〇本当に今の子どもは悪いのか?
・少年犯罪検挙数は40年前の4分の1
・暴力行為発生率、発生件数は中学校で減少、小学校で増加
・いじめ認知率は急増しているが、これは深刻化する前に報告するようになったから
(中学校勤務時代は、ちょっとした悪口でもいじめとして報告してましたよ)
・不登校生徒は小中ともに増加傾向
・「学校のきまり・規則を守っていますか?」というアンケートで、守っている生徒の割合が小中ともに増加
・「人の役に立つ人間になりたいか?」というアンケートで、役に立ちたいと思う生徒の割合が小中ともに増加
・「自分はダメな人間だ」と思う高校生の割合は、2011年時点で83.7%だったが、2014年には72.5%に改善した
・「現状を変えようとするよりも、そのまま受け入れる方がよい」という高校生の割合は、2008年時点では55.1%だったが、2014年では37.2%に減少した
参考資料:平成30年度版犯罪白書、2018年文部科学省、2018年国立教育政策研究所、
2015年国立青少年教育振興機構からそれぞれ引用
必ずしも悪いとは言い切れないですね。
〇彼ら、彼女らにとって必要なこととは?
様々な生育環境で育ってきた生徒たちが互いに理解しあい、尊重しあえる関係を築いていかなければなりません。そしてそれは居場所をつくることにもつながります。また、SNSの発達により、人とのつながり方が変化してきました。オンラインでのコミュニケーションと、オフラインでの直接的な会話は全く違うため、そのどちらともが楽しめるようにサポートしていかなければならないということです。
〇今、求められる力とは?
自分のことを語る力、そして他者の語りを聴き、手伝いができる力が求められています。自分自身のことを語るためには、しっかりと聴いてくれる大人の存在が必要不可欠です。この役割を担う一人が我々教師であるということです。聴き方については、カウンセリングマインドという技術があります。最後にこれを紹介して終えたいと思います。
①積極的傾聴(聴こうとする態度)
②受容(無条件で話を受け入れ、そのうえで必要に応じて話すこと)
③共感(自分のことのように感じ、理解すること)
④自己治癒力・成長への期待(生徒のことを信じる態度)
⑤自己探求・自己理解の促進(生徒自身が自分のことに目を向けようとする手助けをすること)
〇まとめ
話を聴く大切さについては日頃から意識していますが、どうしてもこの生徒はこういうタイプだと決めつけてしまうことがあります。枠に当てはめず、きちんと一人ひとりと話をして、理解していく大切さを改めて学ぶことができました。