♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学校経営】マスクは外せるか

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▼ マスク規制緩和
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 愛知県教育委員会からは6月1日より、マスクの扱いについて、2メートル以上離れている場合や、屋外での活動の場合などでマスクの取り外しを認めていく通知が出されています。私はこのような文言で書きましたが、正式な文書はHPからたどることができなかったため、もう一度職場の通知文を確認しなければそのニュアンスは正確に伝わらないように思います。いずれにしても、これからの季節では熱中症が心配されるため、極力マスクを外して欲しいという本音に間違いはなさそうです。


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▼ 矛盾した呼びかけ
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 そうは言っても、感染拡大防止は今でも学校内で呼びかけが続けられていて、ここでは外して良い、ここでは付けなさいといちいち指示することはしないため、自己判断で着脱をさせています。その自己判断が上手くできない生徒は、「そう言うなら初めから付けろって言えよ」という表情を浮かべながらマスクを付けてくれています。(言っていませんが、そんな雰囲気でした。)
 黙食を呼びかけながらも、外で食べるなら話しても良いでしょと言われれば、心の中で「確かに」と思いつつも、今は我慢の時だと心とは真逆の言葉を投げかけて、これは本当に苦しい状況だなと感じました。今回はこのマスクの扱いについて書いていきたいと思います。


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▼ 学校の考え方
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 学校により細かな認識のズレはあるものの、総じて言えることは、近距離での会話をする場合はマスクを付けなさいということです。最近では、濃厚接触者に認定されるのが2メートル以内の距離で、マスクを外した状態で15分以上会話をしたと陽性者が判断した者、となっていて、陽性者本人の判断に委ねられています。だから、陽性者本人が名前を挙げても、ほんの数分しか話していないだとか、距離は十分確保していたとして、「私は濃厚接触者ではない」という訴えが出てくることもしばしばあります。(ここからは保健所ではなく、学校判断で、これらの連絡は全て学校が取ります。)
 ペアワークやグループワークの規制はなく、先日から調理実習も始まり、マスクを付けていること以外は、コロナ前の風景が戻りつつあるなという印象を受けます。昼食時間の会話は、濃厚接触者に繋がるため、黙食を訴えて巡回を続けていますが、6月を迎えた今でも1年生はしっかりと取り組んでくれています。2,3年生は・・・。


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▼ マスクは外していいよ
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 部活動や体育の時間は、距離を十分にとってマスクを外して取り組むよう呼びかけられています。時々距離が近いなと感じる場面はありますが、やはり付けたままは苦しいので、外してプレーをしてくれています。元々マスクをきちんとつけていなかった生徒は、調子に乗っていろんな場面で外して過ごしているため、廊下で「校内ではマスクを付けて会話しなさい」と注意を加えることがあります。
 逆にマスクを絶対に外さない生徒がいます。訳を聞くと、顔の下半分を見せたくないから。マスクを取った姿が「がっかり」だったという記事やつぶやきを目にしているからこそ、自分の顔を見せたくない、自信が持てないという理由で外せなくなってしまっているのです。確かに私も、時々汗を拭くためにマスクを外すと、生徒たちがじーっと見てきて、何だか恥ずかしい感じがしました。


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▼ マスクを外せない生徒
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 実はこの「マスクを外せない生徒」は、コロナに関わらず、自分が教員1年目の時からいました。この生徒に共通していたのは、やはり自分に自信が持てないと言うことです。青少年赤十字(JRC)部の顧問をしていた私は、様々な場所へ彼らを連れて行きました。そして、ボランティア活動を通して多くの人の笑顔や温かい言葉に触れさせた結果、だいたい1年も経てばマスクが外せるようになっていきました。マスクは気持ちの問題で何とかなるのです。今の生徒たちも、この心の問題を解決していくためのサポートを私たち教員が行っていかなければならないと強く感じています。


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▼ 生徒のために
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 今回はマスクの扱いについて書きました。ウィズコロナ時代に、マスクを外させるためには、はっきりとしたルールと、外して大丈夫だと思えるような場面をたくさん設けていく必要があると考えています。幸いなことに、学校の組織を動かす校務運営委員会のメンバーの一員であるため、会議の中で自分の意見を持って、マスクを外すためのアイデアを出せればなと思っています。なかなか時間と根気が要ることですが、生徒たちがこれからの長い人生をマスク無しで過ごせるよう、考えていきたいと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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