生きる

現実を見つめれば生きているのが苦しくなる。かつて、そう言ってきた生徒がいた。
生きるとは、どういうことだろうか。
私が大学時代、落語を研究していたときに、誰が言った言葉だったか記憶がないのだが、こんな言葉があった。

お客さんは、噺を聞きに来るのではなく、噺をする噺家を見に来るのだ

誰しも、好きな人、嫌いな人、目指したい人、目指したくない人、会いたい人、顔を見たくない人など、他人に振り回されることが多い。それだけ、人との繋がりが意識されるのが人生だ。そんな中でこの言葉は、まるでお客さんが会いたくなる人になれ!と言われている言葉のように感じた。
4月、教壇に立って新しく生徒と対峙したとき、自分は彼らにとってどういう存在であれば良いのか?ということを考え始めた。自分が教えるべきことよりも、自分が伝えたいと思うことよりも前に、どういう存在であれば、自分が納得するかを考える。
生きるとは何か。今の私が答えるとしたら、それは、「あなたにとっての何かになる」こと。ある人にとっては大好きな存在でありたいし、ある人にとっては面倒な存在でありたい。誰かにとって無意味な存在にはなりたくない。そう思いながら人生を送ることを、生きるという。正しいかどうかなんて分からないが、そう思う。