♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【部活動】文化部所属の生徒へ何をすべきか

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▼ 部活動=運動部というイメージ
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これまでは運動部に着目して述べてきました。ただ思い返せば、私が部活動に対して真剣に向き合うきっかけとなったのが、青少年赤十字部(JRC部)の主顧問となったことでした。たった4年間ではありますが、文化部を受け持った経験から、文化部はどのように運営され、そして何をゴールとすべきかについて考えていきたいと思います。

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JRC=ボランティア?
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そもそもこの部活動を受け持った時に、生徒へ活動内容を聞いてみました。そうしたら、募金の呼びかけ、献血の呼びかけ、水てっぽう大会での小学生たちとの交流という回答が返ってきました。なるほど、この部活動はボランティアなのかと理解した私は、基本生徒任せに運営をさせていました。
ある日、県内のJRC加盟校が集まるメンバー連絡会というものに参加したとき、とある方から「指導者講習会」に来てくれというお誘いがありました。気が乗りませんでしたが、JRCとは何かを知るよいきっかけとなるだろうと思い、参加しました。その結果、JRCとは、ボランティアを指す言葉ではないことを気づいたのです。言い換えれば、生徒は正しく部活動の意義を理解していなかったということです。JRCについての話は今回割愛します。生徒の話を鵜呑みにすると、本質を忘れて活動してしまうことがあるため、注意が必要だということは重ねて強調しておきたいと思います。

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▼ そもそも文化部の意義とは
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文化庁の「文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」にはこのような言葉があります。

文化部活動は、生徒が生涯にわたって芸術文化等の活動に親しむ基礎を形成する意義を有するものであるが、分野や活動目的、生徒のニーズ、指導者や顧問の関わり方、活動頻度や活動時間など極めて多様である。例えば生徒のニーズを見ても、自らの目標を達成する活動として大会やコンクール、コンテスト、発表会など(以下「大会等」という。)に積極的に挑戦する生徒もいれば、友人とのコミュニケーションや自己肯定感を高める居場所として大切にしている生徒、中には部活動をきっかけに将来にわたり芸術文化等の専門家としての道を歩む生徒もいる。一方、部活動の選択肢が少ない等の消極的理由で文化部活動に入部する生徒もいる。また、活動頻度や活動時間についても、年間を通して積極的に活動を行い、練習時間や拘束時間が長時間に及ぶ部もあれば、大会等に向けて特定の時期に集中的に活動する部もあり、週1~2日短時間の活動をするだけの部もある。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/bunkakatsudo_guideline/h30_1227/pdf/r1412126_01.pdf


生徒目線のみで考えてみても、さまざまな理由で部活動に所属していることが読み取れます。実際に当時の部活動の雰囲気は、ボランティアの直前期には忙しく活動できますが、それ以外の時期は暇を持て余し、ずっと部室で雑談をして終わりというものでした。彼ら彼女らにはどういったことを伝え、どういった活動を”こちらで”生み出すのかをよく考えなければならないのです。

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▼ 外とのつながりを持つ
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運動部の時にも触れましたが、他校と関係を持つことで、部活動をより活発なものにできます。運動部の場合は、練習試合ですが、文化部の場合は意見交換や、合同で活動をすることになろうかと思います。実際に活動されている話を聞くことが、生徒たちの活動を生み出すきっかけとなりました。
たとえば、暇を持て余している現状を見たときに、一部の生徒たちが「他の学校ではこんなことをしているよ」と情報収集を行って、積極的に行動に移してくれました。
そういう雰囲気が出てきた理由は、JRCには月に一度、日本赤十字社愛知県支部へ役員会として集まり、情報交換をするという会が設けられていたことにあります。他校とのつながりを持つことが、文化部にとっても非常に大切な意味をもつことを改めて実感しました。


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▼ 大会は何なのか?
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文化部でも吹奏楽の場合は、発表と呼ばれる機会があり、評価がつけられるるため、それを大会と位置付けることができますが、残念ながら多くの文化部では大会と呼ばれるものが存在しません。JRC部でも活動発表会という大会はあったものの、輝かしい活動をしている学校ばかりが表彰を受けていて、本質から外れた大会であったため、あまり重要視はしていませんでした。それではこういった文化部は何をゴールとして活動すればよいのでしょうか。
ズバリ最終目標は、本人の変化だと思います。どのようなことを考えるようになったのか、どのようなことができるようになったのか、その変化をきちんと顧問が評価したり、本人が確認できるよう可視化することが大切です。可視化するためには、毎日のように活動させたり、記録に残させたりする必要があります。ただ、ガイドラインであったように”消極的”理由で部活動に参加している生徒もいます。顧問となる先生も、何かを”教える”というよりは”気づかせる”ことが中心となるため、あまり深く干渉せず、結果的に生徒主体の活動になってしまいます。なかなかそのあたりをうまくやることは難しいですが、そういったところに注目し、部活動を運営していくと、今よりも大きな成長がみられるかと思います。文化部顧問の先生方には、ぜひそのあたりを頑張ってもらえたらとひそかに思っています。


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▼ まとめ
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今回は文化部について考えました。さまざまなモチベーションの生徒がいる中で、さまざまな顧問の先生もいる中で、目的をもって活動していくことは簡単なことではありませんが、もしも文化部運営に悩んでいる人がいたら、まず外の活動を参考にして活動を見直していくことと、活動に対して生徒がどう感じたかを形に残す取り組みを行うことをおすすめします。負担は運動部も文化部も同じだと思います。生徒のためにこれからも頑張っていきましょう。


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