♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

NO.138「きっかけを大切に」

おはようございます。今朝は関数計算コンクールからスタートです。職場体験関連のことで、思うように学習が進んでいない人もいるかもしれませんが、全て事前に分かって先見できたことでもあります。現実を受け止め、今何をすべきかをよく考え、行動に移しましょう。1時間、1時間を大切に。

国連で、東京2020の期間中休戦しようという決議が採択されました。せめてオリンピックの期間だけでも、という気持ちが強く表れているように思えます。世界中で紛争やテロが絶えない状況の中で、オリンピックをきっかけに平和を考えることは大切で、たとえそれが結果的に一時的なものだったとしても必要なことです。今行われている人権週間活動(サンキューウィーク)や、今朝のコンクールをきっかけに、よりよいじぶんにしていくためにできることを考えてほしいなと思います。

 

令和元年12月10日 朝の黒板メッセージ

NO.137「情報をどう生かすか?」

おはようございます。職場体験おつかれさまでした。私が直接見に行けた人もいれば、写真でその懸命な姿を見ることができた人もいました。いずれにせよ、よく頑張りました。まずはしおりを配膳台に提出してください。そこから、どんなことを学んだかを共有したいなと思います。そしてきょうからサンキューウィーク。集会のあと、紙が配られますので、指定された人のことをよく見ること。たくさん見つけたあと、渾身の出来事を1つ選びましょう。

同じ出来事を見ても、何も感じない人と何か感じる人がいます。昨日のお笑い番組を見ていても、それを感じました。今、ニュースになっている出来事を、ただ単に批判するだけでなく、似たような言葉を使って話題に出したり、みんなが体験したことのある身近な例に置き換えてみたりして笑いを取る。プロとして当たり前なのかも知れませんが、物事の見方を“お笑いのため”という視点に変えるという発想はとても勉強になります。職場体験のふりかえり。人権週間活動サンキューウィーク。あなたはどんなことに心がけながらこれらの行事に取り組んでいくのでしょうか。

 

令和元年12月9日 朝の黒板メッセージ

NO.136「私がこだわっているもの」

おはようございます。今日は2日目ですね。昨日できなかったことや、新しく挑戦できることがあればぜひ積極的に取り組んでみてください。そして忙しい中、2日間も私たちを受け入れてくださった事業所の方へ、1日を終えた瞬間、心から感謝の気持ちを伝えましょう。

 先日、美術のテストを返却しながら、「将来の自分」の絵を見ていました。ちゃんと見ていないので正確な数は分かりませんが、何人かは「せんせい」を絵にしているような印象を受けました。数ある仕事の中で「せんせい」を仕事に選んでくれているのはとても嬉しく思いました。だから今回は、私がこだわっているものを紹介して、今日1日の行動の参考にしてもらいたいと思います。

 私は元々、国語の魅力を伝えたくて高校の先生になりました。専門的な内容を扱って、難しいことにもどんどん興味をもってもらいたいと考えていました。しかし現実は、国語自体が嫌いだ、苦手だと思い悩む生徒が多いということでした。どうしたら目の前の人たちが好きになってくれるだろうか。そもそも話を聞こうという気になるだろうかと思って、たくさん勉強をしました。それは教科書の内容も、教科書以外の高校生が好きそうなこともです。そのおかげで、自分はいろんな「雑談力」を手に入れました。

私のこだわりは、「思わず聞いてしまう話」をすることです。あなたが行く事業所の中には、そこが好きで来てくれている人もあれば、仕方なくそこへ来ている人もいます。特に後者に当たる人たちへ、どうやって働きかけているか。それぞれの方の工夫は目で見て、話を聞いて、学んできてほしいなと思います。

 

令和元年12月6日 学級通信

NO.135「父親に憧れた瞬間」

おはようございます。今日から2日間、職場体験学習を行っていきます。自分の将来の夢とは別の仕事だという人が多いですが、そんなことは関係ありません。あなたがどんな仕事に就いたとしても、あなたにとっての「働くことの意義」は変化しないからです。今日出会う「働く人」は一体どんな想いをもって仕事をしているのでしょうか。ぜひ体感してきてください。

 私が初めて仕事をしたのは、高校2年生の時でした。当時、父親が働いていた飲食店で、「期間限定で手伝ってほしい」というお願いをされたからです。5日間限定でしたが、ひっきりなしに出入りし、こちらの事情は関係なく各々注文するお客様に、笑顔で正確に素早く対応しなければならない状況だったので、とてもしんどい想いをしました。 そんな時、ふと父親を見ました。私と同じホールで接客をしていた父の姿はどんな姿なのかを知りたかったからです。店内は満員、外にも列ができている状態で、父はとびきりの笑顔で話をしていたのです。話しかけられたら手を止め、すぐにその人に合った話をしながら、注文を聞き、厨房へ伝えた後、再び元々の作業に戻っていたのです。

 働くとは、人にプレゼントを与えることだとその時初めて気づきました。父親へ直接話を聞いたことはありませんが、きっと父は、いつもお客様に何かをプレゼントしようと思って働いているのではないでしょうか。

 

令和元年12月5日 学級通信

NO.134「気づかない気づかい」

おはようございます。いよいよ明日から職場体験が始まります。準備は万全ですか?2日分はもう学級通信の形にしてあるので、のちほど配付します。たった2日間だけれど、社会に出ることの大変さや、体験した内容を毎日、何十年も続けていくことの辛さに少しでも気づければ、充実したものになるはずです。私の気持ちも少しは分かってくれるかな?

世の中で「知らないうちに」助けてもらっていることは多くあります。その1つが税金です。あなたが歩いてきた道、安全を守る警察、そしてこの学校も税金によって成り立っています。規模をずっと小さくして、クラスで考えてもたくさんのことがあります。特に、係の仕事ではないのに積極的に働いてくれたひとのおかげで自分の時間にゆとりが生まれることもあります。ただ、それを”ラッキー”と思うのは違います。自分中心に生きている人は、世の中全てを人のせいにして人の攻撃ばかりをするさみしい人です。私もあなたたちができていないことを叱ることがありますが、それは自分の責任から逃げているということでもあります。他人をどうするか?ではなく、自分ができることは何か?そう思いながら、はさみで切り刻まれたごみたちを集めるのでした。

 

令和元年12月4日 朝の黒板メッセージ

NO.133「ONE TEAM」

おはようございます。昨日とはうってかわり、気持ちのよい天気になりました。続々とテストが返却されていますが、今は職場体験と関数コンクールに向けての準備が最優先です。常に先見して、時間をうまく使う術を身につけて冬休みを迎えましょう。

今年の流行語代償がラグビー日本代表のスローガン「ONE TEAM」に決まりました。1つになって共に戦おうという意識は何とも日本らしい考え方だと感じました。しかし、今回は今までとは違う意味もこの言葉には含まれていました。それは”日本人”という見方でなく、”日本代表の人”という見方です。もっと露骨に言えば先祖代々日本に住んでいない人も日本人に帰化したり日本代表になったりしてプレーするようになったということです。あなたたちの周りにはそういう人たちがたくさんいるので、”外国人”という意識はあまりないのかもしれません。でも今後は、もっともっと海外から人々が移住してくる時代がやってきます。いろんな人と良い関係を築くために大切にしたい日本の心とは一体どういうものでしょう。

 

12月3日 朝の黒板メッセージ

NO.132「過去が追いついてきた」

おはようございます。今日からテスト返却が始まります。そして木、金曜日には職場体験。そもそも今日は12月最初の日でもありますね。2019年の残り1か月をどう過ごすかが、まもなく始まる2020年を決めます。来年、この学校の主役はあなたたちです。

昨日、ターミネーターという映画を友人と観てきました。元々ターミネーター2を毎年観るほど好きな映画だったのでとても楽しく観ることができました。数ある名言の中でこんなコメントがありました。

「過去が追いついてきた」

私はこの言葉を「過去にやり残したことを嫌でも直視すべき時がきた。」という意味に捉えました。以前投げ出してしまったことや今投げ出そうとしていることも再び向き合う瞬間がやってきます。先延ばしにするのではなく、今向き合うことを大切にしなければこの先は過去に縛られ続けることになりますよ。

 

令和元年12月2日 朝の黒板メッセージ