♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【教育実習】先生が誰しもが通る道

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▼ 教育実習終了
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 昨日、2週間および3週間の実習が終了しました。本当は全員の授業見学に行きたかったのですが、時間割の関係に見に行くことができず、3名の先生(数学、音楽、英語)の授業しか見に行くことができませんでした。でも、その3つの授業の中で、多くの気づきを得ることもできました。今回は自身の実習体験から、実習担当の立場になった時の大変さや想いを思い出して、書いてみようと思います。


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▼ 実習のお願い
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 教育実習先は(大学にもよりますが)原則自分でお願いの電話をして決定することが多いようです。愛知県では高校は母校へ、小中学校へは大学から一括して申し込み、教育委員会から実習校の配当を受けるため、母校でない場合があるそうです。
 教員志望の大学生は、3年生の6月頃までに実習先のなる母校へ連絡を取ります。(大学でガイダンスを受けるので、それに基づいて動きました)その後、4年生時点で、挨拶も兼ねてもう一度連絡を入れ、実習期間や事前打ち合わせの日程等を確認し、いよいよ実習が始まります。



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▼ 2週間?3週間?
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 実習期間は、自分の取得する校種や数によって異なります。小学校ならば4週間、中学校・高校ならば2週間です。さらに、中高両方の免許を取るために3週間で一括して取る場合と、1学期中に高校で2週間、2学期中に中学校で2週間実習を行う場合もあります。私は幸いなことに高校で3週間の実習が行えましたが、2週間しか受け入れない場合もあります。(そうなると行きたくもない中学校へ2週間も実習にいかなければならないのか・・・と当時は思っていました。のちのち3年間中学校へ勤務することになりましたが)


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▼ 担当教員決定
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 時を同じくして、実習生から連絡が来る前に担当教員が決定します。教科主任と相談して決める場合もあるようですが、だいたいは管理職が相談して、その先生にお願いしているような印象を受けます。私が実習生をHRで受け入れたことがあるのは、中学1年生の時のみです。国語は今まで受け持ったことはなく、道徳の指導案作りを自分が勉強しながら教えるという地獄のような時間でした。
 私が実習生の時には、母校でお世話になった先生が担当でついてくださいました。しかも、私が一番憧れている先生のHR、そして国語の授業であったため、感動したことを覚えています。


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▼ HRの生徒との距離
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 私が実習生の時には、授業を大切にしたかったのであまり生徒と話しませんでした。すると、担当の先生から、もっと生徒と話しなさいと叱られてしまいました。今教員になって思うことですが、生徒とたくさんコミュニケーションを取っていなければ、授業中の話は聞いてくれないし、信頼関係を築くまでにかなり時間がかかってしまいます。大学生として行くと、先輩と後輩のような関係になり、先生として行くと変な距離が生まれてしまう。実習生と配属されたHRの生徒との距離感はとても難しいなと感じました。他のクラスでもコミュニケーションを取るかどうかは大切なことですが、自分の配属されたHRはやはり特別な存在となっていくため、切り離してかんがえてみました。


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▼ 授業見学は他教科へ
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 私が実習生の時には、国語の授業ばかり見ていましたが、いろんな教科を見ておけば良かったなと初任者になってから痛感しました。話を聞かせる技術は、体育の先生の声のかけ方が参考になったし、教科書を開かせ音読をさせるまでの一連の指示の仕方は、英語の先生が参考になったし、雑談で雰囲気を和ませる技術は、公民の先生が大いに参考になりました。そうやってさまざまな教科の授業を見学することで、自分の授業に還元できるのかなと感じています。
 私が無理をしてまで教育実習の見学に行くのはこのためです。つまり、他教科の授業を見ることで、自分の授業のどこがこの実習生の先生と違うのかを分析するためです。先日伺った英語の授業では、話すペースが一定で、生徒たちが教科書に顔を隠してあくびをしていました。これは自分も同じだなと感じ、話術をもう一度勉強し直そうと思い立ちました。もちろん実習生の方にも、話術の研究材料を伝えておきました。例えばTEDで話の構成を学び、ディズニーランドのジャングルクルーズの船長さんから集団の盛り上げ方を学び、落語で間の取り方を学ぶというものです。


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▼ 実習生は邪魔か
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 最後に、自身が実習生の時に散々言われたことを書いて終わろうと思います。実習先の先生(確か教務主任の先生だったような・・・)からこう言われました。
「本音を言うと、実習生は邪魔だ。実習生の行った授業範囲だけ成績が低くて、後からフォローを入れないと行けないからな。だけど、それでも受け入れるのは、あなたたちが将来先生になってくれると信じているから。だから、生半可な気持ちで取り組まないで欲しい」
 確かに、今行っている業務にプラスして指導を行わなければならず、その分お休みがもらえるわけでも、給料が増えるわけでもありませんから、単なる負担です。それでも実習生が頑張る姿を見ると、自分もあの時こうやって頑張ったなと原点に戻ることができるし、自分も負けていられないなとやる気が湧いてくるような気がします。国語の実習生を受け入れたことはありませんが、いつか自分にその役目が回ってきたときには、その人のために力を尽くせたらいいなと思います。


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