♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【中高接続】習慣づけに向けての実践~ノートからスマホまで~(後編)

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▼ 来月講演が中止に
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 残念ながら来月の公演を中止し、来年11月に延期したいとの連絡が来ました。感染が急拡大しているため致し方ないなと思いつつも、今のうちに言う内容はまとめておこうかなと思いましたので、予定通り今日は後編をお送りしたいと思います。

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スタディサプリ導入
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 2020年4月に再び休校が決まって以来、愛知県教育委員会では、以下のような通知を出しました。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、県立学校の臨時休業期間を5月31日(日)まで延長しています(4月24日記者発表済
み。)。 休業期間中の家庭学習については、各県立学校において、教科書やプリントに加え、オンラインによる学習支援を順次進めているところです(4月16日記者発表済み。)。
学校再開後は限られた期間の中で授業を行う必要があり、これまでの学習の遅れを取り戻すためには、学校だけでなく、家庭における学習内容の予習・復習によって学力定着を図ることが重要です。そのため、児童生徒が家庭等で質の高い学習コンテンツを利用でき、教員が各児童生徒の学習の進捗状況を把握できるよう、県立学校の児童生徒を対象に、民間のオンライン学習支援サービスを導入します。 (2020年5月12日(火)愛知県教育委員会教育企画課)

 ここからスタディサプリを各学校の裁量で運用を開始しました。


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スタディサプリとは?
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 リクルート社のスタディサプリというものは、有名講師が授業を行い、最後に確認テストを解いて理解を深めていくというものです。この授業や確認テストはすべてスマートフォンタブレット端末で使えるため、いつでもどこでも取り組める勉強道具の1つだと言えます。
 ただし、生徒にやれと言っても、大量に単元があるため、先生が「ここをやろう」と言って課題配信をする手間がかかります。その点が一番大変ですが、幼い頃からスマホを見てきた生徒たちにとっては取り組みやすいツールであるとも言えます。


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▼ こんなことをやりました
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 今年は1年生の担当になりましたので、1学期はたくさん触れてみようと声をかけていき、動画を見た時間を分析して紹介していました。しかし、一部の生徒しか使ってくれていなかったので、リクルート社の方に相談しました。そこで提案されたのがアンケート機能と宿題配信と進路動画の紹介でした。


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▼ アンケート機能
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 初めに、昨日は何時間勉強したかというアンケートを毎日実施してみました。そのアプリを使う習慣をつけるためです。しかし、そのアンケート自体に意味がないため、上手くいきませんでした。毎日開くようになったという生徒もいたという意味では、全くの無意味ではなかったのかも知れませんが・・・。


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▼  宿題の配信
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 次に、私が担当する古典の課題配信を行いました。全員がスタディサプリを使わざるをえない状況を作ったのです。その結果、スタディサプリのログインに必要なIDやパスワードを忘れてしまった生徒や、そもそもこういったアプリを使うことが苦手な生徒がいることを知りました。そして、配信をすることで、普段の視聴者の2倍以上が動画を見て勉強してくれました。


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▼ 進路動画の紹介
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 さらに、藤原和博先生の「よのなか科」の講演動画を紹介し、進路について考えてもらおうとしました。生徒の何人かは、強制ならやりますというスタンスで、「やってみたら?」という質問では、生徒たちはやらないのだと感じました。


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▼ 2学期は週末に教科を
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 2学期が始まってからは、週末に各教科の既習の範囲を動画配信、確認テスト配信を行いました。取り組む生徒は多くなかったですが、熱心に取り組む生徒は毎週欠かさず取り組んでいるようでした。


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▼ スタサプアンケート結果
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 先日、どれだけの効果があったのかアンケートを実施しました。その結果、スタディサプリを使って課題を出すことに好意的な生徒は7割近くいて、来年度も続けてほしいという生徒も8割近くいました。
 また、「よのなか科」や2学期からの配信を観た生徒は全体の半分に至らなかったものの、観た生徒の8割以上が「役にたった」と答えているため、こちらからどんどん紹介していき、生徒たちが取り組むための雰囲気や環境作りに引き続き努めていきたいなと思います。


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▼ 今後の課題
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 最後は愚痴っぽくなりますが、ご容赦ください。新しい学習アプリを導入しようとすると、どうしても教員の中で反発が生まれます。そんなものを導入しなくとも私たちの授業だけで、課題だけで十分であると人々は言います。しかし、そんなことを言っていたら、学校は確実に消滅します。なぜなら、保護者や中学生たちの選ぶポイントの1つに、進学実績があり、進学実績のためにどんな取り組みをしているのかがあるからです。仮に授業や課題に力を入れていたとしても、補習をやっている、大量の課題を出しているなどの客観的な根拠がなければ信頼してもらえません。その点、どのようなツールでもよいのですが、これを導入してこんな取り組みをしていますという紹介ができれば、アピールポイントに繋がるのです。残念ながら成績に反映されていませんが、今頑張っている生徒たちがやがて結果を残してくれると信じています。
 時代は常に変化し続けています。本校の場合はスタディサプリ導入に向けて進んでいますが、どういったツールを取り入れて生徒たちの学びを手助けしていくかをこれからも考えて、行動に移していきたいなと思います。

 


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