♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

NO.145「KPBという優しさ」

おはようございます。懇談最終日となりました。親御さんと話をする中で1つ気づいたことが、我が子がこの先どのように生きていくかを不安に思っていらっしゃるということです。その思いを伝えたり、我慢したりということがあるようなので、まさに昨日道徳で扱った「素直に自分の気持ちを伝えること」につながっているなと感じました。あなたたちも親御さんも同じなのですね。

昨日、コンビニで柿の種がボール状になったものが売っていました。ネットで見てみると、元々そういうものがマンガで出ていたのだそう。マンガでの商品名は「柿ピーボール」でした。私はこの商品を初めて見たとき、「なんて優しいんだろう」と思いました。それは、柿の種の食べにくさを解消しようという開発者の思いが感じられたからです。今の生活をよりよくしようという気持ちは、やがて、よりよい自分、よりよい世界へとつながる重要な考え方です。今日の目標である「予鈴前に静かにしよう」も意識することで、短い授業時間をよりいっそう大切にできるのだと思います。

 

令和元年12月19日 朝の黒板メッセージ

NO.144「記述式問題の出題見送り」

おはようございます。昨日はあいにくの天気でしたが、今日はよく晴れるようです。さわやかな天気のように、今日も気持ちの良い1日にしましょう。そして、2学期ラストの授業は、最後にふさわしい態度、そして感謝の気持ちを伝えましょう。

昨日、大学入試のニュースが大きく取り上げられていました。実は、今の高校2年生から英語の試験は外部の一般企業のテストを活用したり、国語や数学の試験で記述式問題を取り入れたりすると決まっていたのです。でも、昨日それを延期すると発表したのです。あなたたちにとってみれば「高校入試の問題、変更します」と突然発表されたようなもので、高校は大混乱のようです。ただ、どんな力をつければよいかという核の部分は変わっていません。今、授業で受けた内容を他人に説明できるように理解する。理解したものを、いろんなことに応用するということです。だから、普段から言われていることをしっかりとやっていれば大丈夫なのです。

 

令和元年12月18日 朝の黒板メッセージ

NO.143「通過点」

おはようございます。今日はあいにくの空模様ですが、教室で落ち着いて学習に取り組める環境とも言えます。移動教室ばかりですけどね。そして、今日から2学期最後の授業が出てきます。しっかりと2学期のお礼を言うとともに、最高の形で授業が終えられるよう頑張りましょう。

東京2020へ向けて、気になる発言をされている方がいました。やり投げの北口選手です。彼女は「オリンピックは通過点」と言い切ったのです。多くの選手が来年最高の形で迎え、終われるように、という意識をもつ中、彼女は「今出せる最高のものを常に更新していき、高みを目指すための通過点としてオリンピックを位置づけている」つまり、ゴールは大会ではないということです。私たちはテストや大会など目に見える結果をゴールにしてしまいがちですが、その先の自分が思い描く理想のためには、結果が出た後の行動にこそ大切なものがあるのではないかと感じました。

 

令和元年12月17日 朝の黒板メッセージ

NO.142「おもてなしとは何か」

おはようございます。今日から個人懇談がスタートしますので、あなたたちにとっては、部活動の時間が増えたり、自由に使える時間が増えたりして、よい1週間だろうと思います。ただし、時間があるからと言って、余裕で過ごすことはしないでください。そういう人に限って、「時間がありませんでした」という言い訳を言っていますから。その言葉、もうやめませんか?

昨日、とある焼き肉屋さんへ行き、食べたいだけ食べて最後にお会計をする時にふと名札を見ると、名前の近くに「おもてなし係」の文字が、他の人を見ると、みんな書いてあるではありませんか。でも、私はお会計の瞬間までそのことに気づかなかったのです。1つの理由は気にしていなかったからですが、もう1つは、「おもてなし」を受けようという気持ちが自分になかったからです。外食する時に、どんなことをされたら嬉しいかと考えて接客する方は大勢いますが、それに対して感謝したり、そもそも気づいたりできていないと思ったのです。やっぱりこういうところで、もっともっと自然に「ありがとう」が言える人に

なれるよう頑張らねばと決意を新たにしました。

 

令和元年12月16日 朝の黒板メッセージ

NO.141「今年の漢字でふりかえる1年」

おはようございます。サンキューウィーク最終日です。カードをあとで渡しますが、受け取って終わりではなく、お礼の「ありがとう」を伝えましょう。「ありがとう」はプレゼント交換ですから。そして6限は職場体験学習のまとめです。懇談時に掲示しますから、しっかりと丁寧な字で書きましょう。

毎年恒例、今年の漢字が「令」に決まりました。「令」和になった今年は、不祥事や交通ルールで法「令」順守が特に言われた年でした。また災害も多く、警報が発「令」されることもしばしば。私たちに直接関わることで最も大きかったのが消費税10%の法「令」が施行されたことです。このように「令」はあまりよくないことばかりに使われていますが、「美しい」という意味もあります。来年はそちらの方でたくさんの漢字が使われるとよいですね。さて、あなた自身はどうですか?今年はどんな漢字だったか。そして来年はどんな漢字の1年にしたいか。今日から年末へ向けて、じっくりとかんがえてみましょう。

 

令和元年12月13日 朝の黒板メッセージ

NO.140「ありがとうの意味」

おはようございます。今日の6限に、新しい家庭学習が配られます。1年後に迫った高校入試のためのテキストです。このテキストにどれぐらい取り組んだかで実力が変わり、提出できたかで通知表つまり成績が変わります。もう今までの自分とは全く違う自分へと変わるチャンス。生かすかどうかはあなた次第です。2年生も今日で70%が終わります。悔いなく最後までやり遂げましょう。

昨日、サンキューカードが回収されましたが今までで一番良い内容が書けたでしょうか。そもそも「ありがとう」は「有り難し(ありがたし)」が語源で、元々は「めったにない」です。たとえば殿様から家来に向けて励ましの言葉や褒美がもらえたときに、家来が「ありがたき幸せ」と申しあげるように、普段されないようなことに対する言葉でした。ただ、身分差がなくなった今は、その”特別感”が無くても、してもらったことに対して「ありがとう」を伝えられるようになりました。今週、サンキューウィークと言われて、半分強制的でも「ありがとう」と伝えている人は、相手が笑顔になって欲しいという思いが出てきて、自分の行っていることに誇りと自信が出てきて、楽しくなっています。行動することで、自分の気持ちがよい方向へ変化する。「ありがとう」には、そんな効果があるように思います。

 

令和元年12月12日 朝の黒板メッセージ

NO.139「1人の行動が世界を動かす」

おはようございます。コンクールの結果を返却する時がやってきました。満点だった人、すばらしいですね。ミスもなく、1つのことをやり遂げるのはとても難しいことですから立派です。合格した人、よく頑張りましたね。数問はなぜ×だったのかをよく分析してくださいね。不合格の人、今日から頑張りましょう。そしてこのクラスで最も多いのが、課題で「すべてOK」になっていない人。あなたの価値はこういうところで決められます。3年生は頑張りますなんて逃げは許しません。

スペインでCOP25(国連気候変動枠組条約締結会議)が行われていて、スウェーデンの環境活動家がわだいになっています。彼女は16歳の少女です。まだ大人ではない彼女は、こどもの立場から大人たちへメッセージを発信し続けていきます。昨日、彼女に影響を受けた1人の少女が現れました。その子の年齢は8歳。あなたたちより年下の女の子です。「無意味な言葉で人々は死ぬ」とてもインパクトのある発言をしていました。世の中にはいろんな活動をしている人がいます。サンキューウィークもその1つです。それらの活動を自分には関係のないことと思うのか。それとも自分にできることはないかを考えるのかはあなた次第だと思いますよ。

 

令和元年12月11日 朝の黒板メッセージ