♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学校経営】職員室での電話の扱い

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▼ 朝は忙しい
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毎朝、生徒本人から、保護者から電話連絡が入ります。一人や二人なら問題はありませんが、3学年合計で、先月の日別平均欠席数がついに40人を突破しました。(私は出欠統計の担当なので、よく分かるのです。)いつもは20人前後なのですが、3年生の欠席が目立ちます、コロナ禍で、受験に向けての予防という意味合いが含まれているため、多くなるのは仕方のないことかもしれませんが、それでも多いなという印象を受けます。
欠席数の多さもさることながら、そういった連絡が朝の7:30頃から1時間、鳴りっぱなしになり、始業時間を迎えてもなお、連絡がない家庭へはこちらから連絡をします。そういった学校現場での電話の扱いは、あまり話題にすることはないと思うので、今日はさまざまな電話事情について書いてみようと思います。


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▼ 欠席連絡
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先述のとおり、朝は保護者からの欠席連絡が入ります。時々本人からの連絡が入りますが、保護者に黙って欠席連絡を入れている可能性もあることから、必ず保護者に代わってもらったり、後からこちらから保護者の携帯電話に連絡を入れたりします。保護者の中には、「いちいちこちらが連絡入れるなんて、こっちだって忙しいんだ」というような語気で話す方もいますが、そういった理由があるのです。そこを理解してもらえないのは辛いところですが、仕方ありませんね。
あとは、夕方から夜にかけて明日の時間割や持ち物の連絡を入れることがあります。今は生徒同士で連絡が取りあえるため、そんなことをしなくとも問題はありません。ただ、そうやって連絡を入れることが「こちらは心配しています」「生徒に任せきりにしているわけではありませんよ」というメッセージを暗に伝えています。不信感を抱かせない一つの作戦でもあります。中学校では当たり前に行っていますが、高校では毎日のように連絡を入れる先生はあまりいません。入れないことに対し、不満を持つ保護者が少ないというのもあるし、高校生にもなって先生が細かく干渉する必要性もないからです。ただし、欠席が連続したときには必ず連絡するよう言われますし、こちらも心がけていますけどね。


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▼ 非常事態の連絡
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授業中にケガをしたり、熱を出したりして早退することになれば当然迎えに来てもらうための連絡を入れます。中学校では、保護者への引き渡しが絶対であったため、2時間目に早退が決定しても、帰宅は16:30ということも時々ありました。高校はそういった点では柔軟に対応できるため、「自分一人で帰れそうなら帰宅後、学校へ連絡しなさいよ」と声をかけて早退させます。(もちろん保護者の許可は取ったうえで、です。)
ケガの場合には、早退する必要がない場合もあります。その場合も先回りして連絡を入れておくことが求められます。特に頭を打っている場合は、連絡を入れておかないと、家で突然体調を崩して、家庭内で対応できない可能性が出てくるからです。どんなに軽いケガでも、「こういうことがありました」「ご心配であれば通院してください」と伝えておくと、保護者の方も安心できます。また、先回りできなくとも連絡を入れておくことは必要なのかなと思います。
非常事態で、もう一つ大きなことは、生徒指導上の問題です。じっくりと話さなければならないため、保護者が確実に帰宅をしている時間帯に連絡を入れます。保護者連絡前に、生徒本人から連絡が入ることを伝えた上ですから、保護者の方もじっくりと話を聞いていただけます。必要があれば学校へ直接出向いてもらい、面と向かって話をすることもあるため、ここは慎重に話をしていきます。
この場合に気を付けておきたいのは、どんな些細なことでも連絡を入れればよいという発想は良くないということです。特に問題を頻繁に起こす生徒であれば、事実を伝えるたびに、我が子に対する不満や、学校に対する不満が溜まっていくからです。私はよくこんなことを保護者に伝えていました。「本人とルールを決めました。そのルールを破ったときにはご連絡しようと思いますが、もしもそうでなければ連絡せずに、2人で話し合って完結させようと思います。それでよろしいですか?」たいていの保護者はこういう提案をすると、納得いただけます。実際に生徒本人も、考えて行動するようになり、問題行動が減っていきました。


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▼ 他校への連絡
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教育活動の中には部活動や、学校の枠を超えたさまざまな活動がありますので、他校の先生と連絡を取り合う必要があります。そこで、個人的に連絡先を交換したり、メールアドレスを交換したりします。でもそういった先生ばかりではないため、第一には学校の番号へ電話を掛けます。たいてい事務室に(中学校は事務室がないので、職員室の事務員さんか手の空いている先生に)つながるため、取次をお願いする形となります。また、出欠の連絡をFAXを使って行う例も多くみられます。FAXを使っているというと、驚かれる方も多くいらっしゃいますが、それが学校の常識なのです。


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▼ 電話が使える時間
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最近では土日は電話をかけても繋がらないだとか、平日もある時間帯以外は繋がらないという学校が増えてきました。前任校では、平日は7:30~19:00が使用でき、休日は終日かかりませんでした。(学校からの連絡はできるのですが。)そういった流れは、労働時間短縮の観点から出てきたものなのですが、正直言ってこれはメリットばかりではありません。たとえば、夜8時以降にしか帰宅されない保護者へ連絡したいときには、当然時間外に連絡を入れますが、万が一かからなかった時には、こちらへかかってくることがないため、何度もこちらからかけ直さなければならないのです。最近では学校を何時に閉めるというルールを決めている場合も多く(本校は19:00に閉まります)そういった場合も、たまにであれば使わせてもらえますが、いつもそういった連絡ができるとは限らないのです。これは逆に負担感が増していて、何とかならないのかなと思っています。
 

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▼ 使い方は誰から習うか
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最後に、電話の使い方を先生方はどう学んでいるかについて書いて終わろうと思います。ズバリ、OJTです。言い換えるならば、とにかく初任者は電話に出なさいというスタイルです。最近ではパワハラだといちゃもんをつける人が増えたため、大きな声で言いづらくなっていますが、実際に何も分からず電話に出続けて、たくさん失敗して叱られていくうちに、電話ではどんな言葉遣いをすべきかや、どんなことを準備しておけばよいかなどが分かってくるのです。
私自身、朝の欠席連絡を受けて、メモをして、担任の先生へ渡すとき、「なんで直接私に渡してくれなかったの?保護者と話がしたい担任もいるんだよ」と言われ、はっと気づかされたことがありました。また、苦情の電話が入ったときに、その方の名前や連絡先を聞かずに切って、なぜ聞かなかったのかと叱られたこともありました。そういった現場での経験が、電話対応に生かされるため、1年目からどんどん経験していければよいと思います。2年目からは仕事がどんどん増えていきますので、電話対応は1年目に身に付けておくべしというのが私の結論です。



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