♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【キャリア教育】あいさつの持つ力

〇挨拶とは何か?
●辞書の意味
 広辞苑で調べてみると、「問答を交して相手の悟りの深浅を試みること」「うけこたえ。応答。返事。」「人に会ったり別れたりするとき、儀礼的に取り交わす言葉や動作」などの意味が出てきました。元々は仏教用語だったのですね。

●小中学校ではどのように教わるか?
 中学校勤務時代に、TOSSランドでたくさんの実践例を検索して、指導に生かしていました。例えばこれです。
land.toss-online.com
つまり、挨拶は心を届けることだ、と結論づけています。この話を生かして、あいさつ運動を企画する委員会の生徒たちに指導を行っていました。もちろん、意味合いを考えさせたうえですが。また、先生によっては、挨拶が相手を認める作業であることもお話しされていました。それだけ挨拶が重要だと教わってきているのに、高校生になると、途端に挨拶しなくなります。なぜでしょうか?

●高校では挨拶の大切さをきちんと教えない
 言うまでもなく答えは、教えていないから。意識していないからです。ただし、それは一面的な見方でもあります。例えば、部活動ではしっかりと挨拶をすることが、常識であり、礼儀であるという風に指導される方がたくさんいらっしゃるため、高校では誰も教えないというのはかなりの偏見です。
 ただし、この挨拶が学校全体の目標だとか、教育課程に組み込まれているかと言われたら、多くの学校が首を横に振るでしょう。高校生にもなって挨拶の大切さを説いたところで、心に響く生徒は少ないし、それよりも学習意欲を高めるための方策に時間を割きたいという教員側の意識もあるからです。これ自体は自然なことだし、何の問題もないと思います。


〇挨拶の現状
●挨拶ができない高校生
 先日の交流戦でも、こちらから挨拶をすれば、元気よく答えてくれる高校生は多く見受けられましたが、こちらから挨拶をしなければ、一言も発しないという生徒が多くいました。目が合ったのに無言で通過する。私も我慢してそうすると、ものすごく違和感を覚えました。でも、これが今の高校生の普通です。違和感すら抱きませんから、ここはゆゆしき事態だと思っています。

●挨拶ができないと印象が悪くなる
 面接練習をしていて強く感じたのが、挨拶ができない生徒は、何もかもできない生徒に”見えてしまう”ということです。良い答えを言っていても、最初の挨拶の声が小さかったり、受け答えの返事がなかったりすると、内容が全く頭に入ってきません。挨拶はそれだけ重要なものなのですが、やっぱり気づいていません。

●アルバイトで気づかされる挨拶の大切さ
 私の高校時代を振り返ってみても確かに挨拶はきちんとできていなかったように思います。でも挨拶を意識するようになったのは、スーパーでアルバイトをするようになったからです。お客様に気持ちの良い買い物をしてもらうためには、間違いなく元気のよい挨拶だと気づいたし、教わったからです。これはいつの間にかできなくなっていた挨拶だ!と気づかされました。元々野球部であったこともあり、すぐさま元気の良い挨拶ができるようになり、お客様からたびたびお褒めの言葉をいただくようになりました。こういった経験もない高校生は、挨拶をしなさいと言われても、感覚的に”その通りだ!”と感じないんですね。


〇挨拶ができる人になるために
●まずは自分から挨拶を
 このテーマを書くにあたっていろいろ考えた末、やはり先生である自分から挨拶を積極的に行っていくべきだと感じました。時々、一日に何度も会う生徒に何度も挨拶をすると、しつこいなと思われるかもしれませんが、それを恐れずに挨拶していくことが大切なのだと改めて感じました。

●挨拶の大切さをみんなで共有する
 (本校の雰囲気なのかもしれませんが)高校では学級経営に対して統一感をもって指導することはありません。でも、これだけはしっかりと取り組んでほしいということは学年、学校で統一できると思います。だから、その一つとして「挨拶」が取り入れられたらいいなと思います。そのためには一人で声を上げることも、志を同じくする人を増やすことも必要です。どんな方法か、まだ思いついていませんが、やれることを少しずつやっていけたらと思います。

●中学校っぽくならないように
 あいさつに限定されることではありませんが、このような以前から大切だと言われてきたことを高校生に伝えるためには、中学校と同じ言い方ではいけません。”またあの話かよ”と思って、聞く耳をもたないからです。今回は、アルバイトの話を例に出しましたが、大人の視点で挨拶をとらえ直した時に見えてくるものを高校生たちに伝えることが今後必要になってくるのではと思います。



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