♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学校経営】卒業式に向けての意識の違い

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▼ 先輩に会わなかったね
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先日、卒業式の予行練習があった日のことです。いつも通り教室を掃除していたら、とある下級生の会話が聞こえてきました。

「今日、先輩と話す最後のチャンスだったのに、先輩に会わなかったね。」
「確かにね。もう少し話せると思ってた。」

この言葉を聞いて、いくつかのことを思いました。
①2年生にとっては卒業式の予行練習(同時に表彰式)が対峙する最後の機会であることを理解していなかった
②1年生は、先輩に顔を合わせることすらなかった
③各部で卒部式が行われてはいるものの、部活動に行けていない人や、部活動の枠を越えた関係がある場合の人は、十分に話ができなかった

これらの事実から、まず中高で卒業式に向けてどのような準備をしているのか、生徒たちの感覚の違いを考え、①から③について、こちらができることを模索していきたいと思います。


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▼ 中学の卒業直前期
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中学校では、卒業生を送る会が行われます。そこでは合唱を送り合ったり、下級生が出し物をしたりします。今年は新型コロナウイルス対策のために、体育館に入る人数を制限する、合唱を中止するなどの措置が取られたようです。前任校では、下級生は男子のみが体育館へ入って演舞が、女子のみでダンスが行われました。その後、合唱は中庭で行われました。3年生が中庭に集まり、下級生が窓から顔を出して中庭に向かって歌うという形です。その珍しさから、NHKの夕方の地元のニュースで取り上げられ、25日の中日新聞の地元版でも掲載されたようです。
これだけのことを2学期の秋頃から生徒会議員や、送る会リーダーたちが企画して時間をかけて取り組んでいるため、中学生の方が先輩に対して思い入れも強くなり、指導される先生方も力が入ります。結果としてそこへ向けて学校全体で盛り上がっていくのです。私は生徒会担当を務めたこともあったので、その雰囲気や熱意は余計に強く感じました。


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▼ 高校の卒業直前期
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中学校に対して、高校は学校全体であまり卒業を意識しないように思います。事実、3年生は2/15をもって自宅学習期間となり、しばらく学校へ登校しません。(国公立志望や、私大中後期受験生は登校します。)だから、直前期は各部活動でお別れ会を企画することはあるものの、先輩から後輩へ(後輩から先輩へ)何かメッセージを送ることもないのです。
学校によっては予餞会を実施する場合もありますが、全ての学校がそうなっているわけではありませんし、コロナ禍の今は全校生徒が体育館に集まることはないため、やはり何もありません。
加えて、3年生の清掃担当箇所は、教室以外は全て下級生が担当していることから、何でここをやらないといけないのかと不満を持っている生徒もいるのではとすら想像してしまいます。ちなみに、私の担当の3年フロアのトイレ掃除は、嫌な顔一つせず、一生懸命やってくれています!ありがとう!


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▼ 気持ちをどう作り上げるか
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それでは①から③について考察します。
①2年生にとっては卒業式の予行練習(同時に表彰式)が対峙する最後の機会であることを理解していなかった

この日は、3年生から見ると、久々の登校日で、初めに同窓会入会式、次に卒業式予行練習、そして表彰式という流れがあり、最後の表彰式のところだけ2年生が入ってきたという感覚だったと思います。
一方、2年生から見ると、3時間目だけ3年生と卒業式の予行練習という位置付けで、先輩が表彰されている所だけという印象で、どちらとも気持ちを整えるためには、先生の言葉掛けが必要だったのかもしれません。今回、個人的に話してくださった先生もいたし、退場練習で拍手をしてくださった先生のおかげで、拍手の中、体育館を後にすることができました。ただ、その場で「今日が最後だよ」と伝えるだけでは、生徒たちの気持ちを作ることにはなりません。この部分は来年度に向けてどうすべきかを考えていくべきなのかなと感じました。


②1年生は、先輩に顔を合わせることすらなかった

1年生にとっては、いつの間にか先輩がいなくなっていた、が一番多い感想だと思います。コロナ禍でなくとも2月に入ってから午前中で下校し、途中から学校に来なくなり、いつの間にか卒業式が終わるというのが高校の慣例だからです。
けれども、このことに関して高校で問題意識を持つことはありません。それを寂しいと思う感覚があれば、生徒会執行部が旗振り役となって、何かするのでしょうが、何もないのが現実です。


③各部で卒部式が行われてはいるものの、部活動に行けていない人や、部活動の枠を越えた関係がある場合の人は、十分に話ができなかった

これは①②で答えた通りだと思います。中学校、高校に関わらず、こちらが仕掛けとして、一生懸命に3年生を送り出そうとすれば雰囲気は変わるのでしょうが、この時期は学年末考査の成績処理や入試準備に追われて、なかなか難しいのかなと感じました。いつか、中学生の感覚を少し持った1年生たちと卒業式に向けてどんなことをしたいかを考える時間がどこかで取れれば良いなと思います。あくまで生徒の想いからアクションを起こすのが高校ですから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。高校卒業式の3月1日と、中学校卒業式の3月3日は複数投稿します。良かったら読んでください。





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