♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

NO.135「父親に憧れた瞬間」

おはようございます。今日から2日間、職場体験学習を行っていきます。自分の将来の夢とは別の仕事だという人が多いですが、そんなことは関係ありません。あなたがどんな仕事に就いたとしても、あなたにとっての「働くことの意義」は変化しないからです。今日出会う「働く人」は一体どんな想いをもって仕事をしているのでしょうか。ぜひ体感してきてください。

 私が初めて仕事をしたのは、高校2年生の時でした。当時、父親が働いていた飲食店で、「期間限定で手伝ってほしい」というお願いをされたからです。5日間限定でしたが、ひっきりなしに出入りし、こちらの事情は関係なく各々注文するお客様に、笑顔で正確に素早く対応しなければならない状況だったので、とてもしんどい想いをしました。 そんな時、ふと父親を見ました。私と同じホールで接客をしていた父の姿はどんな姿なのかを知りたかったからです。店内は満員、外にも列ができている状態で、父はとびきりの笑顔で話をしていたのです。話しかけられたら手を止め、すぐにその人に合った話をしながら、注文を聞き、厨房へ伝えた後、再び元々の作業に戻っていたのです。

 働くとは、人にプレゼントを与えることだとその時初めて気づきました。父親へ直接話を聞いたことはありませんが、きっと父は、いつもお客様に何かをプレゼントしようと思って働いているのではないでしょうか。

 

令和元年12月5日 学級通信