♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【キャリア教育】ゆとり世代とコロナ世代の共通点

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▼ 肌で感じた中学生の実態
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立場上、詳しく言及できませんが、先日見た中学生のお話です。決められた時間「さえ」守っていれば良いだろうという考えで行動する生徒を目の当たりにしました。私の前任校では、手厚く指導していたので、こちらの指導が徐々に伝わっていき、そんな生徒はほとんどいませんでしたが、そんな学校ばかりではないのだなと感じました。
またその時に、我々が中高生の時に受けた世間からの批判に似たものを感じました。そこで今回は、我々ゆとり世代と今中高生である"コロナ世代"(※私の造語です)の闇の部分を比較します。


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▼ これだからゆとりは
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我々が中高生の時は、ちょうど学習内容が大幅に削減されていた時で、そもそも習っていない内容が多くありました。だから非常識な部分を取り上げて「これだからゆとりは、何にも知らないね」と揶揄されました。最近では、ゆとり世代の知識不足をクイズ形式にして、批判する番組まで生まれ、このテレビ局は醜い人達の集まりなのだと感じ、心底腹が立ちました。


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▼ 習ってないから仕方ない
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そんな批判に晒されるうち、自分たちも悲観的になってしまいました。どうせ習ってないから、知識がないのは仕方ないよねと思うようになったのです。他の世代であれば、知らないことが恥ずかしいという感覚をもつはずなのに、ゆとり世代の我々は、知らないのは国のせいだと思う人が多くいたのです。
もちろん全員がそう思っていたわけではありませんが、自分の努力不足を「ゆとり教育のせい」としてしまえば、自分と向き合わなくて済みますから。この点が、今の世代とよく似ている気がするのです。


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▼ やれていないのは仕方ない
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1年前の時点で中高生だった生徒たちは、特に新型コロナウイルスによる休校措置やオンライン授業などの特別な経験をしています。その影響で授業の進度も遅れ、行事もなくなり、今までできていたようなことができないことが多くありました。
そんな状況の中、前任校では「その状況下でもやれる範囲でやろう」と前向きに考え、指導してくださったおかげで、生徒たちも前向きに取り組む姿がありました。(卒業生を送る会はすごかった。)
ただし多くの学校は、そうではなかったようです。行事ができないから、みんなと協力して何かをすることはできなくて当然だ、という空気感が生徒の中で流れています。集会で整列することがないせいか、全体で集まる時の引き締まった雰囲気や、話を聞く姿勢などが例年に比べてできていないように感じました。(うちを筆頭に公立高校が人気のないのも要因だと思いますが。)
ないと信じたいですが、先生方の中にも、これぐらいで良いよね、コロナだから、と考えている方もいるような気がします。自分たちのできなさを棚に上げて、時代のせいにする風潮は、ゆとり世代も今も変わらないように思います。では、これからどうしていけば良いのでしょうか。自分たちの経験を基に、対策を提言して終わろうと思います。


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▼ 自分たちにしかできない
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ゆとり世代にとって知識不足は致命的でしたが、その分、世の中の仕組みについて考えるようになれたのは強みでした。大学時代、サークルのルールや慣習に疑問を持って、なぜそうなっているのかを同期とたくさん話し合いました。世の中で納得のいかないものをすぐに変えようとせず、まずどんな意味があってその文化が生まれたのかを考えるようにしていたのは、ゆとり世代の良い部分なのかなと思います。
今の世代で大切なのは、こういった他の世代との感覚の違いを強みとして欲しいということです。今の世代の感覚はいまいち掴み切れていません。けれども確実に言えることは、例年通りが通用しないのが当たり前で来ているということです。つまり、悪く言えば「昨年と同じことをしてはならないし、禁止事項が多い」と感じつつも「昨年と同じことはしなくても良いのだから、こんなことをしたらどうか」という新しいアイデアが生み出しやすい環境だということです。こういった状況から、アイデアをたくさん出そうという感覚を持っていてくれれば良いなと個人的に願っています。
まだまだこの閉塞感を打破することは難しいですが、今の中高生たちには、硬い頭を持つ大人たちをあっと言わせるようなアイデアを出してほしいし、我々大人はそういったアイデアを生み出せる環境づくりをすべきだと思います。もちろん先生も知恵を絞らなければなりませんけどね。



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