♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

中1から高3まで担任を務めてみて 前編

2200文字以上あります。一番読んで欲しいのは少経験者の先生ですが、誰が読んでもOKです。

 

今年度まで担任6年間の中で、全て被ることなく中学校1年生から高校3年生まで学級担任として働くことができました。それぞれの学年において、どのようなことが大切かを「先生目線」で書いていこうと思います。

 

◯中学校1年生

初めての制服、初めての単独登下校(集団ではないという意味です)そして、初めての教科担任制で、いろいろなことが初めてなので、1から全てを教えるというつもりで目の前に立ちます。

中には小学校での常識を否定することだってあるのかもしれません。それは、各担任のやり方に任せるという小学校的な指導ではなく、中学生らしさとは何かを学級担任として、教科担任としてなどなど、"ほぼ"統一した指導の中で行っていくということです。なぜ"ほぼ"なのか?それは、完全に統一させることは不可能だし、統一しているならば、先生はロボットで良いからです。指導のズレがあった時には、その都度話題にして話し合います。

特に周りの先生から見られていると感じる点は、授業時の挨拶、忘れ物の多さ、教室の美しさ、準備片付けの素早さです。これらは3年間を通して、意識されることだと思います。

 

◯中学校2年生

私の勤務校だから、ということはありますが行事の多さが大きなテーマになると思います。中間テスト、野外学習、期末テスト、部活動壮行会(激励会)部活動の大会や世代交代、体育祭、中間テスト、文化祭、期末テスト、職場体験、学年末テスト、名古屋班別学習と、並べただけでも大量の行事があります。特に部活動は夏から中心に、3学期からは3年生になるための様々な準備が始まることから、2年生は3年生の準備期間と位置づけられます。ある場面では、自分たちで考えて企画することもあれば、ある場面では、来年はこうしなさい!と指示しながら慌ただしい流れの中でやり遂げる術を伝授していきます。

ただし、別名「中だるみ」の学年でもあります。やる気を失った生徒たちをどうドライブするかも担任の先生の腕の見せ所です。中二病(厨二病)を発症するのも同様です。どちらが原因にせよ、押しつけが通用しなくなってきます。早い子は中1からです。その時にいかに話を聞いて、その通りに行わせて、時には失敗させるかがとても重要になります。けれども、どうなるかを予想して準備しておけば恐怖は全くありませんでした。生徒たちには「先見」という言葉で伝え、私がとんでもなく先まで考えていることに驚いていることもありました。

 

◯中学校3年生

いろんな意味で完成です。中学校1年生、2年生で基礎ができていれば、勝手に何でもやれるようになっています。ここが一番難しいところだと思っていて、4月からもし中学校3年生の担任ならばこれを最も重要な点と位置付けてやろうと思っているぐらいの部分です。それは、何も指示しなくともどこまでできるかを挑戦させる、という視点と、黄金の3日間(以下のサイトが参考になります。)

https://sairan-web.com/class-management/ougonnomikkakan-taisetsu5point.html

のために、こちらのやり方を仕込んでおく、という視点との間で折り合いをつけていくことです。私の場合、中学校の素地がなかったので、とりあえず去年までを参考にやって、とお願いしたら彼らなりにやってくれていました。でも、今考えると、それは彼らだったからできたのではないかという不安を感じざるを得ません。これは1年にわたって、中学校の先生として悩み続ける問題なのだろうと思います。ここは任せるべきか、ここは前に出るべきかと常に考えなければならないし、それに失敗すると、指示待ち人間を大量に高校へ(社会へ)送り込むことになるのですから。

そして、全員が直面する進路です。学校の先生は、進路を学力レベル"のみ"で指導することが禁じられています。なぜなら、学力レベルで判断するのは塾であって、一面的な見方でしかないからです。大切なのは、学力レベルと本人の性格と、ライフスタイル(調査書のような公式の文書と、普段の授業態度のような非公式に共有されている評判)です。

例えば、ボーダーラインギリギリで合格しそうな生徒がいたとしましょう。その生徒が、負けず嫌いで何度もチャレンジしようとする性格ならば良いのですが、自分はある程度できるから大丈夫だと考えて頑張れない性格ならば、そのまま落ちこぼれて最悪不登校になってしまうかもしれません。また、校風も重要です。本人のやる気に任せる校風ならば、自分で頑張れる生徒がベスト、こちらで面倒を見て頑張らせますという校風ならば、頑張り屋の生徒がベストです。。現在この地区で私立傾向が強いのは、この校風が良い形で中学校へ伝わっていないことが原因なのですが…(これは高校の先生方と話して解決すべき問題なので割愛します)

とにかく、その生徒がこの学校なら、その先までしっかりと考えて頑張れるだろうという予測の下、指導を行っていきます。ただし、学力一辺倒の塾が進学先を決め、それを鵜呑みにした保護者や生徒が進路決定し、進学後に苦しむ高校生も多くいるのが現状です。ぜひ、塾の鵜呑みではなく、塾も学校もそれぞれの利点を活かして発信していることを踏まえて、進路決定して欲しいものです。最後は愚痴っぽくなってしまいました。すみません。

長文になったので、続きはまた今度にします。