め4月には、必ず年間指導計画を教科・科目ごとに提出します。学習指導要領に従って作成するため、きちんとその教材や単元が現状に合っているか、そして生徒の資質・能力の育成に繋がっているかを考えていきます。
 この計画の作成に当たっては、昨年担当した方のご意見を伺うこともあるし、新しく担当する学年であれば、昨年どのような形で授業を行っていたかなどを情報共有します。どの学年を担当する場合でも、誰かが主となって進度を決めたり、他の担当の先生方に提案したりする必要があります。もしもこの時に昨年の資料がしっかりと残っていれば問題はないのですが、全く残っていない場合には1から前担当者の聞き取りを実施し、進度を決定していかなければなりません。

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▼ テストの七つ道具
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 年度当初に決められた指導計画に従って授業を実施していきます。理想は、授業前に考査を作成しておき、どのような力を身につけさせたいかを明確にしておくことですが、なかなか年度当初の忙しい状況ではできません。また、生徒の現状を見て、随時計画を見直していくため、テスト範囲が直前にならないと確定できないという点もあり、テストは実施直前に作られることが多いように思います。
 特に国語のテストを作るときには、以下のものを準備することが多いと言えます。
① 教科書
② 本文CD-ROM
③ 指導書
④ 副教材
⑤ PC
⑥ プリンタ
蛍光ペンまたは赤ペン

① 教科書
言うまでもなく、問題のもととなるものですから使用します。時々教科書の中に問題が入っていることもあるため、そのまま使うことはしませんが、作成上参考にすることもあります。

② 本文CD-ROM
 国語の先生になくてはならないものです。本文を全て打ち込んでからスタートというと、ものすごく時間がかかります。そこで、教科書会社からいただけるデータを使って、問題を作成していきます。副教材にもデータがついてくる場合が多いため、0から作るということはあまりないように思います。
 逆に言えば、自分のオリジナルの文章を使う場合やデータがない場合には1から打ち込まなければならないという大変さがあります。やったことはありますが、本当に大変でした。

③ 指導書
 授業づくりで参考にしている資料です。私の場合、問題に使えるというよりも、言葉の表現方法を参考にさせてもらっています。改題として出題することも0ではありませんが…。

④ 副教材
 ①教科書と同じ理由です。私は模範解答を問題作成の参考としています。選択肢問題を記述式問題に変えたり、その逆を行ったりする時にはとても役に立ちます。

⑤ PC
 当たり前と思うかもしれませんが、普段使っているPCでないと、専門用語が出てこなかったり、アプリが入っていなかったりします。国語科としては縦書きに仕える「一太郎」が入っているかが大きなポイントとなります。

⑥ プリンタ
 これも当たり前ですが、最終確認の時には必ずプリントアウトして自己チェックを行います。画面上と実際の印刷がズレているなんてことはよくあります。

蛍光ペンまたは赤ペン
 問題の修正には必ず使います。蛍光ペンの方が目立って、修正前の字が見えるので重宝していますが、赤ペンでも問題ありません。


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▼ 問題検討
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 問題ができたら、同じ学年で受け持っている先生方に見てもらいます。国語の場合、ミスがないかという点に加え、質問の仕方や、選択肢の表現について深く検討するため、1問に30分かけることもあります。ここが一番大変かもしれません。


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▼ 採点も検討
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 もちろんテスト実施後の採点基準についても話し合います。採点前に分かっていればよいですが、採点後で基準が不明確なものについては、担当者同士で話し合って、〇×を決めていきます。これもとても時間がかかりますね。
 たくさんの問題で採点基準を話し合うことになると、いつまで経っても採点が終わりません。そこで、事前のチェックの際には、採点基準についても話題にすることが多くあります。今回は話題にしませんが、入試の記述式問題の採点基準も同様の手順を踏むため、国語だけ異常に長い採点時間が必要となるのです。


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▼ 今日はここまで
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 この後、答案返却や、素点確認、成績処理などやることが盛りだくさんですが、テストについてということでしたのでこの辺で終わりたいと思います。いよいよ私のテストが生たちの手元へ行きます。60点を平均として作っていますが、どうなるでしょうか。いろんな意味で楽しみです。


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