♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【卒業式】在校生はもはや無関心でよいか

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▼ コロナ禍の卒業式
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 まもなく3月を迎え、卒業シーズンへ突入します。本校も3月1日に卒業式を迎えます。コロナ禍での卒業式は3回目ですが、高校は最初の年が休校措置移行期間であったため、通常通り行っていました。この通常というのがどういうものだったのかを思い出すとともに、各学校ではどのような卒業式が一般的となっているのか、そしてその現状に対して私たちが考えなければならないことはないかという点で話をしていきたいと思います。


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▼ 全校生徒で送り出す
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 学校によって文化は異なりますが、本校を含め、多くの学校では全校生徒・職員、保護者、来賓が体育館に集まって卒業式を行っていました。単純に計算しても1000人を超える人数です。生徒数が多いところでも在校生として2年生が入るという文化があるのがコロナ前の常識であったと言えます。そこで合唱することで卒業生へ感謝やお祝いの気持ちを伝えたり、反対に卒業生が在校生にバトンタッチの意味合いで立派な姿を見せたりしていました。
 表向きではこんな感じではありますが、現実的なことを言えば、会場の一番後ろで生徒たちが寝たりこそこそしたりさせないように指導していて、大変な学校では本当に生徒指導が大変という印象も同時にありました。中学校勤務時代は、やはり落ち着きのない生徒がいて、人生で初めて”怒りの卒業式”を経験しました。(怒鳴っていないですよ!)


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▼ コロナ禍の卒業式
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 そんな中、コロナ禍となり、中学校では保護者すら体育館へ入れない措置を取りました。少し離れたところからリモートで卒業式に参加するというなんとも味気ない卒業式となりました。その時には在校生は一人も入れず、代わりに前日の卒業生を送る「お別れの会」を行いました。卒業式で送辞を読むことすら許されない異常事態でした。せっかく練習してきたのにと思いましたが、その生徒にはお別れの会で読み上げてもらうことで何とか報いました。
 その時はまだ合唱ということに対して制限がなかったため、間隔を取って卒業ソングや育ってきた母校の校歌を歌って終わりました。在校生が入れられなかった時には、先生たちで1日みっちり合唱練習をして、卒業生たちにサプライズで送りました。やはり合唱によってお互いの気持ちを伝え合おうという伝統からでした。
 昨年の3月になると、少し基準が緩くなって、保護者は各家庭一人まで。合唱も問題なくなされていました。しかし、今年はまん延防止等重点措置が取られていて、さらに言うと「合唱禁止」「部活動禁止」という指示が出ているため、今年はなんとも寂しい式になりそうなのです。


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▼ ちょっと脱線です・・・
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 少し余談ですが、式が挙行されるにあたり、多くの家庭が車を使って登校されます。いつも以上に駐車場を確保して、交通整理をする必要があると言うことです。これも先生たちの仕事です。運動場に線を引いて、多くの先生で動線を作って、キレイに駐車していくというのが一般的な対応だと考えられます。私は昨年3年担任であったため、ほとんど知りませんでしたが、今年になって駐車場係となり、式へは途中参加という形になりそうです。そんな状態ですから、服装は礼服か。交通整理はジャージで、式へ行くときに着替えていくべきか。いや着替えていたら式に参加するのが遅くなるし、どんな服装にしようかと毎年悩むため、他の先生と相談し、変にならないように気をつけます。私はだいたい礼服で最初から最後までやってしまいますけどね。


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▼ 下級生の関わり方
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 話を戻します。卒業式には3年生と保護者のみ。こういった状況からも分かるとおり、在校生が卒業式に出席するという文化が失われました。今年の2年生は、コロナ禍で中学校卒業式を迎えた代ですから、今年の2年生をどう扱うかによってその学校の新しい伝統が決まります。本校では、卒業式予行への参加(予行では同時に3カ年皆勤や学校独自の○○賞というものの表彰があるため)のみで、1年生はもちろん参加せず、翌日1日は1,2年生とも自宅学習です。
 一方他の学校の状況を聞いてみると、登校させて教室にリモートで参加させるというやり方があったようで、これもまた大変なことだなと感じました。思い入れのある先輩が画面に映っていればよいですが、校長先生の式辞や送辞、答辞を聞くだけでは気持ちが乗らないだろうなと感じてしまいます。(不真面目な生徒たちは登校するのかな?)


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▼ 卒業はどうあるべきか
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 1年前の登校にも書いていましたが、やはり在校生で新しい伝統を作る必要があるのかなと感じています。正直な話、12月、1月がラストチャンスであり、2月に入ってから卒業に向けて在校生からメッセージを送ることは難しいと思います。(まず年度末の成績処理があるため、先生たちが手に負えません。自分たちでできれば良いですが、伝統ができるまではこちらのサポートが必要です。)だから、年末年始の時期に、LT(中学で言う”学級活動”)の時間を使って、先輩へメッセージを送ることができればよいなと感じました。これを毎年言っていてやれていないのは、そういうシステムになっていないからです。新しい手帳を買って、11月頃に「卒業生メッセージ」というメモを残しておこうと思います。



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