♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学校祭準備】先生がどう関わるか?

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▼ 学校祭の話の前に・・・
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 本校では8月17日(火)に出校日があり、午後に中学生向けの学校見学会がありました。愛知県内ではいくつかの地域で”蔓延防止”が出ていましたが、本校が対象地域ではなかったため、実施する運びとなりました。(対象地域が拡大した後、近隣の高校で中止を決定したという例も見られています。)そして翌18日から補習と学校祭準備がスタートしています。(部活動はお盆以外は行っています。)今後、緊急事態宣言が発出されることで、どんな影響があるかは分かりませんが、外部の方を校内へ入れること以外は大幅な変更がないことを祈っています。以上、現状報告でした。


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▼ クラス企画準備
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 本校の学校祭の特徴の一つに、クラス企画があります。これは、全学年各クラスで教室内の展示を作成するというものです。18日から各クラスで、スピードはまちまちですが、準備が始まりました。2,3年生はそれに加えて、短時間のダンス発表もあり、2年生は部活動の大会も、3年生は受験勉強もありと、なかなか大変な日程の中で、クラスメイトが協力して作業を進めていきます。
 

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▼ どこまで手をかける?
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 そんな状況の中で、生徒たちに全面的に任せることも大切なのですが、やはりやりきれない部分があるのも事実です。ですから、どの辺を手助けして、どの辺を任せておくのかを先生自身が決めておく必要があります。今回は3パターンご紹介し、最後に自分はどう考えているかについて紹介していきます。
①全面的に協力する
 自分の手が空いているときは全面的に協力するタイプの先生です。生徒に混じって、クオリティの高いものを作り上げるタイプの先生です。特に取りかかり始めは全体像が見えず、やる気が出ない生徒が多くあるため、先生自身がリーダーとなって軌道に乗るまであれやこれやと指示したり、自分で積極的に物を作ったりする場面が多く見られます。先生の負担は計り知れないものですが、生徒の近くで生徒と一緒に準備ができるという意味では、担任の良さを一番感じられるタイプとも言えます。

②時々顔を出して確認する
 先生の中で生徒の流れを想像しておいて、その通りに進んでいるかを確認するタイプの先生です。このような表現をすると、生徒の自主性がないように見えますが、そうではありません。
 例えば生徒が、今週中には下絵を完成させます!と宣言しているのに、教室へ行ったらおしゃべりしているという場合、やはり手を加えてあげなければならないですよね?生徒が自分の言葉に責任が持てるように見守っていくのがこのタイプです。中学校の先生は生徒たちの元を離れることはあまりしないイメージですが、考え方はこのタイプに近いように思います。

③完全に任せる
 ベテランの先生に多いように思います。作業が上手く進んでいなくとも、どっしりと構えて何も手出し、口出しをしないタイプの先生です。では完全に放置しているかというと、そういうことではなく、生徒が先生の元へ来て助けを求めてきたときには、こうすれば大丈夫だという答えをしっかりと持っていて、絶対に生徒に失敗をさせないとも言えます。若い教員は、ベテランの先生を表面的に真似して大失敗してしまうことがあるため、この”答え”のようなものをきちんと持っていないと、安易に生徒へ任せることができないのだと感じました。


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▼ では私はどうか?
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 私は②に近いように思います。基本的には教室にいないようにしていますが、どうしても口を出してしまいます。だからそれで生徒との関係性が悪くなってしまい、自分の考えとは真逆の方向へ進んでしまうような気がして、それでまた悩み・・・。そんな状況の中で、一つの疑問が浮かびました。
「生徒たちは教室へ来るのに、なぜ何もせずに帰ってしまうのか?」
 初日には20人以上の生徒が集まりながら、何もせずに帰ってしまいました。この状況をきちんと分析しておかなければ、今後生徒たちがやる気を出して教室に集まったとしても再び同じようなことが起こるため、この部分を最後に考えて終わりたいと思います。


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▼ 何をすれば良いの?
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 最近の高校生に見られる傾向で最も多いのが、何をすべきか指示されなければ分からないということです。高校生ともなれば、何をすべきかを自分で探し、自分の力で方法まで見つけ出して行動してほしいのですが、それはできません。なぜなら先程の②のタイプの先生が、何事も細かく指示を出して、それに従った生徒を褒めるという教育を受けさせてきた結果だと思われます。このことに言及すると、小中の先生が悪いように聞こえますが、私は批判を言いたいわけではありません。そういった生徒たちに細かく成長できる”仕掛け”を準備すべきだと提言したいのです。細分化すると以下の通りです。

① 活動の大枠が決まっているか?
② 活動の大枠のために、役割分担ができているか?
③ 役割分担の中で、作業工程がしっかりと見えているか?
④ 作業工程の中で、1人でできることと、数人でできることと、大人数でできることが明確になっているか?
⑤ 1人(数人)でできることを今やれねばならない理由があるか?
⑥ 自分(たち)が取り組んだことを他の人に引き継いだりその逆ができるか?

具体例として、今クラスで取り組んでいる「トリックアート」で考えてみます。
① トリックアートで展示する物は決まっているか?
 ・怪物(動物)に食べられる絵を奥の角に作る
 ・はしごの絵を黒板の横に作る
 ・トリックアートの仕組みや歴史を調べて展示する

② 3つの役割分担は決まっているか?
 ・1つあたり10人~17人程度のグループに分かれていて、誰がどの日に参加できるかメモが取ってある。

③④ トリックアートを書くにあたり、作業工程が決まっているか?
 ・下絵を描く(1人) → 色を塗る(多くて3~4人)が基本
 ・飾り付けを作る(?人) ・密を避けるための掲示を作る(?人)
 ・写真を撮るための距離やスポットを準備する(?人)
 ・調べ物をする(1テーマ3人程度×3~4つ) → 模造紙に書き出す(1~2人)

⑤ 学校祭まで準備時間はあとどれぐらいあるか?(今行う理由)
 ・夏休み平日 月~木 13:00~16:00 = 12時間
 ・金 9:00~16:00 = 7時間
 ・9月2日 1時間 ・8、10、13、14日 1時間半 = 6時間
 ・9日 2時間半 ・15日9:00~12:30 3時間半 合計32時間
 32時間を多いと思うか、少ないと思うか。

⑥ 引き継ぎはきちんとできるか?
 ・毎日作業の写真を撮ってグループLINEへアップする
 ・必要があればグループLINEでやりとりして準備を進める


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▼ 我がクラスの問題点
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 書き出してみて改めて感じたのは、③④の見通しが甘いということでした。この間集まったときにも、下絵を描くことしか想像ができていなくて、自分はここにいても仕事がないという風に感じてしまっているように思いました。明日からの活動では、その他の作業について考えさせ、仕事をたくさん生み出させた上で、作業を進めるようアドバイスできたらと思います。

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▼ 終わりに
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 今回は、学校祭準備について考えてみました。生徒たちは一度集まって、やることなんてないと感じてしまったのかもしれませんが、学校へ来た生徒にはできる限り、ここで書いたことを考えさせて、どんどん行動を促していきたいなと思います。私が一人でやっても生徒の成長には繋がりませんので、たくさん話し、たくさん考えさせ、たくさん失敗させたいなと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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