今回の話題は半濁点と促音便無表記です。は?と思った高校生には復習です。
半濁点は、例えば、ぱぴぷぺぽの記号「゚」を表します。これはポルトガル人がキリスト教を伝える時に、この発音を表す記号がなかったため、このような表記を用いたのが始まりだと言われています。これは小学校で習いました。
そして促音便とは、例えば「勝つ」の連用形「勝ちて」が「勝って」という形に変化することを指します。こっちの方が言いやすいですからね。これは中学校で習いました。
最後に無表記は、古文で見られる現象です。高校で最もメジャーなものは「撥音便の無表記」で、例えば「さは秋の夜は思し捨てつるななりな」(それでは秋の夜は見捨てなさったようですね) 更級日記より抜粋、の「ななり」は「なるなり」→「なんなり」→「ななり」と変化する現象を表します。
※ちなみに「なるなり」の根拠は、断定の助動詞「なり」の連体形「なる」に伝聞推定(ここでは推定)の助動詞「なり」の終止形と考えられるためです。
それで、「にほん」をこれに当てはめてみるとどうでしょうか。先ほど述べたように、半濁点はキリスト教が伝わってくる14世紀より前には表記がなかったと言われています。この説を適用するなら、「にぽん」という発音も考えられます。こじつけか。
そして音便の無表記の可能性を考えれば、「にほん」は「にっぽん」となるのです!かなりのこじつけで「にほん」を「にっぽん」と読め、というのは乱暴な非常識な話だと思いますが、日本語の歴史を踏まえると、こんな言葉遊びもできるよ、ということが言えるでしょう。