♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学校経営】「カリキュラムマネジメント」

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▼ カリキュラムマネジメントとは
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 ネットで検索すると、「カリキュラム・マネジメント」と出てくるものは、簡単に言うと次のことを指します。
①学校目標の実現に向けて定められるものであること
②子どもや地域の実態を踏まえ、教育課程を編成すること
③編成された教育課程、つまりカリキュラムを実施、評価し、改善していくこと
 これらの内容は、日々学校内で取り組まれていますが、同時に多くの勘違いを生んでいます。そこで今回は、この「カリキュラム・マネジメント」について、大阪教育大学田村教授から学んだことを基に説明していきたいと思います。
※これ以降は「カリキュラムマネジメント」「カリキュラム・マネジメント」両方を「カリマネ」と表記します。


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▼ スクールポリシー策定
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 今年度より、愛知県の公立高校ではスクールポリシーを策定し、ホームページや学校パンフレット等に掲載するようになりました。これが先述の①にあたる学校目標です。また、このスクールポリシーは、地域での役割を意識した内容も組み込まれているため、②の内容にも通ずると言えます。
 昨年度、スクールポリシーを策定し、今年度から新学習指導要領が年次進行で行われるため、新1年生には特に色濃くスクールポリシーやそれに基づく教育課程が準備されました。


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▼ 高校の場合(本校では)
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 先に断っておきますが、どの高校も以下のような形で行っているとは限りません。あくまで本校はこのような形で取り組んでいるという程度で読んでいただければ幸いです。
 始めに体育祭です。体育祭の競技は練習をしない種目が多くあります。例えば玉入れ、リレー、大縄跳びなどです。これらは業後(放課後)に練習する場合もありますが、ほとんどせずに本番を迎えています。本校では体育の時間に学年種目の練習を行います。言い方を変えれば、体育科の先生方が学年種目の練習を担当するのです。例えば1年生は台風の目を行うため、並び順から競技の練習までを体育科の先生方が担当します。また、2・3年生は応援ダンスがあるため、生徒たちが考えたダンスの入退場や隊形練習に少しアドバイスを付け加える程度となります。つまり、ほとんどを生徒たちの自主性に任せているのです。
 それでは運営はどうでしょうか。これは先生方に仕事が割り振られていますが、中心は体育科の先生方で、運営を担当するのは運動部の生徒たちです。リレーの時には陸上部が、綱引きの時にはラグビー部が動き、全体指揮を体育科の先生方で担当しているといった印象です。


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▼ 文化祭の場合
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 本校では8月の出校日(毎年17日頃)の翌日から準備を本格的に開始します。1学期に何度かLT(LHR)の時間があって、クラスでどのような展示物を作るかを考えるわけですが、買い出し等はこの日からスタートします。このスタート時点で、先生がどこまで介入するかが第一のポイントになるかと思います。
 例えば、生徒たちが自分たちでできあがりの想像ができていて、まだやるべきことが分かっていない場合、それが分かるまで待つのか、それをこちらで促すのか、それを事細かに指示をするのかで大きく結果が変わるし、生徒の成長の度合いも変わります。また、できあがりの想像すらできておらず、困っているところを助けるのか、そのまま放置するのかでも結果は変わってきます。ただし、1つ言えることは、完全に放置していても、私の所属する学校のレベルでは何とか形にはなると言うことです。あとはどこまでのレベルを求めるかによって、先生が介入する度合いも決めていけば良いのではないかと考えています。
 また、クラスによって、リーダーがいるところとそうでないところ、みんなで動こうとする雰囲気があるところと、指示を待つ雰囲気があるところ、暇だからと言って文化祭準備に参加しない生徒がいるところと、その生徒にもやらせようとする生徒がいるところなど、クラスによって全く雰囲気が変わるため、一概に何が正しいとは言えません。でも、生徒の自主性を高めるためには、ある程度のレベルの低さを覚悟して、生徒に任せることが大切だなと感じました。


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▼ 学年主任として
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 最後に、学級担任を持たない学年主任の視点で体育祭・文化祭を見ていきます。体育祭は、いろんなクラスのいろんな生徒の頑張る姿を間近で見ることができ、いろんな生徒と関わりを持てるチャンスが多いなという印象を受けました。逆を言うと、広く浅い付き合いとも言えるかもしれません。一方文化祭は蚊帳の外といった印象でした。各教室に顔を出してもアドバイスすることも手伝うこともできませんから、寂しく職員室で仕事をしていました。その中で生徒たちの前に立つのは、頭髪が奇抜だとか、何か悪ふざけをして指導するといった場面が多く、本当に悲しく思いました。私の学年はさして大きなトラブルはありませんでしたが、学級担任として生徒に寄り添うのではなく、規則に従わせる視点を持って生徒と接する苦しさや大変さを改めて感じた学校祭でした。詳しいトラブルについては、またどこかで話します。今は生々しくなるのでやめます!

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