♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学級経営】9月期、担任としてトラブルに臨む

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▼ 同時多発的問題発生
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 9月が終わりました。2学期のスタートと言えば、1学期には見えてこなかった問題が少しずつ出始めてくる時期でもあり、学校祭に向けて人間関係のトラブルが起きる時期でもあり、危機管理ができていても対応に苦慮する事態が多く起こります。私のクラスに限らず、多くの学校ではどのようなことが起きたのでしょうか。特定されないように、より多くの学校で起きたことや、今までの経験を基に書いていきたいと思います。


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不登校生徒増加
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 まず初めに必ず登場するのが「不登校」問題です。クラスの雰囲気に合わない、部活動の雰囲気にも合わない。そして友人もいないという3つの条件が揃ったとき、自分は学校での居場所がないと感じる傾向にあるようです。中でもクラスの雰囲気というのがかなり影響されるようで、自分がかつて受け持った生徒の中にも、クラスの問題を持ち出す生徒がいました。これは後ほど登場するいじめ問題にも関わってくるでしょう。
 私は中学校勤務経験もあることから、学級で全員が揃ったときには必ず揃ったねと全体で共有するし、誕生日にはおめでとうの言葉や拍手を送り合うことに心がけています。また、生徒一人一人と交換ノートを毎日行っていて、担任と生徒が繋がっている状態を作るよう努力しています。それでもクラスの問題が解決しなかったり、学校以外の問題があったりすると不登校にはなってしまうのですが。
 

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▼ 人間関係の変化
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 学校祭準備が本格化してくると、準備に取り組まない生徒と積極的な生徒との間に溝ができ、トラブルに発展します。また、些細なことでいつも仲良くしていたグループが分裂し、”いつめん”が変わることもこの時期よくあります。準備の風景を見ていたら、露骨に特定の生徒を避けて作業していることだって普通に見受けられます。そこで放置すると、いじめ問題に発展したり、不登校生徒となって問題が大きくなったりするわけですね。


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不登校の最初の特徴
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 不登校傾向の初めの特徴は、体調不良です。遅刻や早退が増える。保健室への来室が増えるなど顕著に表れていればまだ気づきやすいのですが、本人は隠していることが多くあり、気づけば手遅れというのがあります。
 私が気にしているのは、提出物の取り組み方です。提出遅れや、字の乱れなど、これまでとは違う傾向がどこかに現れたら必ず本人と面談し、家庭にも連絡を入れるようにしています。本人との面談で気にかけていることを伝え、いざという時には助けられる存在になりたいことを言うためです。もしかしたらその存在になるのは自分ではないかもしれませんが、気にかけているよというメッセージは大切だと考えています。
 そして家庭への連絡は、保護者の方に気にしてもらうためです。もちろん普段から気にかけてくださっているはずですが、家庭では隠している可能性もあります。逆に家庭ではすでに表面化していて困っている可能性もあります。そこで現時点での状況を共有しておき、これは少し気をつけて見守る必要があるということを学校と家庭が共通認識しておくようにするのです。


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▼ いじめ問題
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 いじめ問題もこの時期表面化しやすい問題です。いじめられている本人が訴えてくれれば明るみに出ますが、ほとんどの場合それはありません。そして、いじめられた生徒を守ることと、いじめた生徒に指導を加えることを同時進行で行っていかなければならず、対応を間違えると同様のことが再び起こります。
 私がかつて対応した中で問題となったのは、被害者側に立って加害者に指導を行ったため、問題がもつれたということです。いじめ問題では、事実確認、いじめが確認された場合に指導を加えることが最優先されます。この事実確認を公平な立場で、複数の教員でしなければならなかったということです。その後加害生徒が同様の問題を起こすことはありませんでしたが、保護者との関係は上手くいかないまま終わってしまいました。また、最近では被害生徒の申し出により、問題を大きく扱わず、結果として自殺を招いてしまったという事態も起きています。改めて生徒指導の難しさを感じます。


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▼ オンライン導入?
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 県からの指示により、最近では病気による入院や通院で学校へ登校できない生徒に対し、一定の基準を満たした場合、オンラインでの授業配信が可能となりました。Microsoft Teamsのビデオ通話を用いて、朝のSTから帰りのSTまで通話を繋ぎっぱなしにしています。本人が画面上に現れた時間を授業の出席と扱うこの制度は、県内のいくつかの高校で実施されているようです。
 ただし、これがいつまで続くか、どのような状況になれば終了となるかがはっきりと決まっていません。見通しが立たないまま、ひたすらその生徒に向けて授業配信を行うということは、通信制高校と同じではないかという疑問も浮かんできます。今はそのあたりを慎重に話し合いながら、ルール作りをしているというのが現状です。当初はクラス単位でオンライン化か?と思われていたのが、個別の状況に応じてオンライン化を進めるという、なんとも言えない進め方だなと感じています。担任としては顔が見えるから嬉しいんですけどね。


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▼ いよいよ学習問題に
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 最後に、これから起こりうるトラブルについて書いて終わろうと思います。まもなく中間考査が始まり、ほどなくして校外模試(校内実施だと思いますが)、そして期末考査と続きます。言い換えれば、学習に対して自信を失ったり、見通しが立たず不安になったりする時期に突入するということです。この状況に向けてたくさんの手は打っていますが、やはり高をくくっている生徒は多いのが現実です。現実を目の当たりにした瞬間、崩れることがないよう、とりあえずは継続して面談や交換ノートに力を入れていきたいなと思います。担任と生徒が繋がっている状態が最低限大切なことですから。もちろん、黒板エッセイも、教室の環境整備も引き続き行っていきますよ!最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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