♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

2019年の総括

続きを書きます。1600字あります。暇な時に読んでください。

2019年になって、クラスがだいぶ落ち着いてきました。正確に言えば、荒れた雰囲気に慣れて、自分自身が落ち着いた、というところでしょうか。また、プライベートなことで区切りがついたことも、物事の見方を変えるきっかけとなりました。次の1年は、慣れたことばかりだろうから、積極的に何でも取り組もうと思っていました。そんな矢先、思わぬ話が校長先生からありました。

「生徒指導主事をお願いしたい」

もう今年が最後かもしれない人間に対して、どんな状況があったにせよ、かなり大きな決断をされたのだろうと感じ、快諾しました。その日から引き継ぎを書きながらの仕事が始まりました。

中学校の生徒指導主事は地域とのつながりを感じる瞬間が多くありました。地域交流センターでの会合、夏祭りのパトロールなどなど。PTAの方々ともケータイスマホ安全教室を企画したり昇降口であいさつしたり。本当に多くの方々とお話しできました。

また、市内の小中高、もう少し大きな規模での情報交換もたくさん行いました。1つ言えるのは、SNSにより他校の生徒同士がつながりをもち、悪い意味で遊んでいるということです。やはりケータイスマホとの付き合い方は、異校種が連携して取り組むべき課題だと強く感じました。

最後に、1年目同様に多くの世代と交流できたことを報告して終わります。

まずは保育園、幼稚園。中学2年生の職場体験で伺いました。こどもたちとともに遊ぶだけでなく、遊びに行く前の下準備や指示の出し方を生徒たちが学ぶ姿を見て、保育士や幼稚園教諭の先生方から自分もたくさんのことを学びました。

小学校へは給食を食べに行きました。味が濃く、量が少ないのが特徴でした。ただ、小学生たちは決められたルールの中で、流されながらもきちんと取り組んでいて、先生方の努力がひしひしと伝わってきました。国語の授業も見に行きましたが、これも担任の先生が仕込んだシステムが見事に働いていた授業だと思いました。

国語の授業は、他校の中学校にも見学に行きました。校風もありますが、とにかく生徒同士が話し合うことで授業が進んでいく形式をとっていて、発問や時間配分を工夫すれば、主体的で対話的な深い学びそのものだと感じました。

続いて高校です。先生向けの学校説明会に参加しました。自分の教え子たちが、ポスターセッションを行っていました。前任校だったこともあり、短い準備時間の中で、生徒たちの力を最大限に引き伸ばしている先生方の苦労が垣間見えました。

そして大学です。母校の教職センターからの依頼で、中学校と高校の国語について、授業形式の講義を行いました。内容は、扇の的の脚本化と、羅生門のストーリーを図式化するというもの。脚本化は、研究指定を受けていた高校の授業を参考に、実際に中学生へ向けて授業をしたものを体感してもらいました。中学生たちは自分たちのアイデアを劇に生かすという点はできるのですが、教科書本文を無視してしまうという大きな問題点がありました。オリジナルで大切な部分とアレンジの許容範囲を考えることは高校以上に大切だと話しました。一方羅生門では、中学校の5年経験者研修で学んだ、物語を星座に図式化するという授業手法を取り入れて行いました。物語の星座図とは、①冒頭場面②展開場面③クライマックス場面④その後の場面という型を表します。これを高校の1学期で扱う羅生門に当てはめようとしても、複雑すぎて当てはめられないことを体感してもらいました。高校生向けに応用すれば、複雑な星座図を作り上げ、ストーリーを図式化できることも授業をしながら学びました。

来年はいよいよ中学校3年間の流れが完結し、高校に戻るor中学校4年目の突入となります。どちらにせよ、自分の経験を発信する活動は続けていきたいと思います。長文失礼しました。