♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学級経営】定期考査前に大切にしたいこと

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▼ 初めての定期考査
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 中学生であれば、「定期考査」というもの自体が初めてで、中には軽く考えている生徒もいます。そしてそれは高校生も同じで、まぁ中学校の時と同じであろうと高をくくって、衝撃を受ける生徒が出てきます。今回は中高、双方の定期考査に向けての準備について過去の経験を基に書いていきたいと思います。


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▼ テストの受け方
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 まずは中学校からです。中学1年生たちは、小テストを受けたことはあるものの、本格的な定期考査は初めてですから、丁寧な説明がなければ、パニック状態に陥ります。私が伝えたことは6点でした。
①テストの準備としてテスト隊形を作ること。
普段は隣同士、つまり2人1組で机がくっついているので、離した状態にしておきます。

②机の上は鉛筆(シャープペンシル)と消しゴムのみにしておくこと。
机の横に物をかけさせず、机の中は空にしておき、筆箱や教科書、プリント類は全て鞄の中にしまわせます。

③時計を見て”早めに”行動すること。
5分前のチャイムの時点で着席(挨拶)、問題配付、2度目のチャイムで開始となるので、チャイムが鳴ったら移動ではなく、時計を見て行動するよう促します。

④テスト前の挨拶から、テスト後までの挨拶は無言で先生をずっと見ること。指示に従うこと。
言っておかなければとにかくしゃべります。先生に注目させるのは、キョロキョロして不正行為と判断されることを防ぐためです。

⑤物を落とした時、質問がある時ももちろん無言で手を挙げること。
こう書くと学級が荒れているように見えますが、そうではありません。何も考えずにいつもの癖で「先生!」と大きな声を出してしまう生徒が何人もいるため、このように伝えます。

⑥絶対に、カンニングカンニングっぽい行動はしないこと。
具体的には④にも書いた、キョロキョロです。みんなのことが気になって様子を見ようとする行動が、カンニングと疑われることを伝えておきます。それでも衝動的にキョロキョロする生徒はいますので、優しく教えます。

 他にも机の上の落書きがないか、荷物は整頓されているか。(問題用紙を放置していないか)などもありますが、これは普段からの指導ができていれば、取り立てて言う必要はないように思います。高校においてもだいたい同じですが、ここまで丁寧に指導することはまずないと思います。


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▼ 課題をどう取り組ませるか
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 定期考査に向けて中高で問題になるのが、課題です。中高双方がテスト範囲として副教材を設定しますので、当日までに課題を終わらせ、提出する必要があります。毎週のように課題を提出させ、何度も再提出させる先生もいれば、テスト当日に全てを提出させ、テスト返却とともに再提出者、未提出者の指導を行う先生もいます。
 実は私は、中高でその両方を実施したことがあります。その結果分かったことは、どちらの方法にしても、テストの結果に変わりはないことです。毎週のように課題を出していても、テスト直前に見直すことをしないまま本番に臨むし、テスト当日の提出ならば、直前に一気に取り組んで頭で理解しないまま本番に臨むからです。ではどちらでも良いのでしょうか。
 今年取り組んでいて気づいたことは、学習習慣をつけるためには、できるだけ頻繁に提出させる方がよいということでした。当然、先生の負担は増えるし、未提出者にはその都度指導を加えなければなりません。でも、それをやることで、テスト後に見返したとき、自分が全く同じミスをして再提出になっていることに気づき、自分の勉強の仕方について振り返ることに繋がると気づいたのです。この課題の取り組ませ方は、忙しい中で考えるのは大変ですが、しっかりと決めておけるとよいなと思います。


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▼ 自習という授業
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 少し愚痴っぽくなりますが、テスト前には自習の時間を取る先生がいらっしゃいます。これ以上進めてもテスト範囲ではないし、個々でしっかりと学習し、分からないところを質問することで自主的に学習していく雰囲気を作るにはちょうどよいからです。確かに自習自体は間違っていないと思うし、必要な時間だとも思います。しかし、それを「この時間、好きに使って良いよ」と指示するのは少し違和感があります。
 私の担当する現代文や古典であれば、復習として必ず要約をさせたり、4コママンガを書かせたりして理解度を把握します。その上で自習をさせるのです。当然要約が書けない生徒は、ノートを見返し、必要があれば先生に見せて添削を受けます。4コママンガであれば、場面を捉えるために本文をもう一度見返して、必要があれば辞書を使って調べます。それぞれの理解度を捉えた上での自習なので、先生も理解度の低い生徒のサポートに回れるため、効率よく自習の指導ができるのです。
 もちろん課題に取り組ませることも大切です。ただし「課題をやれ」ではなく、課題のポイントや○付けの仕方など、全員がどう取り組むべきかを明確にしておくことが必要だと思います。偉そうに言っていますが、私もまだここは勉強中です。


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▼ テスト中の質問攻め
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 最後に中学校勤務時代に大失敗したエピソードを紹介します。テストの時には、問題作成者が巡回するというルールがあります。中学1年生の最初のテストでは、問題作成者としてだいたい20分もあれば足りるだろうと思って、各教室へ行きました。けれども、テスト終了の時間になっても質問が止まらなかったのです。その質問内容は、ほとんどが本文に書かれているもので、本来聞かなくともよいものばかりでした。中には「簡潔に」って何文字ですか。この場合、句読点は必要ですか。のように答えづらいものもたくさんありました。テストを受ける前に、どんな出題形式なのかをやっておかないと、生徒たちは混乱し、それでも点数は取りたいので、たくさん質問するのだと痛感しました。
 そんなこと自分で考えろ、と言いたいところですが、残念ながらそういったことを小学校では身につけてこないので、本番前に生徒たちが失敗するチャンスを作って、そこで考えさせるような工夫が必要なのだと実感しました。
 今回は、定期考査前、定期考査中のことを中心にまとめました。次回は、定期考査後について私が取り組んでいることを紹介したいと思います。そしてこの時期から、学習以外の問題が出始めてきますから、そのあたりの話も関連付けて書いて行ければと思います。もしよろしければ次回もお願いします。



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