♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【部活動】考査を優先すべきか、大会を優先すべきか

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▼考査期間中に大会が・・・
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つい先日のこと。バレーボールの大会が期末考査の直後に行われることが分かりました。当然、期末考査期間は、勉強に専念するために部活動が停止となります。そこで大会の1週間前は申請して、特別に練習を行うというのが、中高での常識となっています。ただし、日頃から学習できていないと、この期間に部活動が入るのはかなりの痛手です。そこで本校バレーボール部員に相談したところ、今回は考査期間中は1日だけでよいという答えが返ってきました。つまり、部活動よりも考査を優先したということです。これで本当に良かったのでしょうか。今回は、部活動と学校生活のバランスについて考えていきたいと思います。

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▼ 顧問の価値観
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部活動に対してどれだけ力を入れて取り組むのかは、その学校の雰囲気やチームの目標に基づきます。当然県大会常連校は、問答無用で部活動を優先させますし、部活動が優先できないようなら、練習に来なくてよいというスタンスだと思います。ただ、部活動がそういう意味合いで存在しているとは限りません。むしろ、初戦負けや1、2勝ぐらいしかできない学校の方が多いわけで、そういった学校の部活動のスタンスは、部顧問の価値観に基づく場合がほとんどです。とにかく勝ちにこだわりたければ、勉強会も含めてすべて部活動で面倒を見るという人もいるだろうし、勝ち負けでなく続けていくことに意義を見出している人は、本人に任せようというのが本音だと思います。

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▼ 学業優先で見えたこと
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本校の生徒だけを見て、結論付けるのは良くないことですが、一つの例としてお話しします。先日の考査結果と大会結果を見たときに、どのような結果を得られたか。
結論から言うと、顕著な実績は上げられなかったというのが実情です。飛躍的に学力が向上したり赤点を取る生徒が減ったりといった結果が得られたわけではありませんでした。もちろん大会は初戦ストレート負けでしたから、本人たちの中にも「この決断は本当によかったのだろうか」と思う生徒が一人や二人いてもおかしくないだろうなとも思ってみていました。

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▼ なぜ絞っても結果が出ないのか
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今回どちらも中途半端な結果になってしまったのはなぜでしょうか。理由は明確です。それは、全体の努力量を減らせれば良い結果が得られるという意識が潜在的にあるからです。このことを生徒本人に聞いても、「いや楽しようとは思っていません」と言いますが、潜在的にそう思ってしまっているのです。自分のことを分析して、優先順位がつけられる生徒はどちらかで結果を残せるのかもしれませんが、そういう生徒はなかなかいません。それに、本当にトッププレイヤーと言われる人は、その両方ができるよう、日頃から心がけて生活しているため、どちらかに絞るという発想自体もないのです。〇〇を辞めたいという生徒がいるとしたら、それはもしかしたら単に嫌なことから逃げているだけの可能性もあるのです。(話を聞いてみないと分からないので、断定はできませんけどね。)


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▼ 両立のために必要なこと
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以上のことから、私はどちらに絞るということよりも、どちらも両立して行っていけるような生徒を育てることを大切にしていきたいと考えました。そこで、最後に、その方法について(今試行錯誤している最中ですが)いくつか提案していきたいと思います。
1つ目は、こちらの思いと生徒の思いのズレを解消していくことだとです。運動部活に所属する生徒は、試合で負けたいと思いながら続けません。現状がどうであれ、試合に勝ってみたいという思いは少なからず持っていると思います。だからその思いをまずきちんと聞くこと、そして受け止めることが大切です。やる気がない生徒も、もしかしたら現状から見てどうしたらよいか分からず悩んでいるかもしれないし、他の部員に対して不満を抱いているかもしれません。彼らがもつ思いをきちんと受け止めることがスタートラインだと思うのです。私も保護者会が落ち着いたら一人一人と面談を行います。
2つ目は、逆にこちらの思いを伝えることです。これは口で言わなければ伝わらないし、行動で示さなければ信用してもらえません。言い換えれば、両立をうたう先生自身が、さまざまな仕事を両立する努力が必要だということです。これは私もまだできていませんが、両立しようとする姿勢はできる限り持つように心がけています。これは一生続く課題なのだろうと思います。
3つ目は、いろんなところに目を向けられるよう、日頃から何度も話し、確認をしていくことです。これはいざ大会を直前にした時に、勉強を優先したいという気持ちが部活動で結果を残したいという気持ちが上回らないように、声をかけたり勉強の面倒を見たりするということです。これは今もやっていることですが、結果に残すような指導法が見つかっていません。部活動だけを頑張ればよいという発想から、日常を変えていこうという発想へと転換するために、生徒たちに何ができるかを引き続き考えていきます。


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▼ まとめ
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今回は、考査と大会が重複したときのバランスについて考えてきました。結論、どちらも大切にしてほしいということですが、そのために日頃から生徒にできること、先生自身ができることがあると思うので、この部分をよく考え、過ごしていけたらなと思います。やはり部活動は、日常生活がよく出てくる場所です。日頃のボロが出ないよう、気を引き締めて頑張っていきます。今日も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。



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