♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

働くことのやりがいとは何か

これは、私が今年度の1学期に生徒に課していた課題である。最終的な結論として、書いてきたメッセージは次の通りである。

人の為に役に立てること
人の笑顔を見ること
好きなことをやってお金を稼ぐこと
一生懸命やって結果を出すこと
辛い気持ち以上に、嬉しい気持ちが持てること

私が常日頃彼らに伝えているものとほぼ一致しているので、その時は何も感じなかった。しかし、我が友のブログを読んで返答歌のようなメッセージを送りたくなったので、意見を述べたいと思う。

世間では、キャリア教育の必要性が叫ばれて久しい。それは、大学をどうするか?という出口戦略のみに固執する高校教育に警鐘を鳴らし、職業選択や生涯に渡っての生き方を考えさせることを要求するものだ。
それで、一番初めの話の、働くことのやりがいを考えさせたのだ。私が思うに、やりがいとは、「自分のやりたいことを貫けているか?」ということだと思う。
それはやりたい職業という意味ではなく、もっと大きな枠で考えてやりたいことである。
アーティストのスガシカオさんがNHKのプロフェッショナルという番組で次のような発言をしている。

僕は元々高校教師になりたかった。それは、人の心に残るメッセージを伝えたいと思ったから。今僕はアーティストだけれど、人の心に残るメッセージをたくさん伝えることができていると。

まさにこれが、働くことの目標であり、やりたいではないのかなと思ったのだ。
私には幾つかの目標があるが、その1つに「この国でボランティア精神を広めたい」という気持ちがある。その気持ちを実現するためには今の安定した仕事を辞めてでも、社会に挑戦していく必要がある。
自分は生涯に渡って何をすることを柱として仕事をしていくのか。終身雇用が当たり前ではなくなった今、その考え方が世の中を変えていくのかもしれない。

建前としては、一生続けられる仕事に就け!というのが一番良い。ただ80年間生きてきて、同じ仕事であり続けるのは難しい。

最後に転職のことも触れておきたい。私の元にも、仕事が変わったという連絡が既に何人か来ている。学校から斡旋してもらったのに3年続かないか…と肩を落とすことがある。辞めた理由は、想像と違っていた。自分のやりたいことができなかった。などなど。
上の世代の方は言う。

最初は我慢して、目の前の仕事をがむしゃらに頑張れ。その姿が認められて、色んな仕事を任せてもらえる。すぐに諦めるな

確かに我慢しろというのは私も同感だ。でも、そこに自分のやりがいをどこに見出すか?という視点がなければいくらどんな仕事をしても長くは続かない。最初の生徒のメッセージにある、一生懸命やって結果を出すことや、辛い気持ち以上に嬉しい気持ちが持てること、これらには何かヒントが隠されている気がする。

あなたは、社会で何をして生きていきますか?社会で何にやりがいを見出しますか?