♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【キャリア教育】言葉に重みを持つためにはどうしたら良いか

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▼ ボランティア先での一言
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「生きていなければ、嫌なことがあった分を取り返せないから、とにかく生きなさい」
これは、先日ボランティア先で、90歳の方から高校生に向けて話してくださった言葉なのだそう。私は30年足らずの人生を元に、「生きていれば良いことあるよ」と生徒たちに言うことがありますが、全く重みが違うなと感じました。経験のある人の言葉に重みがあるのは当然、と感覚的には分かるのですが、これをしっかりと論理的に説明することに挑戦したいと思います。
ちなみにこの「重み」というのは、しっかりと心に響いてくるという意味であって、それが良いか悪いかという評価をする意味合いはもちませんのでご理解ください。


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経験談のリアリティ
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まず、言葉の重みを感じる理由として挙げられるのは、現実味のある経験談です。例えば、私が単に、受験のホテルの予約は、日付を確認しなさいよ、と言うだけでは何も感じません。でも、私が受験日当日にホテルを予約していて、青ざめて学校から母に電話して、奇跡的に予約が取れた(実話です。)という話を一緒にしたとしたらどうでしょうか。その人の言葉に重みが出てくるというわけです。


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▼ いつもそう思っている
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その人の思いが乗っていると、その言葉は説得力を増すと言います。例えば、普段からどんな人に対しても明るく接している人が「元気よく挨拶すると気持ち良いよ!」と言うと、とても納得します。逆に、普段あまり挨拶をしない人が同じ言葉を発すると違和感を覚えます。これは、周りが違和感を抱いているように感じますが、実際は言葉を発する本人が違和感を覚えているからこそ、その違和感が伝わってしまうということなのです。


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▼ ゆっくりと話す
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これは技術的な話ではなく、言葉に重みが出てくると話がゆっくりになるという話です。気持ちを込めて話そうとする時や、想像しながら話をする時、必ず話すスピードはゆっくりになります。これは自信のある証でもあります。反対に言葉に気持ちが乗っていなかったり、自信がなかったりすると、早く終わらせたいからスピードが速くなるのです。


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▼ 90歳の方の場合
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まず1つ目の「経験談のリアリティ」は、言うまでもありません。90年間の数々の体験は、たとえ想像できなかったとしても、凄さが伝わってきます。
2つ目の「いつもそう思っている」ことは、本人に聞けないので確認のしようがありませんが、こちらからいきなり質問を投げかけても、さっと答えられたことや、その答えの内容からも、普段から考えていることなのだろうと想像できます。(これは個人的な見解ですが、高齢者の皆さんが若者に対して発するメッセージは、どの答えも心に響くものばかりなので、きっと普段から「伝えたい」と思って生きていらっしゃるのだなと思っています。)
最後に3つ目の「ゆっくりと話す」ことは、高齢の方だからというのもあるかもしれませんが、やはりそのスピードが今までの経験や実感をもって話されているように感じさせます。

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▼ 転用すると
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最後に、これを誰でも真似できる形に転用するとしたら、という仮定で話したいと思います。まずはたくさんの経験を積むことです。言い換えれば、たくさん挑戦することです。特に中高生であれば、経験値は圧倒的に低く、大人に太刀打ちできるわけがありません。だから、大人たちに反発するのは良いことだと思いますが、言われたことを単に「やらない」で終わらせるのでは意味がありません。ここで「別にこういうことをやる」というベクトルを持たせられるよう、さまざまな大人から、いろいろな選択肢を示すことが大事だと思いました。
そして、普段からみんなが先生から小学校の時に教わったことをもう一度思い出して、取り組むことが大切です。元気よく挨拶をしよう。みんながしてもらって嬉しいことをどんどんしよう。そしてありがとうを伝えよう。こういうことができれば、きっと言葉に感情が乗るようになると思います。私もなかなかできないことが多くあります。生徒に投げかけながら、自分もできるよう努力していきたいと思います。


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