♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【教育実習】受け入れる側の本音

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▼ 今週から実習開始
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 日程の多少のズレはありますが、各学校で教育実習がスタートしました。教育実習は先生として働く人にとっては、必ず取り組まなければならないもので、生徒だった自分の記憶を頼りに、自分自身も実習に取り組んだ覚えがあります。
 そこで今回は、実習生として取り組んだ自分自身の体験と、実習生を受け入れる側の本音の両方の面から教育実習について書いていきたいと思います。


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▼ まずは講話から
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 実習の初めは、ひたすら主任の先生方の講話を聞いた記憶があります。校長先生はじめ、学校経営で大切なことをそれぞれの言葉で伝えていただき、それらの資料は今でも実家に大切に保管されています。
 見返してみると、偉人の名言を通して大切なことを教えてくださった方もいれば、実際の体験談を基に教師としての在り方を話してくださった方もいました。


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▼ 授業見学
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 担当の先生の授業を中心に、たくさんの先生方の授業を見るよう言われました。私自身国語科でしたので、さまざまな学年の現代文や古典の授業を見学しました。中には、展開授業もあり、授業の場所が分からないということもありました。その場所へ行けず、ご迷惑をおかけしました。どこでどんな授業を行うか、今どのような授業を行っているかなど下調べが必要で、単純に教室へ行けばよいわけではないことを痛感しました。
 私ごとですが、指導担当の先生は、高校生の時、先生を目指すきっかけになった先生でした。そこで、ある授業では、その先生の言葉一字一句を全てメモに取り、冒頭の5分を物まねしたこともありました。(これは他県の教員採用試験で、模擬授業として活用しました)その言葉一つ一つを真似てみると、導入でこのことを扱う意味を深く考えることができ、これは今の教員生活の原点として、現在も生かされています。


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▼ 生徒との距離を縮める
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 私が実習生としてやれなかったことに、生徒との距離を縮めることがあります。年齢が近い分、なれ合いで接してしまっては教員として失格だと考えていた私は、最終日までとうとう気さくに生徒と話をすることができずに終わってしまいました。そこで、実習生が来た時には、必ず生徒とのコミュニケーションを取ることが大切だと話していて、苦手そうな実習生を見ると、何だか懐かしくなります。
 朝礼前の何気ないやりとり、昼食後の廊下でののんびりとした会話、掃除の時間、少し手をとめて今流行りのことを聞いて、なるほどの気づくことなど、ちょっとした時間が必要だということは、実習生が話をしていると余計に感じます。実習生に教える立場でありながらも、実習生から刺激を受けることも多くあることは間違いないのです。


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▼ あなたたちは邪魔だ
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 自分が実習へ行った時には、とある先生がわざと厳しい言葉で思いを伝えてくださいました。「誰もい合わないからはっきりと言う。先生たちにとって、あなたは邪魔な存在だ。あなたが入った授業の進度は遅くなり、テストで聞いても悪い点数が出てしまう。そのフォローをあなたが大学へ帰った後に余分に行わなければならない。だから中途半端な気持ちで臨まないでほしい。」
まさにこの言葉には、受け入れる側の思いが集約されているなと感じます。実習生を受け入れたとしても手当が出るわけではありません。実習記録に目を通すために、本当に早い時間に帰れるのに夜遅くまで職員室で待たなければなりません。はっきり言ってよいことなど一つもないからです。それでも受け入れてくださるのは、自分が受け入れてもらった「恩送り」だと言えます。自分が教えたことを基に、またその実習生の先生が一人前になって、多くの生徒たちのために働いていく、場合によっては同僚として働いていくことになります。そういった思いで、この教育実習が成り立っているのです。


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▼ 生徒のために
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 最後に、担任として、生徒のためにどのようなことに心がけたかを書いて終わります。実習生と生徒たちはだんだん仲を深めていきますが、そこには「先生として」の言葉もあれば、「先輩として」の言葉もあり、「よき相談者」としての言葉だってあります。そういった関係を築いていくのは、実習生の努力次第ですが、その部分を担任としてサポートしたり、気づかせたりと工夫をすることがよくあります。(たいていの場合は動けずにいる実習生が多いですが。)そういったことをこれから教育実習へ行く人は感じてほしいし、今行っている人には考えてほしいなと思います。些細な言葉に、深い思い気持ちがこもっている。それが先生という仕事なのです。頑張れ、実習生!



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