♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【部活動】専門でない先生が何を教えるか?

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▼ 顧問2年目とバレー歴5年目
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 3年生が引退し、2年生主体のチームが始まりました。新キャプテンを中心に普段の練習メニューやチームの目標などを相談し、進めています。日頃はこれだけやっていれば問題ありませんが、今年はそうはいかない事態が発生しています。大量に1年生が入部したのです。
 過去に、50人の新入部員が来て、青少年赤十字部を運営しようとして大失敗した経験があることから、顧問の立ち位置や役割の重要性を強く感じながらチーム作りを進めています。この部活動の運用の肝となるのが、自分の専門性を発揮することです。しかし残念ながら私の専門分野はなく、どの部活動へ行っても、自分よりもスポーツ歴が長い生徒がいる状態で指導しなければなりません。多くの先生が苦しむ場面です。そこで今回は、そういった未経験の部活動でのチーム作りをどのように進めているか、現状を報告して部活動顧問の役割について考えていきたいと思います。


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▼ 未経験の部活動
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 私は中学時代に野球部、高校時代にギター部(軽音楽部)に所属していました。そうは言っても、野球部ではずっとボール拾い、レギュラーメンバーと一緒の練習と言えば、ランニングや筋トレなどの体作りのメニューばかりという印象でした。(本当はそうでなかったのかもしれませんが、走っていた記憶しかありません。)そして高校時代も好き勝手にアコースティックギターを弾くのみで、他の人と組んで演奏することはありましたが、基本的に練習メニューもなく、独学で進めていました。そういった経験を部活動顧問に生かすことなど何もないと感じていました。
 実際に採用されてから、副顧問としての経験も含めると、バドミントン、野球、青少年赤十字ソフトボール、バレーボールと5つの部活動運営に携わってきて、その都度勉強してきました。特に主顧問となれば、部活動が立ち行かなくなるため、勉強していくことは必須だと思います。ただめんどくさがって分からないことを生徒から教えてもらううちに、生徒と先生の立場が逆転し、信頼関係がなくなっていくこともありました。必死に自分でも勉強しましたが、経歴が長い生徒に専門的な指導を行うことは不可能に近いものだと感じました。これを専門にすると決めてやっていければ一番良かったのですが、全ての部活動が全ての学校にあるわけではないため、専門をもたずに顧問を務めていく決意を固めたのです。


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▼ 先生が見ている世界
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 まず主顧問1年目では、指導者講習会に参加し、部活動の専門性を高めていこうと努力しました。私が初めて参加したのは青少年赤十字で、ボランティア活動を行う生徒の心構えや、判断力を鍛えるための指導方法を学びました。この専門性を生かして部活動運営をスタートしたところ、だんだん上手く運用していけるようになりました。部活動では「意識」の問題は必ず出てきますから、その度にこの指導者講習会で学んだスキルが生かされています。
 今日は「気づき」と「意識の差」について、教室環境整備を通して考えてもらいました。このフロアで一番キレイ(汚い)教室はどこか、どこを見てそう感じるかを考えることで、どこに重点を置くか、何を持ってキレイ(汚い)と判断するかを共有し、これを自分たちの部活動に転用しようという話です。まだ一度しか行っていませんが、きっとこれから何度も取り組んでいくことで意識が変わっていくだろうと思います。
 また、ソフトボール部での経験も生かされています。運動部では「流れ」というものが存在していて、自分たちが得点を決められる流れが来たときに、いかにその「流れ」に乗るかという問題は、もちろん先ほどの「意識」も関係していますが、普段の練習メニューにも関わりがあることを学びました。こういった先生自身の経験を生かすことが大切だと感じています。


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▼ バレーボール「で」教える
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 結論から先に言うと、バレーボールのルールはまだ一部しか入っておらず、専門的な指導はできていません。でもそれで良いと思っています。(本当は頑張りたいのですが、どうしても優先順位が下になってしまいます。)大事なことは、生徒を放置するのではなく、近くにいること。居るだけで良いと思います。そして、自分の今までのいろんな経験を生かすことです。
 昨年からバレーボールに初めて触れ、ルールも分からない中で、雰囲気や言葉遣い、礼儀など気になる点は数多くありました。さらに勉強していく中で、さまざまなスポーツに共通するような「アップの仕方」や「集中力の高め方」などをバレーボールに則って指導していくのです。もちろん運動部だけでなく文化部の指導でも同様のことが言えます。部活動を使って、自分の経験の範囲内で指導できることをする。こういった発想を大切にこれからも指導に当たりたいと思います。



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