♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【中高大生向け】『ゆとり世代の受難 後編』

おはようございます。今日は本来ならば、歴代勤務校近くのお祭りの日でした。毎年顔を出していたので、少し寂しい気がしますが、異動した身としてはちょうどよいのかもしれませんね。

 

◯中学校「選択教科」

ここも記憶が曖昧ですが、5教科から2つ、4教科から1つ教科を選んで、授業を受けた覚えがあります。2年生は5教科1つだったような。私は当時社会の先生になりたかったので、何も考えずに社会のみを。4教科の方は、音楽を選択し、全国学校音楽コンクールに向けて練習することとなりました。この選択教科は、授業とは別の内容なので、完全に各先生オリジナルの教材だったように思います。

例えば、遣唐使廃止は、鎖国と同じである。⚪︎か×かという問題を出されて考えたり、新聞紙を使って株を購入した(と仮定して)どのようにして運用していくかを考えたりなどなど。音楽は合唱練習でした。受験生なのにこんなことをしていて良いのか、工夫しなくてはと思いながらも受けていたことを思い出します。

 

◯高校生「世界史未履修問題

我々が2年生の時に、全国で話題になったものです。世界史を受けるべきところを、教科書だけ買って受けたことにしていたという恐ろしい問題です。一番影響を受けたのが一個上の理系の先輩で、部活動をやっている時間帯にも補習をされていたことを覚えています。私自身、3年生にカリキュラムが変わって世界史未履修分を補うよう処置されたものを経験することになったのであまり影響はありませんでした。でも高校生としてこの問題に直面し、リアルに全校集会で先生から話を聞いた世代であることは間違いありません。

 

大学全入時代突入そして、失われた20年。

大学へ入学したタイミングで、教授や講師からこれから大学全入時代がやってくる、と伝えられました。大学全入とは、日本の大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る状況を迎えるとされる状況のことを指します。つまり、場所を選ばなければ誰でも大学へ進学できる時代です。各大学は生き残りをかけてさまざまな取り組みをしていきます。私の学び舎が、豊橋は残しつつ、笹島の方へキャンパスを移したのはまさにこの時期です。

同時期に経済界では、「失われた20年」という言い方が出てきました。自分たちが生まれた直後に好景気が終わり(バブル経済)、そこから経済低迷期が続いたことからこの名がついたようです。一度は景気回復期がありましたが、大学1年生の頃「リーマンショック」というのが起き、再び不景気になりました。先輩たちが大変苦労されていたことを今でも覚えています。

 

◯大学生「東日本大震災

卒業1年前にあたる年、東北で震災が起きました。教員採用試験の勉強中に、長く続く揺れを感じた程度でしたが、豊橋駅へ行ったら新幹線のダイヤがぐちゃぐちゃになっていました。この震災は皆さんも知っての通りなので補足はありませんが、この震災が私たちの職業観に影響を与えたことは言うまでもありません。

 

さて、2回にわたり見てきました。今の中3生には、選択教科を受けながら自分でやることを工夫しなければならないと考えた経験を。高3生には、未履修問題のように自分のやるべきことと必要なことの繋がりを考えるよう求められた経験を。そして大学4年生には、不景気や震災の中でどのような仕事を選択するかを考えさせられた経験を、今の自分に置き換えて考えてみてください。

中高生向けとは言え、少し難しい内容でした。すみません。

 

体重+1.2kg

体温36.2℃ ちょっとしんどい