♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【学校経営】上司に求めるもの

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▼ あくまで一般論です
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 今週は上に立つ者に対する思いを書きたいと思います。ここで確認しておきたいのは、実際の体験や経験に基づいた文章から、あの人のことを言っているのではないかと予想できてしまう可能性が出てくることです。しかし、あくまでこれは一般化して書いていくという前提ですから、読者からみて「あの人のことを批判している」と感じても、それは私の意図しないことですからご了承ください。
 そして、今回登場する「上司」という表現は、本来は「校長」「教頭」などの管理職を表しますが、世間一般の感覚に照らし合わせて、「○○主任」や「経験年数のある人」に対しても使います。


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▼ 生徒を第一に考える
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 これは、全ての先生に言えることですが、生徒を第一に考えて行動する姿は、どの立場の先生にとっても模範となるし、尊敬できる人だと言えます。ただし、ここには落とし穴があることに最近気づきました。「生徒だけ」を第一に考えるという視点です。
 国語の週末課題を例にお話しします。来週月曜日の提出範囲は元々設定されていませんでした。そこで、どこを設定するかということが話題になりました。生徒を第一に考えれば、しっかりと勉強できるようこれまでと同様の内容を出すべきとか、これまでの総復習となるような教材を作って取り組ませるべきという発想になります。しかし、今週は入試業務が忙しく、担当によっては夜21時まで働いていて、来週月曜日には、課題チェックの余裕がない可能性もあります。よって、週末課題を出さない決定を出したのです。(分かりやすくするために作った話なので、実際は少し違いますよ。)
 生徒を第一に考えるのはもちろんですが、仕事のゆとりがない先生に対して、さらに負担を増やすような仕事の振り方は、上司としてはいかがなものかなと感じます。


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▼ 決断力がある
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 上司に求めるもの第一位は、私の中では「決断力」です。判断に迷ったときに、責任を取ってもらうために、明確な指示を仰ぎます。そうすれば、仮にその判断によって状況が悪化しても、責任を負ってもらえるからです。
 特に生徒指導上の問題で、判断を仰ぐことがよくあります。こちらがSNS上でのトラブルが起こったときに、どのような指導をするかという話し合いが行われますが、最後は上司の先生方で決定がなされます。その決定に違和感を覚え、不満を感じることもありますが、その考え方が学校のあり方そのものとなるため、下々の人間は決定を受け入れざるを得ないのです。
 この決断力がない上司だと、「あなたのやりたいようにやればよい」と責任転嫁する可能性があります。こちらにはありがたいと思う反面、上手くいかなかったときに、助けてもらえない可能性があるのです。「好きにやれ。あとはこちらで責任を取る。」は理想ですが、好きにやってもらって不祥事が起きたら、大ごとになるのも事実です。どこまで任せ、どこまでを指示するのかを瞬時に判断する力は、上に立つ者が身につけておくべき力なのだろうと思います。


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▼ 些細な変化に気づく
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 ある意味、最も大切な資質・能力だと思います。部下が何でも報告してくれるから、それまで待っていようという姿勢では何も気づくことはできません。生徒の変化に気づいて、担任の先生と共有すること。先生の変化に気づいて、見守ったり周りの先生に相談したりすることなど、全ての行動の根本となる意識だと思います。
 仕事には関係ありませんが、髪の毛を切ったことに気づく上司は信頼できるという話を聞いたことがあります。暇があれば教室を回って、しっかりと掃除ができていることを褒めてくださったり、生徒が以前に比べて授業がしっかりと受けられるようになったと喜んでくださったり、いろんな話をしてくださる方は、たくさん意識していろんな人を見て、些細な変化を見逃さないのだと思います。
 

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▼ お疲れさまが言える人
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 そんなこと?と思うかも知れませんが、なかなかできないことです。自分の予定が合っても、自分の仕事があっても常に他の先生のことを見ていて、ふとした一区切りで一言を投げかける。分かっていてもなかなかできません。分かりやすく大きな事件があったときには、夜遅くまで一緒に対応して、自分も疲れているのに、一言。自分の仕事は終わっているのに、自分がいなくとも全く問題がないのに、夜遅くまで残って一言。「お疲れさま」と先程の「気づき」がセットになると、信頼感がぐっと上がります。


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▼ 行動できる人
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 最後に、行動力のある人について書いて終わろうと思います。「決断力」「気づき」「一言」に共通することは「行動力」です。席に座って指示するだけの人には誰もついて行きません。よし、行こうかと即断即決で行動する人のことは信頼できるし、何でも相談しようと思います。これだけは言ってしまいますが、今所属の学年主任の先生はそういうタイプの先生です。自分はできないからと言いつつ、相談に対してすぐに動いてくださる方なので、いつもすぐに報告しようという気持ちになります。
 いつか自分も上に立つことがあるかも知れません。そういったときには、今書いたことを自分に言い聞かせて取り組みたいなと思います。



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