♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【教員採用試験】なぜ私は受かったのか

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▼ 今日は回顧録
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 昨日は愛知県教員採用試験の1次試験の日でした。私も11年前に受けた試験ですから、記憶は薄くなりつつも覚えています。試験官の立場の先生に話は伺ったことがあるものの、やはりどのような観点で判断されているのかが分からないというのが本音だと思います。そこで今日は、11年目の今、当時の私を振り返ったときに、なぜ採用試験合格と判断してもらえたかについて考えてみようと思います。自慢話にならないように気をつけたいですが、「自分の良かったこと」を書くわけですから、そう見えてくるかも知れませんね。


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▼ 受験勉強は3年夏から
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 高校時代に死ぬほど勉強していたので、一般教養には自信がありましたが、それも含め、3年生の夏から大学の提供を受けて、東京アカデミーの教員採用試験対策講座を受講しました。理解できなかったものは録画された動画を観て復習しました。
 また、その講座を一緒に受けている人同士で、教職サークルを作り、面接練習、模擬授業、小論文添削など多岐にわたる活動を行いました。ノウハウなんてありません。自分たちが納得できるものを、というその想いだけで活動を行いました。結果から言えば、この答えのない問いを求めて貪欲に頑張り続ける姿が、採用試験では評価されたのだと思います。答えを見れば、とんでもないことを言っているのですが、その気持ちを評価してくれたのではないかと勝手に思っています。 

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▼ 面接の質問と答え
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 例えばこんなものがありました。載せておきます。
① あなたに部活動の指導ができますか?
 はい。私は中学校時代に野球部、合唱部、高校時代に軽音楽部、大学で落語研究会に所属していたため、運動部・文化部両方ともできます。
→この質問の意図は、自分の苦手な分野や、やったことのないものの顧問を任せても上手くやれますか?というものだったように思えてきますが、何ができるのかのアピールと捉えて話していることが何とも大学生らしいなと思います。

② 不祥事が起こる理由は何だと思いますか?また、不祥事に対してあなたはどう考えますか?
 はい。不祥事が起こる理由は、他人事だと思っているからだと考えます。自分には起こるはずがないと考えるのではなく、自分にもあるかもしれないと思うが大切だと考えています。もしかしたら生徒のことを好きになってしまうかも知れません。そんな時にも、教師と生徒だと距離を取って接するよう心がけます。
→好きになっちゃダメでしょ。(笑)でもここまで覚悟していますよ、というのは伝わったのではないかなと思います。

③ 卒業論文にある自称詞とは何ですか?
 はい。それは一人称代名詞のことです。二通り言い方があり、簡潔な方が良いと思い、こちらを採用しました。
→この質問の意図は、今でもよく分かりませんが、おそらく論文についてのアピールタイムだったのかなと思います。たぶん。

④ 音楽を大音量で流している生徒を見かけたとき、あなたはどのように指導しますか?
 はい。すぐに止めます。そして、周りがどう迷惑に感じているのかを考えさせます。反抗的な態度を取ってきた生徒に対しては、毅然とした態度で何度も粘り強くこちらの意図を伝えます。
→経験していくうちに、指導の際には場所を移すことや、先生方と協力する大切さなどが一番に思いつくようになりますが、まず生徒と向きあいたいという気持ちを持っていることがこの回答から見受けられるため、自分が指導するのだという気概を評価されたのだと思います。また、指導のタイミングがその場ですぐであったことも評価されたのかなと思いますが、一番は、その答えを自信満々に話したことなのかなと思います。もう必死でした。


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▼ 勉強はどう取り組んだか
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 これは明確な答えがあります。高校3年生の時と同じように取り組みました。ただ一つ違うのは、勉強する環境を大学図書館にしていたため、教職サークルのメンバーと顔を合わせることが多かったということです。仲間がいると思うだけで頑張れました。
 一般教養は先述の通り、高校時代に頑張った分、あまり取り組まずとも8割から9割取れました。でも、教職教養が難しかったように思います。当時は、「生きる力」というキーワードを基に、当時の中教審からどのような答申が出されていたかを見ては、自らの言葉に落とし込んで覚えていました。今見返してみると、現場の人にとっては、あれはこれのことか。と納得いくものも、経験のない私にとっては異国の地の書物のように感じられていました。
 

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▼ 面接練習・論文添削
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 面接練習は友人と集まって何度も取り組みました。他人の答えを聞いて、その答えいいな!と思った物は取り入れ、答え方や仕草は良いなと思えば、自分の答え方の参考にしました。答え自体はあっているかどうか分かりませんでしたが、自分の考えを何度も何度も練って洗練していく作業は、今思えばとてもよい経験だったなと思います。大学生は模範解答を知らないからこそ、自分の考えをどんな角度から質問されても答えられるようにしておきさえすれば良いのだと思います。
 小論文添削も同様です。過去問や他県のテーマを持ってきて、そのテーマに対してどのように書くかを考えて何度も何度も書き直す作業が良かったように思います。ただし、もし今受験生にアドバイスするとしたら、ありきたりなアイデアと、一般論はつまらないということ。一般的に言われているが、こんな例があることを知っている。私の経験でこんなことがあったため、こういうアイデアもありではないかなど、オリジナリティが色濃く出ている方が、読み手にとって評価しやすいのではないかと思います。


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▼ 鬼門「集団討論」
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 最後に愛知県教員採用試験の鬼門「集団討論」についてお話しします。私は当日会場で、横7人に「一緒に受かりましょう」と声をかけまくりました。すると、この8人の仲間意識が生まれ、隣同士だとか両隣含む3人での会話が生まれました。私は討論中にフリーズしてしまいましたが、その時にも「大丈夫ですよ」と優しく声をかけてくださる方がいて、本当にこのメンバーで実際に働いてみたいとも思いました。今振り返ると、この集団討論の目的は、年齢も環境も考え方も異なる人同士で、どう上手く意見を出し合えるかだと考えています。幸運なことに、この集団にはこの心地よい雰囲気が自然に生まれ、討論を最後までバランス良く進めることができたのだと思います。
 現場で働いていると、この人とは一緒に働きたくないなと思う人はいます。でもその人と上手く関係を築いていくことで、思わぬところで助けてもらったり、信頼してもらえたりします。これから先生を目指す人は、ぜひその”バランスを取る力”を鍛えて欲しいなと思います。

【追記です。】
近年は集団討論が廃止され、場面指導になったようですね。また学生から話を聞いて、
何か書けることがあれば書こうと思います。

今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 



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