♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【国語教育】新しいコミュニケーション

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▼ 世間はオンライン化
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 今朝のブログでも書いた内容を更に深掘りしていきます。最近では、オンラインの機会が増え、学校でも徐々にタブレット端末の使用やBYOD回線の活用などが進んできています。この点については先週も書きましたが、今回はこういった流れの中で、国語科の教員としてどのようなことを扱い、資質能力を高めていくかについて考えていきたいと思います。


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▼ LINEリモート会議
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 青少年赤十字の指導者として3月から参加をしていく中で、会議がオフラインで行えず、停滞した時期がありました。緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置命令が出た時期です。1度目の機会では私が深く関わっていなかったこともあり、単なる延期で話し合いを進めることしかできませんでしたが、2度目の前に手を打っておこうと、LINEグループを新しく作り、そのグループ内でビデオ通話の会議を行うこととしました。(ちなみに個人的なやりとりをしないために、私は個人のLINEアカウント登録はせず、グループ内でのやりとりのみ可能という状態です。これもグレーゾーンな気がしますが。)
 そのグループ通話を初めて行ったのは先週の土曜日でした。ここで一つの問題点が明らかになりました。それは、人が集まらないという点です。なぜこのようなことが起きたのでしょうか。

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▼ オンラインは優先されない
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 実は元々、予定されていた時間で会議を設定したのですが、さまざまな理由をつけられて欠席者が続出したのです。もちろんオフラインでの会議が予定されていたとはいえ、それが延期になった瞬間、もうやる必要はないと思ってしまったのかもしれません。そして必要性を感じている生徒も、わざわざ顔を合わせるからこそ頑張ろうと思っていたのに、オンラインならば別にいいか、と気持ちが切れてしまったように思えました。彼らから本音を聞き出すことはできませんが、やはりオフラインだからこそできていたことを、そのままオンライン化しても上手くいかないことがよく分かりました。

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▼ 伝わらない思い
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 そういった状況の中、夜ならば予定が合わせやすいのではないかという提案が生徒からあったため、改めて昨日夜7時からリモート会議を設定しました。するとほとんどの生徒が会議に参加し、一人一人の意見をしっかりと述べることができたのです。ここのハードルを越えたことは一つの大きな一歩で、一定の成果が得られたと言えます。
 しかし、そこでまた大きな問題にぶち当たりました。予め送っておいた、話し合いの内容が伝わっていなかったのです。私たちからは、それぞれで話し合いを進めておき、その途中経過を報告してもらおうと考えていました。けれども彼らは、話し合いを全く行っておらず、次回はこういうことを話題にしましょう、という点で放置していたのです。

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▼ 新しい会話
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 これを生徒の怠慢だと考えるのは少し強引です。なぜなら、直接顔を合わせてこちらから伝えたわけでもないし、こちらからの内容が「これで伝わるだろう」という一方的な送りつけで終わっていたからです。ここを私は「新しい会話」であり、「新しいコミュニケーション」として捉え、ここをもう少し丁寧に指導すべきではないかと考えました。

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▼ ケータイ・スマホ安全教室
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 今、学校現場で必ず行われているのが「ケータイ・スマホ安全教室」です。特にSNSでのトラブルが多く起きているため、そのトラブルの事例を紹介したり、守るべきルールを示したりしています。私が特に印象に残ったのは以下の会話です。
Aさん「明日、一緒に遊びに行こうよ」Bさん「私も行きたい!」Cさん「何で来るの?」
Cさんは、移動手段を聞いているつもりなのに、Bさんはそう捉えずに「なぜあなたは来るの?」と不快感を示されたように捉えてしまうという例です。面と向かって会話することなく、言葉だけでコミュニケーションを取ることはとても危険性をはらんでいることを示す良い例だと思います。 

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▼ オンライン会議の司会
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 何度かやってみて強く感じたことは、オンラインの場合、それを取り回す人がいなければ、無言が続くということです。同時にみんなで声を出して会話することは、雑談では問題ありませんが、会議となれば話が進んでいきません。そこで、取り回す人が必要となってきます。私はこの役割が苦手で、上手くやれないのですが、これを上手くやれる方法をまとめ、教材にすることが新しいコミュニケーションを教える一つのきっかけなのかなと思ったため、今からまとめてみます。 
 
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▼ オンライン司会者の心得
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①全員が集まったところで、全体の流れの説明を行う。
 全体の流れがいまいち分かっていないならば、その前にレジュメを作っておき、その資料に沿って話し合いを進める。

②全体に投げかける質問をこちらでいくつか用意しておく。
 ①のレジュメを作りながら、質問事項も考えておくと良い。

③参加者一人一人を指名し、意見を求める。
 このことについて、どう思われますか?と聞いて、答えが出てくるような集団であれば問題ありませんが、たいていの場合意見は出てこないため、こちらから○○さん、どうですか?と指名する必要があります。また、意見がある場合は、挙手をする、「はい」と声を出すといったルールを決めておいても良いかもしれません。

④意見を要約する。
 ※この作業が一番難しく、経験がなければパニックに陥ってしまう部分です。
 ここの力を育てるために、日頃の授業で文章の要約や、意見をまとめて発表するという授業が必要だと改めて感じます。

⑤意見が出ないときの対策を考えておく。
 当然誰も意見を出さない、もしくは意見が一通り出てしまって、議論が一段落してしまうこともあります。
そういったときに、話題を変えるのか、司会者が疑問に思ったことを何人かに投げかけるのか、といった事前準備も必要です。
とはいえ、疑問は話を聞きながらでないと出てきませんので、普段から「質問力」を鍛えるような授業が必要なのだと思います。

⑥終了の目安となる時間を決めておく。
 話し合う内容によっては終わりが見えない場合もあります。その場合は時間で区切れば一番です。

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▼ 終わりに
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 今回はリモート会議から、新しいコミュニケーションについて考えていきました。どのような授業でそのスキルを身につけるかまでは考えついていませんが、普段の授業で「リモート」を意識したやりとりもぜひ取り入れられたらなと思います。また良いアイデアが浮かんだら紹介したいと思います。本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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