♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

伝わらない恐怖、伝えられないもどかしさ

久々に教え子に会いました。私に会いに来るということは、何か悩みや不安があるに違いないと思っていました。悩みの内容は置いておいて、話す中で気づいたことがあります。

 

前向きな言葉は、言葉そのものではなく、普段の考え方である。

 

少し分かりにくいので例を基に説明します。例えば、彼女のように、中学生の時には周りに気にかけてくれる人や支えてくれる人がいたのに、高校へ進学してからなかなかそういう人に出会わなかったとします。普通なら、周りが自分のことを見てくれていないとか、自分は1人ではやっていけないのだと落ち込んでしまいます。でも私は、どちらも思いません。中学校時代が、補助輪付きの自転車、高校時代が自転車のように、ようやく今一人前に自転車が乗れるように練習するステップに進んだ、と考えるのです。

今日会いに来てくれた彼女はきっとこの「考え方」の部分に、少なからず「前向きさ」を感じ取ったのだろうと思います。(真実は定かではありませんが。)世間ではよく、前向きなことを考えようとか、前向きな言葉をかけようと言いますが、そんなことは簡単にはできません。でも、今置かれた劣悪な環境(だと自分が信じている状況)の中で、今はきっと最高の前の苦しい時期なんだ。後々この時期を思い返して懐かしいと思える時が来るんだと客観的に見ることができればもっと気持ちが楽になると思います。私はこれから大変な環境や場面に出会すでしょう。しかし、その度に、今の生き方を大切に過ごしていきたいなと思います。