♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学級経営】定期考査後に大切にしたいこと

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▼ 前回のおさらい
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 前回は期末考査”前”に大切にしたいことを扱いました。

dzweb8823.hatenablog.com

 内容は、テストの受け方や、課題についてでしたが、今回は主にテスト後について、気をつけていることや起こりうる問題について扱っていきます。現任校でも似たようなことが起きていることはありますが、あくまで私がかつて経験したことを基に書くという趣旨ですから、ご了承いただけたらと思います。


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▼ 考査後の巡回
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 定期考査の日には、いつもよりも早く帰宅できます。いつもは夕方、もしくは夜ですから、ついつい開放感をもってしまい、遊びに行きたくなります。それが他人に迷惑がかからなければいいのですが、大抵トラブルに繋がります。そのトラブル防止のため、定期考査当日には、交通安全指導(下校指導)や大型店舗のフードコートへの巡回を行います。
 生徒の中には、フードコートで勉強するのは悪いことではないと言い張る者もいます。しかし、食事を取るスペースで何かを買ったとは言え、複数名で会話しながら勉強しているのはこのご時世よいとは言えませんし、そもそもこんな環境で勉強することが身になるかどうかも疑わしいと思います。場所がフードコートでなく、学校であっても同じです。ついつい話しかけてしまい、それが盛り上がり、騒いでしまって、勉強に集中できないなんてことはよくあります。
 中学生の場合は、小学校へ遊びに行くということが考えられます。ついこの間まで通っていた小学校へ行き、サッカーやドッジボールをするなど考えます。当然小学校は普通に授業を行っているわけですから邪魔になってしまいます。私たち高校の教員にとって、そんなことは思いもよりませんが、そういった観点からも定期考査後の巡回は必要なことなのだと痛感しました。


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▼ 答案返却
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 考査が終了した後、先生方は採点に苦しめられますが、同時に部活動が再開するため、空き時間を上手く使って採点を終えます。そして、次の日から返却となるわけです。答案返却で最初に起こりうる指導は、答案改竄(かいざんって読めないし、書けないですよね)です。改ざん防止のために、返却時の机上は赤ペンのみにさせるのが一般的ですが、それでも起こり得ます。約40人に答案を返していれば隙はいくらでもありますから。そこで、いろんな工夫が為されています。私は採点時に無回答のチェックサイン(解答欄を埋めるように線を一本引く)を入れたり、誤答の場合はその答えにかかるように×をつけたり、その答えのどの辺が×だったのか波線を書き加えたりします。
 そういった事情を知らずに、平気で改ざんしてくることもあるため、そこから厳しく指導を行います。改ざんを認めずとも、改ざんの疑いがあったことは3年間通して、何度も共有されますから、この生徒は改ざんするような生徒だと思われないためにも、疑わしいことはやめるようにと呼びかけるようにしています。テスト中のカンニングもそうですが、その数点分で、その後の進路指導に大きな影響が出るリスクを考えれば、そんなバカなことはしない方が良いに決まっているのですが。


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不登校傾向
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 中間考査が終わると決まって出てくるのが、不登校の生徒です。4月、5月までは何とか頑張ろうと努力していましたが、中間考査の結果を見て、自分はもう駄目だとすぐに諦めてしまい、さらによくよく考えれば人間関係も、中学時代ほど上手くいっていないから、もう学校を辞めたい、学校へ行きたくないとなるわけです。ここで勘違いしたくないのが、生徒が学校へ行きたくない理由を1つだけだと考えないことです。今言ったとおり、多くの生徒は学習も人間関係も、と複数の理由がないと学校へ足が向かなくなることはありません。でも生徒から出てくるのは、「友達がいないから」の一言だけですから、そこだけを捉えて問題を解決しようと考えてしまいがちです。この「友達」も、クラス内で話す相手はいるけれど、自分が心を許して話せる相手はいないだとか、部活動での友達は仲がよいけれど、クラスでは仲がよい友達がいないという事情があって、ここをきちんと捉えておく必要があるのです。
 そこで大切なことは、そうなる前にきちんとその状況を見ておくことです。不登校のなる生徒は、孤立しているか、元気がありません。一見元気そうに見えても、目立たないところでため息をついたり、信頼できる友達に相談していたりします。ここで信頼関係ができていれば、こちらに相談してくれるのですが、なかなか相談してくれませんから、先生方の観察力が求められることです。難しい。
 しかし、不登校になってからだとそれすらできません。しまった、見ておけば良かったと後悔しても意味がありません。だから、あらゆることを予測するのです。この時期に心のアンケートを実施していれば、そのアンケートを読んで分析します。部活動の雰囲気を顧問の先生から聞き、その生徒がいる時と、いなくなった時で違いがないかを考えます。場合によっては、部員に直接聞いてみて、ヒントを得ることもあります。席替えを行って、その時の反応から、その生徒が周囲からどう思われているかを把握することもあります。いろんな手を使って、不登校生徒の状況を把握し、その生徒が学校へ戻ってこられそうかどうかを判断します。そしてそれ以外の生徒の中にも、不登校予備軍がいないかどうかを見て、適切に声をかけていきます。


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不登校撲滅?
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 このように書いていくと、不登校は悪いことだ、不登校生徒は学校へ戻ってこられるよう指導すべきだと言っているように思えるかもしれませんが、そうではありません。不登校傾向の生徒は、先程も言ったとおり、自分の問題を「学校へ行きたくない」という行動に移してSOSを発しているということなので、その生徒の問題解決のために、先生は何ができるかを考えることが第一です。それは、場合によっては、生徒と距離を置く、進路変更を勧めるということだってあるのかもしれません。本人にとって、今どうすればよいかを考えて、一緒に考えて行ければ一番良いのかなと思います。そして、そのためには保護者との協力も欠かせません。たくさん話して、たくさん調べて、そして本人の納得のいく結論を出すということは、想像を絶する労力がかかるため、大変なことですが、不登校生徒は必ず出てきますから、来るべき時に備え、それぞれの生徒のことを見て、話をしていくことが大切だと思います。



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