♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【模擬試験】模試は何のためにあるか

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▼ 11/6 進研模試実施
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 まさに今日、進研模試に生徒たちが取り組んでいます。進研模試とは、ベネッセ総合学力テストのことで、本来ならば7月に第1回目を受けているところですが、本校では11月をスタートとして取り組んでいます。スタートは出遅れたものの、模試に向けて夏期補習や、過去問に取り組むことなどさまざまな準備ができ、それなりに生徒の心の準備ができているのかなと思います。
 今回はこの模試について、事前指導から事後指導といった具体的な指導に関してと、そもそもなぜ模試を受けるのかという意義に関しても書いていきたいなと思います。


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▼ 8月夏期補習
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 本校では、1年次は夏期補習を8月下旬に行っています。この補習では3教科(国語、数学、英語)とも模試や受験を意識した内容を中心に行いました。もちろん初めからその問題に挑むわけではなく、辞書の引き方からもう一度復習し、自分で授業の予習ができる状態になってから、徐々に問題演習の割合を増やしていき、最後は模試の過去問に取り組むという流れです。
 当然そこでついていけない、覚えきれないという生徒もいましたが、全国という視点で見れば、このレベルの問題は解けなければならないということを肌で実感し、2学期の学習意欲へと繋げた生徒も何人か出てきました。 


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▼ 模試申し込み説明会
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 本校では全員が強制的に模試を受験させることはなく、希望者が受験するという形を取っています。ですから、模試を受けたくない、受ける必要性が分からないという生徒も出てきます。そこで、進路担当のベテランの先生から学年全体へ向けて説明を行いました。
 簡単に言えば、「自分の現在地を知るため」「基礎学力をつけるため」にこの模試を受験してほしいという話であり、多くの生徒が真剣に話を聞いてくれました。その後、申し込みがあり、約300人の中で270人が受験することとなりました。私のクラスでは3人が受験しないという申し出があったため、その後面談を行い、保護者へ連絡しました。その話は、模試の意義に関する内容と重複するため、後述します。


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▼ 過去問を解こう
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 総合・LTの時間を使って、国語または数学と英語に取り組みました。3教科実施する時間がなかったため、残りの1教科は宿題としましたが、クラスの8割がきちんと取り組んでくれました。(提出できない生徒は、週末課題が提出できない生徒と一致していました。)中には、授業の態度からは想像もつかないような高得点を取るような生徒もいて、将来が楽しみになりました。


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▼ 当日気をつけること
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 自宅受験者には前日に問題用紙を渡し、注意事項を伝え、当日を迎えました。やはり体調不良者はいたものの、ほとんどの生徒が遅刻することなく集合できていました。朝、受験カードを配り、記入漏れがないかを確認しながら丁寧に進めていきます。いつもは徹底させていない、問題用紙に名前を書くこと、問題用紙に自分の解答をメモしておくことなどを指示して模試に臨ませます。名前を書くのは、紛失の時の対策、解答の記入は自己採点のためです。多少のミスはありましたが、ここも問題なく終えました。


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▼ 当日中にやってほしいこと
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 模試が終わった後は、少し解放感を抱き、何もしたくないのですが、採点だけはきちんとやるよう指示を出していました。Microsoft Teamsで、自己採点までが模試ですと伝え、解きっぱなしにならないよう指導を行いました。


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▼ 模試が返ってきたら
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 私の場合、模試を解き終えたタイミングで面談を実施し、模試の結果が来たタイミングでもう一度面談を行います。これは、模試の自己採点がどうだったかや、次に向けて頑張りたいことを宣言させる意味と、模試の結果を受けて自分の課題は何なのかを分析させ、その課題に取り組む動機づけとする意味があるからです。


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▼ 模試の意義
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 では、そもそもなぜ模試を受験しなければならないのか。先述の通り、実力を知れるという意味では、「自分の現在地を知るため」だとするのは間違いありません。また、社会に出ていく上で「基礎学力を身につけるため」というのも納得です。私はその視点に加えて、次のような話をしました。
 あなたが模試を受けることで、勉強の仕方を見直してほしいと。言い換えれば、今のまま、定期考査の直前だけ丸暗記のような形で学習に取り組んでいても、今後に繋がっていかない。模試をきっかけに今後どのような学習に取り組んでいくべきかを私と明らかにしていこうと伝えたのです。それでも3人がさまざまな理由で受験できなかったため、模試の代替課題を出しました。スタディサプリの単元テストです。
 スタディサプリでは、小テストよりも少し範囲が広い、単元テストを用意していて、この単元を取り組むことで、単元の理解度を測ることができます。今回模試を受験できなかった生徒は、この単元テストに取り組んでもらい、その結果を基に面談を実施し、今後の学習習慣に繋げようと考えました。生徒からすると、ペナルティ課題のような印象を受けるため、保護者にも、今後の学習につなげていくための課題を個別に渡しますと説明し、ぜひお願いしますと了解をいただきました。こういった課題を通して、模試を受験せずとも、それぞれが定期考査以外のテストで実力を高めていく機会を作っていけたらなと思います。


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▼ 今後の課題
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 今回は無事に模試を受けることができ、大きなトラブルもありませんでしたが、次回の1月の模試では、受験者が大きく減ることが予想されます。もうあの模試は受けたくないと感じるからです。それでも私は良いと思っています。ただし、それで何もしないわけにはいかないため、今回と同じように代替課題を用意し、2年生へと繋がる基礎学力定着に向けて、引き続き努力していきたいと思います。長文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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