♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【一般向け】オンライン動画は何のためにあるのか

大前提として、この話はオンラインによって双方向のコミュニケーションを取る環境が整っていないことを基に話をしています。全ての家庭でその環境が整っていれば、この話は不要になります。

一気にオンライン化が進んでいく中で、自分も遅れまいとして動画をアップする先生が何人か出てきました。しかし、この流れの中で忘れてはならないのが、その先生が誰に対して何のために動画を配信したかという意味づけです。

単に知識を伝えるに過ぎないものであれば、塾に負けると思います。指導力という意味では負けていないというプライドをもっていますが、黒板やホワイトボード、プロジェクター、編集技術などはあまりにもかけ離れ過ぎていて、いくら追いつこうと思っても無理なのです。

では、私たちは負けっぱなしで良いのでしょうか。そうではありません。我々の役割は、どんな順番で何を学ぶだとか、どの時期に何をすべきだとか、モチベーションを維持、アップするためにどんな工夫が必要かを伝えることです。。ゆえにオンライン動画の位置づけは、その学校でしけ学べない内容であり、その先生にしかできない話や伝え方でなければならないのです。

ただし、このことを小中学校に当てはまることはできません。各学校に特色があるにしても、教育課程に大きな差があってはならないからです。1日でも早く双方向の環境が整えば、もっといろんな可能性が広がってくるのですが、今できることはオンライン動画では少ないのではないかというのが私の立場です。今一番不安に感じているのがモチベーションの低下です。各学校で出されている課題の内容については、教育活動の流れの中で検討されて出されたものであるはずなので、多少テコ入れは必要かもしれませんが、変える必要はありません。問題は、その課題をやるかやらないか、課題が終わったあとにやらねばという危機感などのモチベーションです。

私は、初任校でJRC(青少年赤十字)で指導した経験から、行動の出発地点は「気づき」であることを学びました。この休校中に生徒が主体的に学習へ取り組むためには、自分に足りないこと、必要なことに「気づく」ことが必須です。まずは動画へ向かう前に、それぞれにこの「気づき」が得られるように我々が努力し、その上で動画や課題を使って「考え」「実行する」ことにつなげていけば良いのです。

その実践例は多岐に渡ります。家庭訪問や電話連絡などの物理的な双方向のコミュニケーション、課題郵送やメール配信、HP上での情報発信といった一方的なものも良いと思います。私はこのブログを通して、生徒に考えてほしいこと、やっておいてほしいことをこれからも更新し続けていきたいと考えています。それがこの時代で求められていることだと思うので。医療従事者が最前線で戦うように、それぞれの仕事で、それぞれの役割を果たしていけるよう頑張りましょう。