♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

第1部 第1章 学校のシステム(年度初め)

 講師として働いたことのある方は当たり前のことですが、初めての方もいらっしゃるので最初からお話しします。校種にかかわらず、学校という場所では大きく4つのことを初めに決めていきます。
①所属学年
 どの学年に所属するかということです。これは、管理職の先生方が原案を作り、のちほど説明する校務運営委員会の承認を得て、初めて決まるものであるため、こちらが希望を出すことはないように思います。しかし、どの先生にも等しく認められている権利が、所属学年の希望です。高等学校の場合は、3学年しかなく、受験のある3年生へ初任者が着くことはよっぽどの理由がないとあり得ません。ゆえに、1年・2年の二択になりますし、そもそも叶ったらラッキーぐらいの感じであることも同時に伝えられます。
 ここで、どの学年が良いのかということを私感でお話をすると、これが何とも言えません。1年生に配属されれば、生徒と一緒にいろんなことを学ぼうという姿勢さえ持っていれば、何とかやっていけます。2年生に配属されれば、分からないことは生徒も教えてくれるため、これも何とかやっていけます。高等学校では学級担任をいきなり受け持つことは少ないため、もしかしたら3年生に配属されることもあるかもしれません。その際も、担任の先生のサポートを全力でやる!という気持ちがあれば良いと思います。


②担当クラス
 教科は当然決まっていますが、科目までは決まっていません。そこで勤務校の先生方と相談しながら、誰がどの科目を受け持つかを相談していきます。これも教科主任の先生を始め、その学校の勤務歴の長い先生が中心となって原案を決めていて、所属学年・クラスが決まったあとに最終調整をするのみとなります。高等学校の先生を目指す人は、母校で教育実習を行うことが多いため、自分が実際に受けた授業を自分も教えるのだというイメージを持ちがちですが、それは間違っています。あくまでその学校の生徒に合わせて授業をしなければならないため、同じ学年になった先生と相談してレベルや進め方、教材について決めていきます。教科の特性上、指導担当の先生が他学年にいる可能性がある人もいると思いますが、気にせず相談すれば良いと思いますし、むしろ相談してもらった方がありがたいとさえ思います。


③校務分掌
 一般企業で言う担当部署のことです。生徒として意識したのは「生徒指導部」「進路指導部」ぐらいでしょうか。学校により分掌の種類は様々ですが、私の経験を基に紹介していきます。
 (1)総務部
  式典やPTAを司る分掌です。入学式や卒業式などはもちろんのこと、学校の年間日程を担当しているところです。学校によっては、中学生向けの校内見学会を担当することもあります。

 (2)教務部
  テストや授業など、生徒の成績に関わる仕事をするところです。この分掌のトップである教務主任は、管理職の先生方と相談することが多いため、学校のナンバー3と言われることもあります。

 (3)生徒指導部
  生徒の身だしなみや校則に関する仕事をするところです。最近は身だしなみ指導を廃止する学校も多く見られますが、しっかりと校則を守っているかや、問題行動が起きたときに対応する中心人物となることが多くあります。

 (4)進路指導部
  文字通り、進路指導に関する仕事をするところです。模試や補習の担当となります。

 (5)特別活動部
  簡単に言えば「生徒会担当」です。生徒会執行部を中心に、生徒との関わりが深く、体育祭や文化祭などの学校行事を担当するところです。この分掌の主任は比較的若い先生が任命されることが多く、メンバーも平均年齢が低いことが多くあります。

(6)保健部
  コロナ禍ではさまざまな感染症対策の中心となったところです。1学期の健康診断は全て担当しているため、最初が一番忙しいイメージを持っています。また、清掃器具や備品管理など学校の下支えとなる仕事も多くあります。

(7)図書部
  図書館利用促進に日々取り組んでいるところです。図書館の利用のために、催しを企画することもあります。図書館の当番が決まっているため、そういった意味で時間的拘束はある程度あるのかも知れません。

(8)その他分掌
  学校の現状に応じて分掌を新たに作っている学校も多くあります。例えば、情報機器の扱いについて担当するところや、先生方、教育実習生の研修を担当するところ、キャリア教育や総合的な探究の時間について担当するようなところなど多岐にわたります。私も初任校でそういった分掌に配属されていたことから、希望は少ないのかも知れませんね。


④部活動顧問
 ここが今問題として挙がっているものなので、この本を上梓する頃には変わっているかもしれません。2024年現在でお話しします。部活動顧問は、一人最低一つは受け持つものだと考えてください。自身の経験は参考程度に聞かれますが、各学校の現状に合わせて割り振られるため、未経験の部活動を受け持つことが多くあります。私自身、中学校は野球部、高等学校はギター部(軽音楽部)であったため、どんな部活動があてられるかドキドキしていました。当時の校長先生曰く、大学で落語をやっていたからボランティアを中心の活動とするJRC部(青少年赤十字)と、人手不足になりがちなバドミントン部の両方を副顧問として受け持ちました。初年度は少し顔を出す程度であまり指導は行わず、今思い出せば申し訳ないなと感じるような振る舞いでしたが、翌年からJRC部主顧問となったため、積極的に関わらざるを得ませんでした。このあたりは、色々な事情があるため、後述します。


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